「健康食品」に関する情報
委員長、座長から国民の皆様へ
平成27年12月8日作成
食品安全委員会では、「健康食品」について、平成27年12月8日の第587回食品安全委員会において報告書及びメッセージをとりまとめました。
「若さと健康を願うあなたに」、「△△の健康のための○○」といったキャッチフレーズを、毎日たくさん見聞きします。そして、医薬品のようにカプセルや錠剤の形をしたサプリメント、「健康によい」成分を添加した飲料や食品など、さまざまな「健康食品」が売られています。今や国民のおよそ半分の方々が、こうした「健康食品」を利用されているという調査もあり、「健康食品」市場が拡大しています。これは、健康で長生きしたいという古来変わらない人々の願望の表れでしょう。
「健康食品」がこのような願いに応えるものならばよいですが、残念ながら、現代でも「これさえ摂れば、元気で長生きできる」という薬や食品はありません。それどころか逆に、「健康食品」で健康を害することもあります。しかも、そのような情報は皆様の目に触れにくいのが現状です。消費者は、「健康食品」のリスクについての情報を十分に得られないまま、効果への期待だけを大きくしやすい状態に置かれているといえます。
食品安全委員会ではこういった状況を憂い、幅広い専門家からなるワーキンググループを作り、「健康食品」の安全性について検討しました。まず「健康食品」から健康被害が起こる要因を挙げ、次にその要因ごとに、健康被害事例などを含めた文献などからの科学的事実を調べ、皆様に知っていただきたい要点として取りまとめました。そうして作成した報告書からさらに抜粋して、皆様に向けて19項目のメッセージをまとめました。これらには「健康食品」で健康被害が出ることをなくしたいという本委員会の願いを込めました。
その中でお伝えしたいことのエッセンスは下記のとおりです。「健康食品」を摂るかどうかを判断するときに、是非知っておいていただきたいことをまとめてあります。これらを読んで、「健康食品」についての科学的な考え方を持って、その判断をしてください。健康被害を避けるためにとても大切な知識です。
検討ワーキンググループ座長
「健康食品」については、多くの人での何年にも及ぶ長期間の科学的研究が少なく、安全性や有効性が確立しているとはいえません。「健康食品」を利用するかどうかはあなたの判断次第です。信頼のできる情報を基に、あなた自身の健康に役立つ選択をしてください。
ここでいう「健康食品」とは、「健康への効果やダイエット効果をうたって販売されている食品」を言います。これには、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品も含まれます。
また、ここでは「サプリメント」とは、カプセル・錠剤・粉末・顆粒形態の「健康食品」を言います。
「食品」であっても安全とは限りません。
多量に摂ると健康を害するリスクが高まります。
ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。
「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。
誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。
※ 食品安全委員会、医薬基盤・健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」、厚生労働省のインターネットサイトなど
関連情報
・いわゆる「健康食品」について(冊子)[PDF:8,957KB]
・いわゆる「健康食品」について(簡易冊子)[PDF:923KB]
・「健康食品」に関するメッセージ[PDF:1,312KB]
・「健康食品」に関する報告書[PDF:817KB]
・「健康食品」に関する情報(Q&A)[PDF:292KB]
審議経過
いわゆる「健康食品」に関する検討ワーキンググループ
第4回会合結果(平成27年11月25日)
「健康食品」に関する報告書(案)、「健康食品」に関するメッセージ(案)について
第3回会合結果(平成27年10月19日)
「健康食品」に関する具体的な論点について
第2回会合結果(平成27年7月27日)
「健康食品」に関する課題について
第1回会合結果(平成27年6月22日)
いわゆる「健康食品」に関する検討ワーキンググループの設置、我が国の食生活の現状と問題点、今後の進め方について