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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス(平成25年11月14日及び11月29日配信記事の再配信] (2014.1.20)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス(平成25年11月14日及び11月29日配信記事の再配信] (2014.1.20)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】平成26年1月20日配信
[臨時号:ノロウイルス(平成25年11月14日及び11月29日配信記事の再配信]
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この冬、浜松市等において、ノロウイルスによる食中毒が発生しています。
このため、昨年(平成25年)11月14日及び11月29日に、e-マガジン【読み物版】として配信をしましたノロウイルスの配信記事について、再配信をします(委員の随想は省略)。

ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎(細菌又はウイルスによるおう吐、下痢を主症状とする感染症)は、特に冬に流行するとされています。ノロウイルスは、手指や食品などを介して感染し、下痢、おう吐、吐き気、腹痛などを起こします。子供や高齢者は、ノロウイルスに感染した場合に重篤化しやすいので、特に注意が必要です。

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1.ノロウイルスとはどんなウイルス?
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■ノロウイルスとは
ノロウイルスは、とても小さなウイルスです。直径30~40nm※前後で、球形をしています。少量でも人のおなかの中で増えて、食中毒を起こします。
※ nm(ナノメートル)。1nmは1m(メートル)の10億分の1。

■潜伏期間と食中毒の症状
発症までの潜伏期間は24~48時間程度です。下痢、おう吐、吐き気、腹痛、発熱(一般的に軽度37~38℃)などが食中毒の主な症状です。おう吐は、突然、急激に強く起こるのが特徴的です。これらの症状は、1~2日程度継続してから治癒するとされています。

■原因食品
調理従業者からの二次汚染を含め、飲食店、旅館等の施設で提供される料理、仕出し及び弁当などがあります。その他の原因としては、生産海域の海水の汚染等の影響による貝類(二枚貝)があります。

■感染経路
(1)患者便や吐物(ノロウイルスが大量に含まれる)から人の手などを介して二次感染する
(2)家庭や共同生活施設などで、人から人へ飛沫感染や接触感染などで直接感染する
(3)食品取扱者(家庭での調理者を含む)が感染しており、その人を介して汚染された食品を食べて
感染する
(4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べて感染する
(5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道水を消毒不十分で摂取して感染する
などがあります。

ノロウイルスによる食中毒について
http://www.fsc.go.jp/sonota/norovirus.pdf

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2.食中毒の発生状況と問題点
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■発生状況(2012年)
2012年に国内で発生した食中毒では、発生件数、患者数ともノロウイルスによる食中毒が第1位でした。
ノロウイルスによる食中毒は、例年、事件数では第1位または2位、患者数では第1位を占めていますが、2012年の事件数は直近10年の中でも2番目、患者数は3番目の多さとなりました。ノロウイルスによる食中毒は、一年を通して発生していますが、冬期に多発するので、今後、特に注意が必要です。

※2012年食中毒事件数
発生件数   1,100件     全患者数26,699人
ノロウイルス 416件(37.8%)  患者数17,632人(66.0%)

■ノロウイルスによる食中毒の問題点
食品安全委員会が作成したリスクプロファイル「食品中のノロウイルス」では、ノロウイルスによる食中毒に関する問題点として、食品取扱者からの食品の二次汚染が増加していること、患者がノロウイルスを排出する期間は症状が治まっても2~3週間程度続き、 また、なかには感染しても発症せずにウイルスを排出する感染者(不顕性感染者)もいること、ノロウイルスは環境中で数週間から数か月間感染性を維持しており、排出されて乾燥状態となったウイルスからも容易に感染すると考えられることなどを指摘しています。
※詳細はリスクプロファイル「食品中のノロウイルス」をご覧ください。
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_norovirus.pdf

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3.ノロウイルスによる食中毒を防ぐには
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ノロウイルスの特効薬は、まだありません。ノロウイルスによる食中毒を防ぐには、下記の予防対策を徹底することが重要です。

■加熱する食品は、中心部までしっかり加熱しましよう。
加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう(中心温度85~90℃で90秒間以上)。また、野菜などの生鮮食品は流水で十分に洗浄しましょう。

■調理器具などを清潔にしましょう
調理器具や調理台は消毒して、いつも清潔にしましょう。まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗浄しましょう。洗浄後に、煮沸消毒をするか、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭いて消毒することも有効です。

※次亜塩素酸ナトリウム:市販の塩素系の漂白剤(塩素濃度200ppm)
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。)。
なお、酸素系の漂白剤では効果的な消毒はできません。
塩素系漂白剤を使用する際は、使用方法を守り、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使わないようにしましょう。

■手洗いをしっかりしましよう
特に、食事前とトイレの後、調理前後は必ずよく手を洗いましょう。石けん(ハンドソープ)でよく洗浄し、すすぎは流水で十分にしましょう。2回繰り返すとより効果的です。

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ノロウイルスに関するQ&A
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Q1 ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎にかかるとどうなりますか。
A1 ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口感染し、人の腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。健康な方は1~2日程度で軽症で回復しますが、子供やお年寄りなどでは重篤化したり、吐物を誤って気道に詰まらせたりすることがあります。

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Q2 どのような食品が原因になるのでしょうか。
A2 ノロウイルスに感染した食品取扱者を介して汚染された食品が原因となっているケースが多いとされています。ノロウイルスは食品からの検出が難しく、原因食品が判明しない食中毒事例も多くあります。 また、生産海域の海水の汚染等の影響により二枚貝が原因食品となる場合もありますが、ノロウイルスによる食中毒は、汚染された二枚貝を生や加熱不足で食べた場合に発生しています。
中心部まで十分に加熱していれば、食べても問題ありません。

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Q3 食品等を介した感染を予防するためにはどうすればよいですか。
A3 手洗いと加熱、消毒が重要です。
食事の前やトイレの後などには、必ず石けん(ハンドソープ)で手を洗いましょう。2回繰り返すとより効果的です。加熱が必要な食品は中心部(中心温度85~90℃で90秒間以上)までしっかり加熱して食べましょう。調理器具は使用後に洗浄、殺菌しましょう。ノロウイルスには、アルコールや逆性石鹸はあまり効果がありませんが、 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は有効です。調理器具は洗剤で洗った後、次亜塩素酸ナトリウム
※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くとよいでしょう。 次亜塩素酸ナトリウムは取扱いに注意が必要ですので、「使用上の注意」を読んで確認しましょう。熱湯消毒が可能な包丁、まな板、食器、ふきんなどは煮沸消毒するとよいでしょう。

大量調理施設の場合、食品取扱者がノロウイルスに感染していると、大規模な食中毒となるおそれがあります。食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止することがとても重要です。下痢やおう吐などの症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
また、症状が治まった後も2~3週間はウイルスを排泄しますので、感染を拡大させないよう注意が必要です。
ノロウイルスを調理施設に持ち込まない・拡げない(調理施設を汚染させない)・やっつける(加熱や消毒により死滅させる)・付けない(食品を汚染させない)ことを心がけましょう。

※次亜塩素酸ナトリウム:市販の塩素系の漂白剤(塩素濃度200ppm)
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。)。なお、酸素系の漂白剤では効果的な消毒はできません。
塩素系漂白剤を使用する際は、使用方法を守り、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使わないようにしましょう。

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Q4 感染者が出たときの対処はどうすればよいですか。
A4 マスク、手袋をして、飛沫を吸い込まないように手早く便や吐物をペーパータオル等を使い外側から内側に向かって拭き取りましょう。雑巾などを使用した場合は密閉して捨てたほうがよいでしょう。次亜塩素酸ナトリウムを用いて、吐物などがあった場所を消毒しましょう。ドアノブやカーテンなどからもウイルスが検出されます。広めに消毒しましょう。感染者の体調を正しく連絡し、感染防止に努め、周囲の者と協力して、二次感染を起こさないようにしましょう。

※詳しくは、国立感染症研究所感染症疫学センター(旧:国立感染症研究所感染症情報センター)
「ノロウイルス感染症」をご覧ください。
http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-a.html

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Q5 正しい手洗い法を教えてください。
A5 手洗いは、調理や食事の提供の前後、食事の前、トイレの後などに必ず行いましょう。指輪などははずし、石けん(ハンドソープ)を十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗い、もみ洗い後、温水の流水で十分すすぎましょう。2回繰り返すとより効果的です。手洗い後は、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きましょう。

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1] 平成25年11月14日配信
http://www.fsc.go.jp/sonota/e-mailmagazine/e-mailmagazine_h2511_r1.html

内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その2] 平成25年11月29日配信
http://www.fsc.go.jp/sonota/e-mailmagazine/e-mailmagazine_h2511_r2.html


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