【読み物版】生活の中の食品安全 -ノロウイルスについて- 2 ◆Q&A◆ 平成30年11月30日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
[生活の中の食品安全 −ノロウイルスについて− その2 (Q&A)]
平成30年11月30日 配信
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前号のe-マガジン【読み物版】(平成30年11月16日 配信)では、ノロウイルスに関する基本的な情報をお届けしました。今号では、ノロウイルス食中毒に関するQ&Aをお送りします。

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Q1 ノロウイルスによる食中毒は、年間に何件ぐらい発生しているのでしょうか。また、患者数はどのくらいでしょうか。
Q2 ノロウイルスは感染しやすいと聞きますが、どうしてでしょうか。
Q3 ノロウイルス食中毒の原因食品は、どのようなものが多いのでしょうか。
Q4 家庭でできるノロウイルス食中毒の予防対策について教えてください。
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Q1 ノロウイルスによる食中毒は、年間に何件ぐらい発生しているのでしょうか。また、患者数はどのくらいでしょうか。
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A1 厚生労働省の食中毒発生状況によると、2017年(平成29年)のノロウイルスによる食中毒は、事件数214件、患者数8,496人で、病因物質別の患者数では第1位でした。事件数では、食中毒全体(1,014件)の21.1%、患者数では食中毒全体(16,464人)の51.6%を占めています。1事件あたりの患者数が多いことが特徴です。

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Q2 ノロウイルスは感染しやすいと聞きますが、どうしてでしょうか。
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A2 ノロウイルスは、少量のウイルスで感染します。また、とても小さなウイルスであるため、感染したヒトの手洗いが十分でないと手や指にウイルスが残り易く、それが食品等を汚染し、食中毒の原因になります。
感染者は、症状が治まっても通常は1週間、長いときには1ヶ月程の間は、ウイルスを排出することがあります。このため、気付かないうちに食品を汚染してしまうこともあり、さらなる感染を起こしやすいことも問題となっています。

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Q3 ノロウイルス食中毒の原因食品は、どのようなものが多いのでしょうか。
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A3 食品から直接ノロウイルスを検出することは難しく、食中毒事例の約7割は原因食品が特定できていません。ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されたことが原因となっているケースが多いことが、原因食品を特定できない要因となっています。
また、汚染された二枚貝(カキ等)を生あるいは十分に加熱調理せずに食べて感染することがあります。二枚貝は、もともとノロウイルスを保有しているのではなく、プランクトン等を食べるために大量の海水を取り込む際に、海水がノロウイルスを含む下水処理水等で汚染されていると、ノロウイルスも一緒に取り込み、体内に蓄積・濃縮すると考えられています。

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Q4 家庭でできるノロウイルス食中毒の予防対策について教えてください。
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A4 家庭でできるノロウイルス食中毒の予防対策のポイントは、「加熱」「手洗い」「消毒」の3点です。
ノロウイルスはヒトからヒトに感染することが多いです。家庭で調理を行う方だけではなく、飲食店や学校給食施設等で食品の調理に携わる方はもちろん、私たち一人一人が日常生活の中でしっかりと食中毒予防に努めることが大切です。

◇食品の加熱◇
加熱が必要な食品は中心部までしっかりと「加熱」してください。ノロウイルスの活性を失わせるために必要な加熱条件については、コーデックス委員会のガイドラインでは、中心温度85〜90℃で90秒間以上とされています。

◇手洗いの励行◇
「手洗い」をしっかりと行ってください。手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。特に、調理前後、食事前、トイレの後、下痢等の汚物処理やおむつ交換の後は、必ず手を洗ってください。石けんをしっかりと泡立てて手首までよく洗浄し、流水で十分にすすいで下さい。石けん自体にはノロウイルスを直接失活させる効果はありませんが、手の脂肪等を落とすことにより、ウイルスを手からはがれやすくする効果があります。また、2回繰り返すと、より効果的です。

◇煮沸や塩素による調理器具の消毒◇
調理器具や調理台は「消毒」して、いつも清潔にして下さい。まな板、包丁、食器、ふきん等は使用後すぐに十分に洗浄してください。
ノロウイルスを完全に失活させる方法としては、煮沸消毒(85℃〜90℃以上で90秒間以上)や次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)(※)が効果的です。
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる)。塩素系漂白剤を使用する際は、「使用上の注意」をよく確認してください。

≪参考≫
・食品安全委員会「食中毒予防のポイント ノロウイルスによる食中毒にご注意ください」(平成28年12月14日一部更新)
http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html
・食品安全委員会「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル及び今後の課題〜 食品中のノロウイルス 〜」2010年4月
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_norovirus.pdf
・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html別ウインドウで開きます(外部サイト)
・厚生労働省「食中毒の原因(細菌以外) ノロウイルス」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/03.html別ウインドウで開きます(外部サイト)

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