■ 分析・単位

疫学 Epidemiology 【最終更新日 2016年4月】

 人間集団の中で起こる健康に関連する様々な問題の頻度と分布、それらに影響を与える要因(例えば、喫煙、飲酒等)を明らかにして、健康に関連する問題に対する有効な対策に役立てる学問のこと。

 (疫学(的)調査 Epidemiological Survey)

 ヒトの健康事象(障害、疾病、死亡等)の頻度と分布、それらに影響を与える要因を明らかにするために行われる調査のこと。

 

交絡 Confounding 【最終更新日 2016年4月】

 ばく露と疾病との関連性が、第三の要因の影響によって過大又は過小に評価されてしまう現象をいう。例えば、喫煙と肺がんの関連性を調べようとする場合、調べようとする要因(喫煙)以外の要因(飲酒等)ががんの発生率に影響を与えている可能性もある。このとき、飲酒が交絡要因に該当し、飲酒が調査に影響を与えないように、データを補正する必要がある。

 

コホート(前向き/後向き)調査 Cohort(Prospective/Retrospective)Study 【最終更新日 2016年4月】

 「前向きコホート」とは、まだ病気になっていない健康な人達を対象にスタートして食生活や生活習慣等を調査した上で、その集団を「前向き」に追跡調査して病気になった人を確認し、先に調べた要因が健康(や発病)にどう結びついたかを調査する方法。
 「後向きコホート」は、過去において要因へのばく露状況が明らかになっている集団の病気の発生を確認し、調査を行う方法。

 

症例対照研究 Case-control Study 【最終更新日 2016年4月】

 既に病気になったヒトを対象に、その人たちと性別や年齢の揃った健康人と両者の生活習慣の違い等を調査して、何がその病気の誘因になったかを調査する方法。

 

オッズ比 OR:Odds Ratio 【最終更新日 2016年4月】

 一般に症例対照研究やロジスティック回帰において、要因ばく露と疾病との関連の強さを評価する指標。相対性危険度の近似として扱うことができる。症例群と対照群の比較である。検診の効果を評価する場合は「検診受診」を要因ばく露とみなし、「当該疾病による死亡」を症例とみなす。

 

標準化死亡比 SMR:Standardized Mortality Ratios 【最終更新日 2016年4月】

 複数の集団における疾病の発生や死亡の頻度を比較するときに、対象集団の年齢・性別等の頻度の差による影響を除くため、あらかじめ年齢等の構成を標準集団に合わせて補正(標準化)した値(期待死亡数)で比を計算することである。
 なお、死亡率の代わりに罹患率を用いた場合、これを標準化発生比(Standardized Incidence Ratios:SIR)と呼ぶ。

 

Maximized Survey-Derived Intake(MSDI)法 MSDI 【最終更新日 2019年4月】  -NEW-

 香料の摂取量を推計する手法の一つであり、ある地域で1年間に使用されたと考えられる香料の量を、その地域の10%の人口が均等に消費したと仮定して算出する。Per Capita intake Times Ten(PCTT)法ともいう。

(参照)Single Portion Exposure Technique(SPET)法
 香料の摂取量を推計する手法の一つであり、ある香料を含む食品を1品のみ毎日1食分食べるとの想定のもとで摂取量を推計する方法。JECFAではMSDI法とともに採用されている。

 

精度管理 QC:Quality Control 【最終更新日 2016年4月】

 検査機関等による、試料の採取から目的物質の測定結果の報告までの一連の作業(検査)について、「一定の水準が維持されているか」、「他の施設との互換性があるか」を担保するための管理・判断の仕組みのこと。その施設内部で行う内部精度管理と第三者機関がチェックを行う外部精度管理がある。

 

定量限界  LOQ:Limit of Quantitation(定量下限 Quantitation Limit) 【最終更新日 2016年4月】

 適切な管理・操作の下に、ある分析法で目的物質の定量(検査試料中に目的成分がどの程度含まれているかの計測)を行った場合に、定量検知が可能な最小値、又は濃度のこと。定量下限値未満とは、定量できるほどの量ではなかったという意味で、0(ゼロ)とは意味が異なる。

 

検出限界 LOD:Limit of Detection(検出下限 Detection Limit) 【最終更新日 2016年4月】

 適切な管理・操作の下に、ある分析法(定量試験である必要はない)で検出可能な、検査試料中に含まれる目的物質の最小量又は濃度のこと。

 

酵素 Enzyme 【最終更新日 2016年4月】

 生物が物質を摂取してから排泄に至るまで、生体内で起こる化学反応の多くに関与しており、生命の維持や活動に不可欠なもの。生体内には極めて多くの物質が混在しているが、酵素は特異性(特定の構造を認識し、作用する性質)と選択性を持つため、様々な化学変化が秩序立って進む。基本的には、タンパク質から構成されるが、カルシウム等タンパク質以外のものを含んで初めて機能する場合もある。現在その働きが知られている酵素の種類は約4,000種類あり、酒や味噌等の発酵食品や、医薬品製造等に幅広く利用されている。

 

スクリーニング  Screening 【最終更新日 2016年4月】

 健康・医療の分野では、迅速に実施可能な検査・手技を用いて疾病や障害を持つ人を暫定的に識別することをいう。また、分析・検査の分野では、迅速に実施可能な検査・手技を用いて対象とする物質や生物等を含む試料を暫定的に選び出すことをいう。スクリーニングの結果は決定的なものではなく、その後の詳細な検査や診断等によって結論が出される。
 BSE検査におけるエライザ法等がこれに当たる。スクリーニング検査で陽性になったものは更に詳細な検査(BSE検査におけるウエスタンブロット法や免疫組織化学検査)を行う。

 

サーベイランス Surveillance 【最終更新日 2019年4月】  -NEW-

 問題の実態や動向を把握し、必要に応じて対策を講じるため、疾病の発生状況、ハザードの含有実態等の変化を系統立てて調査(収集、解析)すること。

(参照)モニタリング

 

モニタリング Monitoring 【最終更新日 2019年4月】  -NEW-

 疾病の発生状況、ハザードの含有実態等の変化を監視、探知し、是正措置を講じるために調査すること。

(参照)サーベイランス

 

エライザ法 ELISA:Enzyme-Linked Immuno-Sorbent Assay(酵素標識免疫測定法) 【最終更新日 2016年4月】

 抗原抗体反応を利用し、試料中に含まれる特定のタンパク質(病原体等)を検出又は定量する分析法の一つ。生体試料中には様々なタンパク質が存在するため、特定のタンパク質を検出・定量するには、「特異性(様々な物質が混在する試料からどれだけ正確に特定のタンパク質を識別できるか)」と「定量性(微量であってもその濃度を再現できるか)」が求められるが、エライザ法はこの条件を満たしている。また、複雑な操作がいらないことから、迅速・簡便な分析に用いられている。酵素標識免疫測定法ともいう。

 

ウエスタンブロット法 Western Blotting 【最終更新日 2016年4月】

 抗原抗体反応を利用して試料中に含まれる特定のタンパク質を検出・定量する免疫化学的検査法。試料中に存在する様々なタンパク質を電気泳動によって分離し、それをニトロセルロース等の樹脂でできたフィルム上の膜に転写し、特定のタンパク質に対する抗体と反応させ検出する。タンパク質の存在だけでなく、機能を調べることもできる。

(ノーザンブロット法 Northern Blotting)

 RNAを電気泳動によって分離し、特定のRNAを検出する方法。

(サザンブロット法 Southern Blotting)

 DNAを制限酵素で断片化し、電気泳動によって分離し、特定のDNAを検出する方法。

 

LC/MS液体クロマトグラフィー質量分析法 Liquid Chromatography Mass Spectrometry 【最終更新日 2016年4月】

 有機化合物等の定性・定量を行う分析手法。液体クロマトグラフ(LC) と質量分析計(MS) を連結したシステムである。多数の成分からなる分析対象物を液体クロマトグラフ(LC)を用いて分離した後、質量分析(MS)で定性分析を行う。

 

LC/MS/MS液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法 Liquid Chromatography-tandem Mass Spectrometry 【最終更新日 2016年4月】

 液体クロマトグラフ(LC) に分離管を2本直列に配置した質量分析計(MS) を連結したシステムである。選択性が非常に高く試料中の共存物質(マトリックス)が複雑な試料の分析に使用する。

 

PCR法 PCR:Polymerase Chain Reaction 【最終更新日 2016年4月】

 極めて微量な遺伝子(DNA)を含む溶液の中から自分の望む特定のDNA領域(数十から数千塩基対)を短時間で効率的に大量に増やす技術。細胞分裂の際にDNAが複製されるときには、二本鎖のらせん構造となっているDNAがほどけて1本ずつになり、それぞれの鎖を鋳型にしてペアになるDNAが酵素で合成されるが、PCRはこのようなDNA複製の反応を試験管の中で繰り返し行う方法である(1時間程度の反応で1千万倍にまで増やすことも可能)。

 

in vivo(イン・ビボ) 【最終更新日 2016年4月】

 「生体内で」という意味(ラテン語)。生化学や分子生物学等の分野で、in vitroとは異なって各種の条件が人為的にコントロールされていない生体内で起きている反応・状態という意味で使われる。

 

in vitro(イン・ビトロ) 【最終更新日 2016年4月】

 「試験管内で」という意味(ラテン語)。in vivoの対義語で、生体内で営まれている機能や反応を試験管内等、生体外に取り出して、各種の実験条件が人為的にコントロールされた環境(理想的には、未知の条件がほとんどどない環境)で起きている反応・状態という意味で使われる。

 

in silico(イン・シリコ) 【最終更新日 2016年4月】

 「シリコン内(コンピューター上)で」という意味。in vivo in vitroから派生した用語。これまでに蓄積されたデータをもとに、化学物質の作用、安全性や有効性等をコンピューター上で予測、評価するような場合に使われる。

 

wet(ウエット) 【最終更新日 2016年4月】

 実験(in vitroin vivo)を伴った研究のこと。

 

dry(ドライ) 【最終更新日 2016年4月】

 実験(in vitroin vivo)を伴わないで計測、計算等によって実施される研究のこと。イン・シリコを含む。

 

ホット Hot 【最終更新日 2016年4月】

 放射性同位元素で標識された物質を用いたトレーサー実験のこと。

(コールドラン)

 放射性同位元素を用いない実験。

 

ppm、ppb、ppt 【最終更新日 2016年4月】

 1ppmは100万分の1。1ppbは10億分の1。1pptは1兆分の1。

分率の単位

 

μg、ng、pg (マイクログラム、ナノグラム、ピコグラム) 【最終更新日 2016年4月】

 μgは100万分の1グラム、1ngは10億分の1グラム、1pgは1兆分の1グラム。 なお、10倍がデカ、100倍がヘクト、1,000倍がキロ、以降は1,000倍(10の3乗倍)ずつ大きくなって、メガ(100万倍)、ギガ(10億倍)、テラ(1兆倍)となる。小さい方は1/10がデシ、1/100がセンチ、1/1,000がミリ。

質量の単位

 

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