「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A(リスク評価全般)

「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A
【生物系物質】
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IV 生物系物質

 IV-1   カンピロバクター
 IV-2   ウエルシュ菌
 IV-3   サルモネラ
 IV-4   腸管出血性大腸菌O157
 IV-5   牛肝臓(レバー)の生食
 IV-6   腸炎ビブリオ
 IV-7   リステリア
 IV-8   ノロウイルス
 IV-9   アニサキス症
 IV-10  加熱不十分の豚肉
 IV-11  キノコ
 IV-12  ジャガイモに含まれるソラニン
 IV-13  モロヘイヤ
 IV-14  スイセン
 IV-15  フグ
 IV-16  貝毒
 IV-17  ヒスタミン
 IV-18  かび毒
 IV-19  鳥インフルエンザ
 IV-20  豚熱(CSF)
 IV-21  牛海綿状脳症(BSE)とはなんですか
 IV-22  牛海綿状脳症(BSE)の国内対策

 

Q&A

Q IV-1鶏肉にはカンピロバクターという食中毒の原因菌がいると聞きました。カンピロバクターについて教えてください。

A IV-1  カンピロバクターは、鶏や牛、豚などの家畜の消化管内に主に生息する細菌であり、現在我が国で確認されている食中毒の上位を占めている原因菌のひとつです。

人がカンピロバクターを含む食品を食べると、少ない菌数でも腸炎を発症し、下痢、腹痛、発熱などの症状を起こす可能性があります。多くは自然に治りますが、まれに、感染後に重篤な症状を起こす神経疾患であるギラン・バレー症候群を発症することもあります。

カンピロバクターの原因食品としては鶏刺しなどが挙げられています。新鮮だから安全というわけではありません。カンピロバクターは乾燥に弱く、また、65℃以上での数分間の加熱によって死滅します。鶏肉の生食や加熱不十分な鶏肉料理は避けましょう。家庭等での食生活で実行できるカンピロバクター対策としては、「十分加熱して食べる」、「生で食べる野菜などは肉より先に切り、肉を切ったまな板や包丁はよく洗って熱湯等で消毒、よく乾燥させる」、「冷蔵庫で保存する時は、肉と野菜は離して入れる」、「調理するときは手洗いを徹底する」などです。

食中毒の疑いがある場合には、最寄りの保健所や医療機関などに御相談してください。

 (参考)
・食品安全委員会  リスクプロファイル 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル〜鶏肉等におけるCampylobacter jejuni /coli〜(改訂版)(令和3年6月改訂)[PDF:2,232KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会  食品健康影響評価書「鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」[PDF:520KB]別ウインドウで開きます
・厚生労働省  カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-2   みんなでカレーや豚汁など大鍋で料理をしようと思ってます。大鍋料理ではウエルシュ菌による食中毒に注意するよういわれましたが、ウエルシュ菌食中毒はどのようなもので、どのようにしたら防げますか。

A IV-2   ウエルシュ菌は、土壌などに広く生息し、酸素のないところで増殖する菌で、耐熱性芽胞を形成するものもあります。ウエルシュ菌がよく増殖する温度は43〜45℃です。

             ウエルシュ菌による食中毒は、食物と共に腸に達した菌が出す毒素によって起こるものです。潜伏期間は6〜18時間で、主な症状は下痢と腹痛です。 ウエルシュ菌の食中毒は、食肉や魚介類及び野菜類などを使ったカレーやシチューなどの煮込み料理、また、そういった料理を一度に大量に作る場合などで起こることが多くなっています。これらの食品の調理過程では、1)加熱調理により共存細菌の多くが死滅してもウエルシュ菌芽胞が残存すること、2)加熱により芽胞の発芽が促進されること、3)加熱により食品内に含まれる酸素が追い出されること、4)自然放冷など緩やかな冷却の場合55℃くらいから急速に増殖することが知られています。

ウエルシュ菌による食中毒の発症には多くの菌量が必要とされているため、加熱殺菌と増殖防止が感染防止のための有効な手段です。料理を作る際には、十分な加熱をし、熱いうちに食べてください。保存するときは、小分けにする容器にいれ、冷蔵庫で保存してください。

小分けにした食品を温めなおす場合、電子レンジによる加熱では、部分的に加熱不十分になりやすいので、加熱する際に、かきまぜるなどして、加熱むらがないように注意してください。

※ 芽胞:ウエルシュ菌やボツリヌス菌、セレウス菌、枯草菌等の特定の細菌が作る細胞構造の一種。生育環境が増殖に適さなくなると、菌体内に形成する。芽胞は加熱や乾燥等の過酷な条件に対して強い抵抗性を持ち、発育に適した環境になると、本来の形である栄養細胞となって再び増殖する。

(参考)
・食品安全委員会 ファクトシート ウエルシュ菌食中毒[PDF:330KB]別ウインドウで開きます

 

Q IV-3  鶏卵にはサルモネラ菌があるとよくききます。サルモネラ菌による食中毒を予防するために、鶏卵を安全に食べるにはどうすればいいですか。

A IV-3  サルモネラ属菌は、鶏、豚、牛などの動物の腸管や河川、下水などの自然界に広く分布しており、血清型による分類で2,500種以上が知られています。サルモネラ属菌に汚染された鶏肉や鶏卵を摂取することで、少量の菌でも食中毒を発症することがあります。食中毒は汚染された食品を食べてから12〜48時間後に発症します。主な症状としては、下痢、腹痛、おう吐などの急性胃腸炎があり、発熱(場合によっては38〜40°C)が特徴の一つです。

サルモネラ属菌による食中毒発生件数は減少傾向にあり、平成10年の757件から令和2年は33件(厚生労働省 令和2年食中毒統計)となっていますが、乳幼児や高齢者及び免疫機能の低下した方などでは、重症化するリスクがあり注意が必要です。

殻つき卵の賞味期限は「冷蔵保存」(10℃以下)を前提としています。鶏卵を安全に食べるには、購入した卵はすぐに冷蔵庫に入れ、冷蔵庫から取り出した後に、調理のために割卵した卵は室温で放置しないようにしてください。特に卵黄と卵白を攪拌混合した状態は細菌が増えやすくなるという報告があるので、攪拌した状態で放置しないでください。高齢の方、2歳以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は、できる限り十分に加熱した卵料理をおすすめします。

(参考)
・食品安全委員会   リスクプロファイル 鶏卵中のサルモネラ・エンテリティディス(平成22年4月改訂)[PDF:675KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会   リスクプロファイル 鶏肉中におけるサルモネラ属菌(平成24年1月改訂)[PDF:727KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会   生活の中の食品安全 〜安心して生卵を食べられる国〜

 

Q IV-4  腸管出血性大腸菌O157による食中毒を防ぐにはどうしたらよいですか。

A IV-4  腸管出血性大腸菌は、哺乳動物、鳥類の腸管内に生息するとされ、家畜では特に牛の腸やふん便から検出された報告が多いです。人のふん便中にも時々見つかる菌です。腸管出血性大腸菌はO157の他にも、O26 、O103、O111など多くの血清型が知られています。O157 では牛肉や牛レバーを生や加熱不足で食べたために発症する例が多いですが、肉についた菌が野菜や果物など他の食品に付着し、それを食べて感染することもあります。消毒不十分な井戸水から感染した例もあります。

食中毒は汚染された食品を食べて1日から14日(平均4〜8日)に発症します。主な症状は腹痛と下痢です。まったく症状がないもの、軽い腹痛や下痢のみのものから、激しい腹痛と血便を伴う出血性大腸炎を起こすものもあります。高熱を伴うこともあります。激しい腹痛と血便がある場合には、速やかに医師に相談する必要があります。重症化すると溶血性尿毒症症候群などを引き起こし、死に至る場合があります。特に子どもや高齢者では症状が重くなることがあるので注意が必要です。

腸管出血性大腸菌は、加熱や消毒により死滅します。食中毒の予防対策としては、食肉は中心部まで十分加熱する(75℃で1分以上)、野菜類はよく洗浄する、調理器具を消毒するなどの対策を徹底することが重要です。

※ 溶血性尿毒症症候群(HUS)溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を3主徴とする症候群

(参考)
・食品安全委員会 リスクプロファイル 牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌(平成22年4月改訂)[PDF:282KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会 腸管出血性大腸菌による食中毒の情報
・食品安全委員会 食品健康影響評価書「生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌」[PDF:2,353KB]別ウインドウで開きます
・厚生労働省 腸管出血性大腸菌による食中毒別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

QIV-5 なぜ牛肝臓レバーの生食ができなくなったのですか。牛レバーを安全に食べるにはどうすればいいですか。

AIV-5 牛の肝臓には、腸管出血性大腸菌がいることがあり、牛肝臓(レバー)の生食用としての提供が禁止されたのは、もし生で食べると腸管出血性大腸菌による重い食中毒の発生が避けられないからです。そのため、平成24年7月1日から、生食用牛レバーの販売が禁止されました。

牛レバーを安全に食べるためには、中心部まで75℃で1分以上を目安にしっかり加熱してください。また、生レバーや生肉を扱った調理器具は、洗浄後熱湯で十分に殺菌し、他の食材用の調理器具と使い分けるようにしましょう。

※ 腸管出血性大腸菌による食中毒 →QIV-4

(参考)
・食品安全委員会 食肉や内臓の生食について
・厚生労働省 「牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

QIV-6 腸炎ビブリオの食中毒は、魚介類で起こりやすいと聞きます。調理する時どのようなことに気を付ければよいですか。

AIV-6   腸炎ビブリオによる食中毒では、12時間前後の潜伏期間のあと、腹痛、水様下痢、発熱、おう吐などの症状が起こります。過去の原因食品は、魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)や二次汚染されたその他の食品等が報告されています。腸炎ビブリオは、真水や酸に弱く、3%前後の食塩を含む食品中でよく増殖します。また、室温でも速やかに増殖します。腸炎ビブリオについては61°Cで10分間以上の加熱殺菌処理が推奨されています。

腸炎ビブリオの食中毒予防対策としては、魚介類は新鮮なものでも真水でよく洗うこと、短時間でも冷蔵庫に保存し、増殖を抑えることが重要です。

(参考)
・食品安全委員会   リスクプロファイル 生鮮魚介類における腸炎ビブリオ(平成24年1月改訂)[PDF:582KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会   平成21年度食品安全確保総合調査「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」腸炎ビブリオ」別ウインドウで食品安全総合情報システムが開きます

 

QIV-7 妊娠中はリステリアという食中毒の原因菌に汚染される可能性がある食品を食べないようにと聞きました。リステリアについて教えてください。また、どのような食品に注意したらいいですか。

AIV-7 リステリア属菌は、河川や下水、魚類、野生動物、家畜の腸管など、自然界に広く分布しています。欧米では、この細菌に汚染された食品を介して、ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモン等を原因としたリステリア・モノサイトゲネス(以下「リステリア」という)による集団食中毒が発生しています。

リステリアに汚染された食品を食べても汚染菌数が少ない場合、健康な人であれば、感染しても症状がでないことが多いのですが、高齢者を含め免疫力が低下している人は、発症のリスクが高まります。リステリア症を発症すると、初期にはインフルエンザのような発熱や嘔吐、頭痛などの症状があり、重症になると髄膜炎や敗血症を引き起こし、意識障害やけいれんが起こることもあります。

また、妊婦が感染した場合、早産や流産の原因になったり、胎児に影響が出たりする例もみられますので、注意が必要です。

リステリアは4 ℃以下でも増殖可能ですが、70℃以上の加熱で死滅します。

国内で生産されるチーズ等の乳製品は殺菌された乳からつくられており、リステリア汚染の可能性は極めて低いと考えられます。また、プロセスチーズも、ナチュラルチーズを加熱して製造するので、リステリア汚染の可能性は低いといえます。妊娠期間中は、肉なども十分加熱して食べてください。どうしても心配であれば医師に相談して下さい。

リステリア症予防のポイントは、冷蔵庫を過信することなく、生で食べる食品やRTE食品(※)は賞味期限または消費期限を守り、なるべく早く食べること、特に、妊婦や免疫力が低下している高齢者は、できるだけ加熱した食品を食べることなどです。

※ RTE食品:消費者が購入後に加熱調理しないで食べる食品(Ready-to-eat foods)。非加熱喫食食品とも呼ばれる。チーズ、燻製品、サラダ、生ハム等。

(参考)
・食品安全委員会 食品健康影響評価書「食品中のリステリア・モノサイトゲネス」[PDF:1,850KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会 リスクプロファイル〜非加熱喫食調理済み食品(Ready-to-eat 食品)におけるリステリア・モノサイトゲネス 〜(平成24年1月改訂)[PDF:578KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会 季刊誌「食品安全」vol.35 p4「食品中のリステリア・モノサイトゲネスについて」[PDF:415KB]別ウインドウで開きます
・厚生労働省 リステリアによる食中毒別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-8 ノロウイルスによる食中毒感染が広く報じられていますが、予防するためにはどうすればよいかを教えてください。

A IV-8 ノロウイルスは、感染力が強く、少量(10〜100個程度)が口に入っただけでも、感染、発症します。
感染すると、24〜48時間以内に、おう吐、下痢、腹痛吐き気、腹痛、38℃以下の発熱などの症状を引き起こします。特に、おう吐は突然、抑えることが出来ないほど急激に強く起こるのが特徴的です。特にこどもや高齢者は感染した場合、健康な成人よりも重症になりやすいので注意が必要です。現時点では、ノロウイルスについてはワクチンがなく、治療は対症療法に限られます。

ノロウイルスの食中毒は、ノロウイルスに汚染された食品を摂ることによって起こりますが、近年、ノロウイルス食中毒は、食品製造者・調理従事者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が多くなっています。また、飛沫感染、比較的狭い空間での空気感染に近い感染経路によって感染拡大したと考えられる報告もあります。

ノロウイルスに感染した人の便や吐物には大量のノロウイルスが排出され、便や吐物を処理する際に、正しい処理を行わなければ、飛沫等で周辺が汚染され、時間が経過した後も感染が広がります。

ノロウイルス食中毒の予防対策は、手洗いの徹底と食品の加熱、塩素等による消毒が重要です。アルコールではノロウイルスを不活化することはできないので注意が必要です。予防には以下のような取組が有効です。

(1) 食事の前やトイレの後などには、必ず石けんで手を洗う。(石けんで10秒もみ洗いした後、流水で15秒すすぐを2回繰り返すと効果的です。)
(2) 加熱が必要な食品は中心部(中心温度85〜90℃で90秒間以上)までしっかり加熱する。(ノロウイルスは、85℃〜90℃で90秒以上の加熱で不活化されます。)
(3) 野菜などの生鮮食品は充分に洗浄する。
(4) 感染者の便、おう吐物に直接接触しない。
(5) 大量の調理をする施設の場合、下痢やおう吐などの症状がある従事者は、食品を直接取り扱う作業を行わない。
(6) 器具や床の消毒には高濃度の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くとよい。
(7) 熱湯消毒が可能な包丁、まな板、食器、ふきんなどは煮沸消毒するとよい。
(8) 患者は、症状が治まった後も1週間から1か月程度はウイルスを排泄するので、感染を拡大させないよう注意する。

※ 次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方:市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。)。なお、塩素系の漂白剤でなければ効果的な消毒はできません。塩素系漂白剤を使用する際は、「使用上の注意」をよく確認して、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で薄めたりしないようにしましょう。

◆ノロウイルス対策の詳細につきましては、食品安全委員会や厚生労働省のホームページをご覧ください。

(参考)
・食品安全委員会 食中毒予防のポイント ノロウイルスによる食中毒にご注意ください
・厚生労働省 「ノロウイルスに関するQ&A」別ウインドウで開きます(外部サイト)
・厚生労働省   身の回りを清潔にしましょう[PDF:184KB]外部サイトが別ウインドウで開きます

 

Q IV-9 知人がお刺身を食べてアニサキス症になったと聞き心配です。アニサキス症の予防方法はありますか?

A IV-9 アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。アニサキスの幼虫は、アジ、イワシ、カツオ、サケ、サバ、サンマ、イカなどの海産魚介類の腹腔内(内臓)に寄生していることがあります。アニサキスの幼虫が寄生している海産魚介類を生(不十分な冷凍や加熱状態のを含む)で食べることにより、アニサキスの幼虫が胃壁や腸壁に入り込み、みぞおちや下腹部の激しい痛みなどを引き起こします。

アニサキスの幼虫は、魚介類の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動します。魚介類が新鮮なうちに内臓を除去しましょう。生の内臓は食べないでください。

魚介類を生で食べる時は目視で虫がいないか、確認するようにしましょう。また、アニサキスは60℃で1分、70℃以上では瞬時に死滅します。冷凍処理により感染性を失うので、魚を‐20℃以下で24時間以上冷凍することは有効です。酸には抵抗性があり、シメサバのように一般的な料理で使う程度の食酢の処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても死ぬことはありません。

一方、アニサキスが抗原となり、アレルギー反応による症状を示すことがあります。アレルギー症状として、じんま疹や血管性浮腫、気管支けいれん、アナフィラキシー(全身の発疹、呼吸困難、血圧低下、おう吐)などを示す場合があります。アニサキスアレルギーは凍結保存あるいは加熱調理によってアニサキスが死んでいても発症します。アニサキスが寄生する魚介類を食べてアレルギー症状が出る場合、医師に相談してください。

(参考)
・食品安全委員会   ファクトシート アニサキス症
・食品安全委員会   キッズボックス 食中毒を防ぐために〜魚の場合〜[PDF:334KB]別ウインドウで開きます
・厚生労働省   アニサキスによる食中毒を予防しましょう別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-10 自宅で豚肉を調理して食べましたが加熱が十分ではなく、内側がまだ少し赤かったようでした。食べた量は少量ですが、生の豚肉には寄生虫などがいると聞き、心配になりました。豚肉のリスクについて教えてください。

A IV-10 豚の食肉や内臓については、E型肝炎ウイルス、細菌(サルモネラ属菌、カンピロバクター)、寄生虫(トキソプラズマ、旋毛虫、有鉤条虫)などの食中毒の原因となる危害要因が存在していると考えられます。

日本では現在のところ、トキソプラズマを原因とした食中毒の報告事例はありません。しかし、トキソプラズマは、原虫であるコクシジウムの一種で、妊婦が感染すると流産などを引き起こすことがあるとの報告があります。

トキソプラズマ以外にも、豚肉はE型肝炎ウイルスやいろいろな細菌、寄生虫などに汚染されている可能性もあるので、十分な加熱が必要です。中心温度が63℃、30 分以上と同等(75℃1分以上)の加熱調理により、寄生虫や食中毒細菌も死滅します。調理の際には、生肉を扱った調理器具等によって他の食材が汚染されるのを防ぐことも重要です。一般的に抵抗力の弱い高齢者、小児、妊婦の方は、より一層注意が必要です。

なお、生肉や生焼けの肉を食べてしまったとき、下痢やおう吐などの症状が出ていなければ特段心配することはないと思われます。症状を感じたときは、医師にご相談してください。

(参考)
・食品安全委員会   豚の食肉の生食に係る食品健康影響評価について[PDF:1,864KB]別ウインドウで開きます

 

Q IV-11キノコによる食中毒には、どのようなものがありますか。また、どのような症状が起こりますか。

A IV-11 日本には200種以上の毒キノコがあると考えられており、食用きのこと見分けがつかないものがたくさんあります。なかでも、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、カキシメジの3種は、見た目がシイタケやホンシメジなどの食用キノコと似ているため、誤食しやすい毒きのこです。(地方により異なる名称で呼ばれていることもあります。)

毒キノコによる食中毒の症状は、おう吐や下痢、腹痛から、重症では死に至る場合もあります。

毒キノコの種類によっても異なりますが、食中毒事例の多いツキヨタケなどの場合、食後20〜30分から数時間程度で、おう吐や下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。テングタケなど、発汗やけいれんなど神経系の中毒症状を起こすものや、ドクツルタケなど肝臓や腎臓に障害を与えて死に至ることがあるものもあります。

また、近年、スギヒラタケを食べたことが原因と疑われる急性脳症の発症例が複数報告されており、注意が必要です。

なお、キノコ毒は加熱や塩漬けでは分解しません。例えば、ツキヨタケの主な有毒成分であるイルジンSは、加熱や塩漬けでも分解しないことがわかっています。加熱などの調理をしても、食中毒を引き起こします。

野生のキノコは、食用と確実に判断できない限り、絶対に採ったり食べたり人にあげたりしないでください。人からもらったキノコで、判断に迷う場合は、食べないほうが安全です。

万一、キノコを食べて体調に異変が生じたら、すぐに医師に相談しましょう。

(参考)
・食品安全委員会 食中毒予防のポイント 毒キノコによる食中毒にご注意ください
・厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル(キノコ)別ウインドウで開きます(外部サイト)
・農林水産省   野生きのこによる食中毒を防ぐために別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-12 授業の一つとして、学校でジャガイモを栽培して食べる予定です。その時に注意する点を教えてください。

A IV-12 ジャガイモの発芽部や緑色部分には、ソラニンやチャコニン等のアルカロイド(ステロイド系アルカイド配糖体)が含まれることが古くから知られています。未熟で小さいジャガイモは、全体にソラニン等を多く含んでいることもあるので、注意が必要です。授業で使用したジャガイモで食中毒を起こした事例は多数報告されていますが、多くは未熟で小さいジャガイモを使用したり、緑色のジャガイモ皮付きのまま使用したりすることによるものです。学校や家庭等でジャガイモの栽培を行う際は、イモを光にあてない、イモは大きく育て、熟してから収穫すること、収穫・保管時にイモを傷つけないこと、できるだけ皮をむくこと、芽を確実に取ることなどの注意点を守ってください。

典型的な中毒症状としては、食後30分から半日で発症し、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴、痙攣、呼吸困難があります。症状が重い場合には死に至ることもあります。

解毒剤などはありません。起立性低血圧や神経症状があれば、少なくとも24時間の入院観察が必要です。また、摂取後4時間以内で患者に嘔吐や下痢がなければ胃洗浄、吸着剤と下剤の投与が有効とされています。

ジャガイモは収穫・購入後、新鮮なうちに食べ、長期間保存しないでください。保存する場合は冷暗所に置き、芽の出やすい環境(高温、明所)に放置しないでください。保存中に芽が出た場合、芽の付け根の硬くなった部分にはソラニン等が多く含まれるので、皮の内側の部分も含めて、確実にとり除いてください。掘り出した新鮮なイモでも、小さいもの、地中の浅い所にあったイモにはアルカロイドが入っているので食べない方がよいでしょう。ソラニン等は水に溶けやすいので、蒸す料理ではなく、ゆでる、二度ゆでする調理方法をとると中毒の確率が減りますが、熱によっては分解されません。

(参考)

・農林水産省 ジャガイモによる食中毒を予防するために別ウインドウで開きます(外部サイト)
・農林水産省 知識があれば怖くない!天然毒素別ウインドウで開きます(外部サイト)
・農林水産省 食品中のソラニン、チャコニンに関する情報別ウインドウで開きます(外部サイト)
・厚生労働省   自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ジャガイモ別ウインドウで開きます(外部サイト)
・国立保健医療科学院 No.15004 小学校でのジャガイモによる食中毒別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-13モロヘイヤの種には毒が含まれると聞きました。茎や葉は大丈夫ですか。

A IV-13 モロヘイヤ(Corchorus olitorius)は、シナノキ科の植物で、エジプトを中心に中東、アフリカ、インド、東南アジア地域などで、広く栽培されています。モロヘイヤの葉は、我が国でも野菜として利用されるようになっています。

モロヘイヤの種子には、強心配糖体(強心作用のある成分)が含まれることが知られ、間違って食べると、めまいやおう

吐などの中毒を起こします。

モロヘイヤに含まれる強心配糖体については、成熟した種子で最も多く含まれるほか、成熟中の種子、成熟種子の莢(さや)、発芽からしばらくまでの若葉などにも含まれますが、収穫期の葉、茎、根の各部位並びに蕾(つぼみ)発生期の葉、茎、根、蕾(つぼみ)の各部位には含まれず、野菜としての“モロヘイヤ”、モロヘイヤのいわゆる健康食品、モロヘイヤ茶などからも検出されないことが報告されています。

従って、家庭菜園などでモロヘイヤを栽培し、食べる場合には、収穫時期に十分留意し、種子やその莢が混入しないよう、また、市販のタネには、強心配糖体が含まれていますので、小児等が誤って口に入れない等の注意が必要です。

しかしながら、野菜として流通しているモロヘイヤを食べることによって健康被害が起きることはないと考えられます。

 

Q IV-14 庭のスイセンを食べて食中毒になったという記事を見ました。どういうことでしょうか。

A IV-14 スイセンの葉や鱗茎を食べて食中毒となった事件は毎年発生し、平成28年から令和2年の5年間で40件報告されています。スイセンの葉は、ニラやノビルに似ており、花が咲いていないとニラやノビルと間違えやすいので注意が必要です。また、鱗茎をタマネギと誤って食べた事例もあります。

スイセンはヒガンバナ科の植物で、植物全体、特に鱗茎にリコリンなどのアルカロイドを含有し、誤食すると、おう吐、下痢などを起こします。スイセンの葉はニラやノビルと似ているため、花が咲いていないと間違える例が多いですが、ニラに比べて幅が広く、厚く、全体に大きいです。また鱗茎はタマネギと似ていますが、ニラ、タマネギかスイセンかは臭いで判断できます。家庭菜園等で食用植物(野菜、野草、ハーブ等)を栽培・採取することが人気ですが、家庭では、ニラとスイセンを離して植えましょう。また、スイセンは思わぬところに生えてくることもあります。ニラを採取する際には、食用の植物のみ植えていると過信せずよく確認して採取しましょう。

※ 鱗茎(りんけい):タマネギのように、厚い鱗片が重なって球形になったもの。鱗片に養分が貯えられ多肉になっている。

(参考)
・食品安全委員会 キッズボックス 毒のある植物に気をつけて![PDF:1,210KB]別ウインドウで開きます
・厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:スイセン類別ウインドウで開きます(外部サイト)
・農林水産省 知らない野草、山菜は採らない、食べない別ウインドウで開きます(外部サイト)
・消費者庁 News Release(平成28年4月13日)「家庭菜園等における有毒植物による食中毒にご注意ください。」[PDF:1,060KB]外部サイトが別ウインドウで開きます
・東京都福祉保健局 有毒植物について別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-15フグの肝臓は、なぜ食用禁止とされているのですか。

A IV-15 フグは、フグ毒(テトロドトキシン)を持っています。テトロドトキシンは、非常に強い毒性を持つため、人が摂取すると死に至ることがあります。自治体では、フグの調理に関する資格を設けて、資格をもつ者以外がフグの取扱いに従事することを禁止するなどの取組を行っています。

フグによる食中毒の多くが、自分で釣ったフグを自分で調理したものです。同じように、フグを釣った人からフグを譲り受け、自分で調理して食中毒になった方もいます。フグの毒は、塩もみ、水にさらす、加熱などの調理では、無(弱)毒化されることはありません。また、厚生労働省では、食品衛生法に基づき、食べることができるフグの種類、その部位、漁獲海域を定めていますが、フグの種類・産地の判別は素人では難しい上、食用可能な部位はフグの種類によって異なるので、素人判断や素人によるフグの取扱い、調理は危険です。以前食べて大丈夫だったらか次も大丈夫ではありません。フグの素人料理はやめましょう。

平成28年度、食品安全委員会では、厚生労働省から諮問を受け、「佐賀県及び佐賀県内事業者が提案する養殖から提供まで管理された方法により取り扱われる養殖トラフグの肝臓」について、評価を行いました。詳細については下記の評価書をご覧ください。

(参考)
・厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル 動物性自然毒別ウインドウで開きます(外部サイト)
・厚生労働省 「フグの肝臓の食用禁止」と「佐賀県及び佐賀県内事業者が提案する養殖トラフグの肝臓の可食化」に関するQ&A[PDF:208KB]外部サイトが別ウインドウで開きます
・食品安全委員会  「佐賀県及び佐賀県内事業者が提案する養殖から提供まで管理された方法により取り扱われる養殖トラフグの肝臓」に係る食品健康影響評価[PDF:1,149KB]別ウインドウで開きます

 

Q IV-16 アサリなど二枚貝には貝毒があるかもしれないと聞きました。潮干狩りでアサリを取って食べようと思います。注意する点は何ですか。

A IV-16 アサリなど二枚貝で心配される食中毒に貝毒(麻痺性貝毒、下痢性貝毒)があります。主に二枚貝は、毒素を持った植物プランクトンを餌として食べ、体内に毒素を蓄積させます。毒素が蓄積した貝類を人が食べると、下痢や麻痺といった症状を引き起こすことがあります。貝毒の特徴は、外見からは貝が毒化しているかは見極められないこと、加熱調理では毒が分解されないことです。また、麻痺性貝毒に罹患した場合、最悪の場合、呼吸麻痺により死亡する場合もあります。

各都道府県は、生産海域の貝が貝毒の規制値を超えた場合は採捕の自主規制を行っています。潮干狩りに行かれる場合は、各都道府県のホームページ等で、規制が出ていないかどうか、必ず確認してください。規制が行われている海域では絶対に潮干狩りをしないでください。

なお、とってきた貝を食べる場合、腸炎ビブリオやノロウイルスに対する留意も必要です。腸炎ビブリオは真水や酸に弱い反面、3%前後の食塩を含む食品中で増殖し、室温でも増殖します。細菌やウイルスに関しては、十分な加熱をして食べることが、食中毒の予防につながります。

※ 腸炎ビブリオについてはQIV−6もご覧ください。

(参考)
・食品安全委員会   ファクトシート 麻痺性貝毒[PDF:756KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会   リスクプロファイル 生鮮魚介類における腸炎ビブリオ(平成24年1月改訂)[PDF:582KB]別ウインドウで開きます
・大阪府   貝毒に注意しましょう!別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-17 魚にはヒスタミンという食中毒の原因物質があるとききました。ヒスタミンの量がどのくらいで食中毒になるかを教えてください。

A IV-17 ヒスタミンは、マグロ類、カツオ類、サバ類等を常温に放置する等、不適切な管理が行われた結果生成され、ヒスタミンを多く含む魚やその加工品を食べることにより食中毒を発症することがあります。ヒスタミンは加熱調理では分解しないので、食中毒を防ぐにはヒスタミンを多く含む魚を食べないことです。食品安全委員会のまとめたファクトシートでは、食中毒事例から発症者のヒスタミン摂取量を計算した例での、大人一人当たり22〜320mgとの報告を紹介しています。

しかし、食中毒事例のデータでは推定摂取量に10倍以上の開きがあります。出荷後の取扱いによって増加する可能性もあるので、ファクトシートも参考にしていただき、魚を保存する場合には、速やかに冷蔵・冷凍し、常温での放置時間を最小限とするなどの衛生管理を徹底してください。なお、熟成魚などの食べ方はヒスタミン等の食中毒発生の観点から見て危険です。低温での管理に加え、販売者等が設定している消費期限(生食可能な期間)内に消費するようにしてください。

(参考)
・食品安全委員会 ファクトシート ヒスタミン
・厚生労働省 ヒスタミンによる食中毒について別ウインドウで開きます(外部サイト)
・食品安全委員会   食品安全モニターからの随時報告(報告要旨)令和2年4月〜令和3年3月分[PDF:243KB]別ウインドウで開きます

 

Q IV-18かび毒はどのようなもので、人に対して、どのような影響を及ぼすのですか。また、かび毒の対策は、どうなっていますか。

A IV-18   菌類の一種であるかびがつくる物質は、食品や医薬品製造で役立つものも多くありますが、一部のかびは天然毒素を生み出します。これを「かび毒」といい、現在、300種類以上のかび毒が知られています。代表的なものとしては、とうもろこしや落花生、豆類などから検出されるアフラトキシン、リンゴ果汁などから検出されるパツリン、小麦、大麦などから検出されるデオキシニバレノール、ニバレノール、穀類とその加工品などから検出されるオクラトキシンなどがあります。

かび毒は、人や動物に対して、多様な健康被害を及ぼします。急性症状を伴うものもありますが、多くは慢性毒性、発がん性が主体となります。例えば、アフラトキシンは肝臓障害や発がん性、パツリンは消化管の充血や出血、潰瘍、デオキシニバレノールやニバレノールはおう吐、下痢などの消化器症状や免疫抑制、オクラトキシンは腎臓障害などです。

一般に、かび毒は熱に強く、加工・調理しても毒性がほとんど減らないため、農産物の生産、乾燥、貯蔵などの段階で、かびの発生や増殖を防止することが重要です。嫌われることが多い農薬ですが、農薬を使用することにより、かび毒を産生するかびの発生を抑えることができ、健康被害を防止することができます。

家庭でできるかび毒の害を避ける方法としては、かびが生えているものは食べないことです。かびが見えている部分を取り除いても、かび毒が残っているおそれがあるので気を付けましょう。

日本では、小麦中のデオキシニバレノール、リンゴ果汁中のパツリン、そして、農産物を含むすべての食品中のアフラトキシンについて、厚生労働省によって基準値が設定されています。

農産物や輸入食品などのかび毒への具体的な対策については、農林水産省、厚生労働省等のリスク管理機関が実施しています。食品安全委員会では、これまでにアフラトキシン、パツリン、デオキシニバレノール、ニバレノール、オクラトキシンについて、リスク評価を行いました。

(参考)
・食品安全委員会 季刊誌「食品安全」vol.19 p4〜5 「かび毒(総アフラトキシン)のリスク評価」[PDF:468KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会 季刊誌「食品安全」vol.26 p3〜4「かび毒デオキシニバレノール、ニバレノールのリスク評価」[PDF:937KB]別ウインドウで開きます
・食品安全委員会 季刊誌「食品安全」vol.37 p4 「かび毒オクラトキシンAの評価」[PDF:302KB]別ウインドウで開きます
・農林水産省  食品のかび毒に関する情報別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-19 養鶏場で鳥インフルエンザが発生したとききました。卵や鶏肉からヒトに感染しないか、また、発生した養鶏場近くの他の養鶏場の鶏肉や卵は大丈夫なのか、不安です。海外からの鶏肉は、問題ないのかも知りたいです。

A IV-19 食品安全委員会では、我が国の現状において、鳥インフルエンザについて、鶏肉や鶏卵を食べることにより、ヒトに感染する可能性はないと考えています。

その理由は、次のとおりです。

(1)鳥インフルエザウイルスがヒトに感染するためには、ヒトの細胞表面の受容体※1に結合しなくてはなりませんが、私たちヒトの受容体はヒト型であり、トリ型とは異なるとされています。

(2)鳥インフルエンザウイルスは酸に弱く、ヒトの体内で胃酸などの消化液により不活化※2されると考えています。

鳥インフルエンザが発生した養鶏場では、鳥の間での感染力が高いので、すぐに殺処分が行われるため、それらの肉や卵が市場に流通することはありません。海外で発生が認められると、家畜防疫の観点から、その地域からの生の鶏肉輸入は即停止されます。

食品安全委員会では、鳥インフルエンザについて、ホームページやフェイスブック等による情報発信を行っています。併せて、厚生労働省や農林水産省のホームページもご覧になってください。

※1 受容体:受容体は、ウイルスがヒトや動物に感染する際に最初に結合する細胞表面の分子。インフルエンザウイルスの受容体は、大きく分けて2種類(ヒト型とトリ型)がある。
※2 不活化:ウイルスが死滅する(感染性が失われる)こと。

(参考)
・食品安全委員会 鳥インフルエンザについて

 

Q IV-20CSF(豚熱)が発生しましたが、豚肉からヒトに感染しないか不安です。

A IV-20 CSF(豚熱※)は、豚、いのししの病気です。ウイルスにはそれぞれ感染しやすい動物があり、CSF(豚熱)のウイルスは、豚やいのししなどのイノシシ科動物に感染するウイルスでヒトには感染しないウイルスです。万が一、CSF(豚熱)にかかった豚の肉や内臓を食べても人体に影響はありません。なお、CSF(豚熱)に罹患した豚の肉は市場に流通しないよう、適切に処分されています。

※ 農林水産省は家畜伝染予防法を令和2年に改正し、「豚コレラ」を「豚熱」に改めました。

(参考)
・食品安全委員会   CSF(豚熱)について
・農林水産省   豚熱(CSF)について別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-21牛海綿状脳症(BSEとはなんですか。

A IV-21 牛海綿状脳症(BSE:Bovine Spongiform Encephalopathy)とは、牛の病気の一つです。「BSEプリオン」※1と呼ばれる病原体が、主に牛の脳に蓄積し、脳の組織がスポンジ状になり、異常行動、運動失調などを示し、死亡するものです。感染経路は、BSE感染牛を原料とした肉骨粉を牛の飼料として使ったことが原因と考えられており、BSEプリオンが、主に牛の脳に蓄積することにより発症します。1986年にイギリスで初めて発見され、世界での発生のピークは1992年の37,326頭でその後BSE対策の進展より発生件数は減少し、2019年の発生件数は世界で8頭です。

日本では2001年9月に初めてBSE感染牛が確認され、2009年1月までに36頭が確認されました。厚生労働省及び農林水産省で、飼料規制や牛のと畜の際の特定危険部位(SRM)※2の除去など、さまざまな対策をとり、これらにより、国内では、2002年1月に生まれた1頭を最後に、以降出生した牛にBSEの発生は確認されていません。

BSEの人への影響については、1995年に、英国で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)※3患者が初めて確認され、vCJDはBSEとの関連性が示唆されています。

※1 BSEプリオン:BSEの原因と考えられている異常プリオンたん白質。
※2 特定危険部位(SRM):BSEの病原体と考えられている異常プリオンたん白質が蓄積しやすい部位のこと。食品として利用することが禁止されている。
※3 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD):人のプリオン病のひとつで、人間の脳に海綿(スポンジ)状の変化を起こす病気。BSE感染牛由来の食品を介して人に感染する可能性があると考えられている。

(参考)
・食品安全委員会 BSEに関する情報
・厚生労働省 牛海綿状脳症(BSE)について別ウインドウで開きます(外部サイト)
・農林水産省 牛海綿状脳症(BSE)関係別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

Q IV-22牛海綿状脳症(BSE)の国内対策について、食品安全委員会での最新の評価はどのようなものですか。

A IV-22 食品安全委員会は、厚生労働省からBSEの国内対策の見直しについて諮問を受け、平成28年年8月、「現在と畜場で実施されている、食用にと畜される48か月齢超の健康牛のBSE検査について、現行基準を継続した場合と廃止した場合のリスクの差は非常に小さく、人への健康影響は無視できる。」とする評価結果を取りまとめました。この評価結果を受け、厚生労働省では、と畜場での健康牛に係るBSE検査を廃止する規制の見直しを行い、平成29年4月1日から施行しています。なお、厚生労働省は、と畜場の生体検査において神経症状が疑われた牛等のBSE検査は継続するとしています。

(参考)
・食品安全委員会 牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直しに係る食品健康影響評価
・厚生労働省 牛海綿状脳症(BSE)について別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

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