食品安全委員会の基本姿勢
令和8年4月
食品安全委員会
「食品安全委員会の基本姿勢」について
食品安全とは、「予期された方法や意図された方法で作ったり、食べたりした場合に、その食品が食べた人に害を与えないという保証」(コーデックス委員会 1969)を意味します。食品の安全には「絶対」はなく、リスクの存在を前提としつつ科学的知見に基づいてこれを制御していくべきというリスクアナリシス(リスク分析)の枠組みに沿って、生産現場から食卓までのフードチェーン全体における安全性を確保する視点を持った食品安全行政が進められています。
リスクアナリシスは、(1)食品安全委員会が科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正に食品のリスクを評価し(リスク評価)、(2)その結果などを考慮して、消費者庁、厚生労働省、農林水産省等のリスク管理機関が食品のリスクを低減するための施策を制定・実施し(リスク管理)、(3)関係者全員が相互に情報や意見を交換する(リスクコミュニケーション)、から構成されます。
これらを踏まえ、以下を「食品安全委員会の基本姿勢」とします。
食品安全委員会の基本姿勢
食品安全委員会は、食品の安全確保において国民の健康保護が最も重要であるという基本的認識のもとに、リスク評価およびリスクコミュニケーションを行う。
1.リスク評価
食品安全委員会は、利用可能な最新の科学的知見に基づき、系統性(systematic)、完全性(complete)、公正性(unbiased)および透明性(transparent)をもってリスク評価を行い、評価内容を明確に文書化する。
リスク評価は、国際的に共有されている4つの段階、すなわち、ハザード(危害要因)の特定、ハザードの特性評価、ばく露評価およびリスクの判定から構成される。摂取する食品の種類や量等は国による違いがあることから、我が国におけるハザードの摂取(ばく露)状況に基づきリスク評価を行う。
リスク評価の報告の際には、制約事項、不確実性、仮定及びこれらがリスク評価に及ぼす影響について示すとともに、少数意見があった場合についてはそれらも記録する。
2.リスク管理者との関係
食品安全委員会は、リスク管理と機能的に分離し、独立性を確保してリスク評価を行う。
リスク管理者からの諮問に応じてリスク評価を行う場合には、リスク管理者は、リスク評価者を含むステークホルダーと協議した上で、リスク評価方針を制定する。この手続は、リスク評価の系統性、完全性、公正性および透明性を保証することを目的とする。食品安全委員会は、このリスク評価方針と一致した範囲や目的を明示する。
適切なリスク評価に基づいて行われるリスク管理措置によって、食品を摂取することによる国民の健康への悪影響が未然に防止されることを目指す。
3.リスクコミュニケーション
食品安全委員会は、国民が理解し、よりよい行動変容につながる内容を含めて、リスク評価の結果を発信する。食品安全委員会は、フードチェーンの各段階において関わる全てのステークホルダーと科学的な情報を共有し、意見を交換し、その結果を必要に応じて活動に反映させる。
4.国際協調
食品安全委員会は、コーデックス委員会へ科学的助言を行う国際的リスク評価の専門家会議等(例えば、JMPR、JECFA、JEMRAなど)や各国のリスク評価機関から発信される情報をモニターする。
海外のリスク評価機関との情報交換を進めるとともに、日本からリスク評価に関する情報発信を行い、国際的なリスク評価に貢献する。
5.緊急時における対応
食品を摂取することにより国民に重大な健康被害が生じた場合、あるいは生ずるおそれがある場合等の緊急の事態において、食品安全委員会はステークホルダーが適切に対処できるように、速やかに保有している科学的な情報を提供する。