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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その2] (2013.11.29)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その2] (2013.11.29)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その2] 平成25年11月29日配信 
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前回(11月14日配信)のe-マガジン【読み物版】では、ノロウイルスに関する一般的な情報をお届け
しました。
今号では、ノロウイルスに関するQ&Aと、食品安全委員会 上安平(かみやすひら)委員の随想をお送
りします。

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ノロウイルスに関するQ&A
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Q1 ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎にかかるとどうなりますか。
A1 ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口感染し、人の腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛な
どの症状を引き起こします。健康な方は1~2日程度で軽症で回復しますが、子供やお年寄りなどでは
重篤化したり、吐物を誤って気道に詰まらせたりすることがあります。

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Q2 どのような食品が原因になるのでしょうか。
A2 ノロウイルスに感染した食品取扱者を介して汚染された食品が原因となっているケースが多いと
されています。ノロウイルスは食品からの検出が難しく、原因食品が判明しない食中毒事例も多くあ
ります。また、生産海域の海水の汚染等の影響により二枚貝が原因食品となる場合もありますが、
ノロウイルスによる食中毒は、汚染された二枚貝を生や加熱不足で食べた場合に発生しています。中
心部まで十分に加熱していれば、食べても問題ありません。

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Q3 食品等を介した感染を予防するためにはどうすればよいですか。
A3 手洗いと加熱、消毒が重要です。
食事の前やトイレの後などには、必ず石けん(ハンドソープ)で手を洗いましょう。2回繰り返すとよ
り効果的です。加熱が必要な食品は中心部(中心温度85~90℃で90秒間以上)までしっかり加熱して食
べましょう。調理器具は使用後に洗浄、殺菌しましょう。ノロウイルスには、アルコールや逆性石鹸
はあまり効果がありませんが、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は有効です。調理器具は洗剤で
洗った後、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くとよいでしょう。次亜塩素酸
ナトリウムは取扱いに注意が必要ですので、「使用上の注意」を読んで確認しましょう。熱湯消毒が
可能な包丁、まな板、食器、ふきんなどは煮沸消毒するとよいでしょう。
大量調理施設の場合、食品取扱者がノロウイルスに感染していると、大規模な食中毒となるおそれが
あります。食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止することがとても重要です。下痢やおう
吐などの症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
また、症状が治まった後も2~3週間はウイルスを排泄しますので、感染を拡大させないよう注意が
必要です。
ノロウイルスを調理施設に持ち込まない・拡げない(調理施設を汚染させない)・やっつける(加熱や
消毒により死滅させる)・付けない(食品を汚染させない)ことを心がけましょう。

※次亜塩素酸ナトリウム:市販の塩素系の漂白剤(塩素濃度200ppm)
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入
れる。)。なお、酸素系の漂白剤では効果的な消毒はできません。
塩素系漂白剤を使用する際は、使用方法を守り、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使
わないようにしましょう。

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Q4 感染者が出たときの対処はどうすればよいですか。
A4 マスク、手袋をして、飛沫を吸い込まないように手早く便や吐物をペーパータオル等を使い外側
から内側に向かって拭き取りましょう。雑巾などを使用した場合は密閉して捨てたほうがよいでしょ
う。次亜塩素酸ナトリウムを用いて、吐物などがあった場所を消毒しましょう。ドアノブやカーテン
などからもウイルスが検出されます。広めに消毒しましょう。感染者の体調を正しく連絡し、感染防
止に努め、周囲の者と協力して、二次感染を起こさないようにしましょう。

※詳しくは、国立感染症研究所感染症疫学センター(旧:国立感染症研究所感染症情報センター)
「ノロウイルス感染症」をご覧ください。
http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-a.html

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Q5 正しい手洗い法を教えてください。
A5 手洗いは、調理や食事の提供の前後、食事の前、トイレの後などに必ず行いましょう。指輪など
ははずし、石けん(ハンドソープ)を十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗い、もみ洗い後、温
水の流水で十分すすぎましょう。2回繰り返すとより効果的です。手洗い後は、清潔なタオル又はペ
ーパータオルで拭きましょう。

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2.「箔をつけるということ」(食品安全委員会委員 上安平委員)
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「偽装」か「誤表示」か、何だか定義付けの応酬のようになってしまった一連のホテルやデパート
のメニュー問題。古めかしい商業倫理、厳しい競争下でのコスト削減圧力、様々な背景はあるようで
す。
とりあえず身体は痛めつけられた様子はなく、食品の安全性とは別の次元かと野次馬気分で見ていま
した。ところが消費者の安心安全への欲求がこうした表示を生み出しているとの指摘がちょくちょく
見られるのです。
いつの頃からかメニューの一つ一つの料理名が長くなってきました。昔は「ハンバーグ」で済んだ
ものが、今は「●●牛100%手捏ねハンバーグ、××大根の和風おろしソース掛け、付け合せは△△
県産のいんげん」という具合。正体がはっきりしたものは安全面での心配もなく、多少高くついても
安心して食べられると信頼され、やがてそうでないと済まされなくなりという過程が想像されます。
これはなんというか「箔をつけ」たのですね。△△県産のいんげんが手に入らなかったら…誤魔化
す…ことになる。箔にぐるぐる巻きにされて振り回されました。ただの「ハンバーグ」ならよかった
のに。でも十分に安全で美味しかったのにバナメイエビや(九条ネギでない)普通のネギがなんだか
気の毒になってきました。


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