「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A(リスク評価全般)
「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A
【新開発食品(遺伝子組換え食品、健康食品)】 |
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V 新開発食品(遺伝子組換え食品、健康食品) / Q&A掲載内容のキーワード一覧
掲載内容のキーワード一覧
V 新開発食品(遺伝子組換え食品、健康食品)
V-1 遺伝子組換え食品
V-2 遺伝子組換え農作物/安全性
V-3 遺伝子組換え食品/アレルギー
V-4 「健康食品」の報告書とメッセージ
Q&A
Q V-1 遺伝子組換え食品とはどのようなものなのでしょうか。食べても人体に影響はないのでしょうか。
A V-1 遺伝子組換え食品とは、他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、その性質を持たせたい植物などに組み込む技術(遺伝子組換え技術)を利用して作られた食品です。
現在、日本で流通が認められている遺伝子組換え食品には、(1)遺伝子組換え農作物とそれから作られた食品、(2)遺伝子組換え微生物を利用して作られた食品添加物があります。
遺伝子組換え食品については、品目ごとに安全性の審査を受けることが法律(食品衛生法)で定められています。厚生労働省からの要請に基づき、開発された品目ごとに、食品安全委員会が、最新の科学的知見に基づき安全性の評価(食品健康影響評価)を行います。現在、国内で流通している遺伝子組換え食品は、全て安全性評価を経たものになり、これらは全て食べても人体に影響がないことが事前に確認されています。
(参考)
・厚生労働省 遺伝子組換え食品
Q V-2 遺伝子組換え農作物と遺伝子組換えでない農作物との違いはどのようなものでしょうか。また、遺伝子組換え農作物の食品としての安全性はどのような観点で評価されているのですか。
A V-2 遺伝子組換え農作物は、遺伝子組換え技術によって、従来の農作物(遺伝子組換えでない農作物)にはない形質を付与した農作物です。具体的には、特定の除草剤を散布しても枯れない性質(除草剤耐性)、特定の害虫にのみ抵抗性を示す性質(害虫抵抗性)、また、特定の成分の含量を増加させた性質(高オレイン酸産生形質等)が主なものです。
遺伝子組換え農作物の食品としての安全性は、この遺伝子組換え技術によって新たに付与された形質に着目し、遺伝子組換えでない農作物と比較し評価されます。
具体的な安全性評価のポイントは、
・組み込まれた遺伝子は安全か
・組み込まれた遺伝子が作り出すタンパク質に有害性はないか
・組み込まれた遺伝子が作り出すタンパク質にアレルギーを誘発する可能性はないか
・組み込まれた遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を作る可能性はないか
・栄養成分、有害成分などの構成成分や量が大きく変化していないか
などで、これらについて科学的なデータを基に判断されます。
(参考)
・食品安全委員会 遺伝子組換え食品の安全性評価基準
Q V-3 遺伝子組換え食品の安全性を評価する際には、アレルギーに関してどのようなことを調べているのですか。
A V-3 食品安全委員会では、遺伝子組換え食品等の食品健康影響評価に当たり、遺伝子組換え技術によって新たに付加、あるいは除去された性質のみならず、遺伝子組換え操作によって組み換えられた元の生物に予期しない悪影響が生じる可能性がないかという点等について、これまでに安全に食べられてきた食品と比較することで評価を行っています。
例えば、アレルギー誘発性に関しては、まず次のような事項について調べ、挿入された遺伝子により作られるタンパク質の発現量も含めて総合的に判断した上で、安全性を確認しています。
・挿入する遺伝子を有している微生物又は植物等についてアレルギー誘発性の報告がないか。
・挿入された遺伝子により作られるタンパク質がアレルゲンであるという報告はないか。
・挿入された遺伝子により作られるタンパク質は消化や加熱に対して安定であるか。
・既にアレルゲンとして分かっているタンパク質と挿入された遺伝子により作られるタンパク質の構造が似通っていないか。
上記の項目でアレルゲンとなり得る可能性が否定できない場合には、
・挿入された遺伝子により作られるタンパク質とアレルギー患者血清中のIgE抗体との結合能の検討が行われ、さらに疑わしい場合、皮膚テスト、経口負荷試験等の臨床試験が求められることになります。
(参考)
・食品安全委員会 季刊誌「食品安全」vol.5 p2 「遺伝子組換え食品のリスク評価を理解する。」[PDF:623KB]
・食品安全委員会 遺伝子組換え食品の安全性評価基準
Q V-4 「健康食品」を使用する際に特に注意する点があれば教えてください。
A V-4 食品安全委員会は、いわゆる「健康食品」の安全性についての検討を行い、報告書及びメッセージをとりまとめました(平成27年12月8日)。「健康食品」には、法令上定まった定義はありませんが、報告書及びメッセージでは、「健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られたりしている食品」をいわゆる「健康食品」としています。
いわゆる「健康食品」は医薬品ではありません。健康な人が使用するのは問題ないものでも病気の人が使用するとよくない事例がたくさんあります。特に病気の治療中の方は、決して自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
また、「天然なので安心」といううたい文句で販売されている例も見受けられますが、「天然物」だから安全ということはありません。実際、天然のハーブ類を使ったいわゆる「健康食品」による健康被害も報告されています。
いわゆる「健康食品」の安全性や品質、有効性などは、信頼できるデータが少なく分からないことがほとんどという状態で売られているものも少なくありません。特に痩身効果をうたったダイエット食品や強壮を目的とするものには、医薬品成分などが違法に含まれているものがあり、重篤な障害の事例もあるので安易に使用しないよう注意してください。 いわゆる「健康食品」を選ぶ際には、どのような成分なのか、健康被害が報告されていないか、注意深く確認してみましょう。
このような内容をまとめた報告書、メッセージについては、食品安全委員会のウェブサイトから入手できるので是非ご覧ください。
(参考)
・食品安全委員会 いわゆる「健康食品」に関する報告書[PDF:817KB]
・食品安全委員会 いわゆる「健康食品」に関するメッセージ[PDF:1,312KB]
・食品安全委員会 公式YouTubeチャンネル
・国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報」