【読み物版】生活の中の食品安全−ノロウイルス食中毒に気をつけよう−その1 平成29年12月8日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
 [生活の中の食品安全−ノロウイルス食中毒に気をつけよう−その1]
平成29年12月8日配信
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今月のe-マガジン【読み物版】は、ノロウイルス食中毒についてお送りします。
ノロウイルスによる食中毒は、年間を通して発生しています。毎年11月から増え始め、12月〜1月にピークになる傾向があるので、特にこれから注意が必要です。
ノロウイルスの特性を知り、しっかり予防対策をしてください。

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1.発生状況と感染力
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■発生状況
ノロウイルスによる食中毒は、患者数についてみると、10年以上にわたって食中毒原因の1位となっています。これは、1事件あたりの患者数が多いことが原因です。
2016年においては、患者数11,397人(食中毒患者全体の56%)、事件数354件(食中毒事件全体の31%)で、1件あたりの平均患者数は、32人でした。

■感染力
ノロウイルスは、少量(10〜100個程度)が口に入っただけでも、感染、発症することがあります。感染した人の手洗いが十分になされていないと手や指に残り易く、それが食品などを汚染し、食中毒の原因になります。

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2.感染経路
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ノロウイルスの感染経路は、汚染された食品からの感染や人から人への感染などがあります。
食品が汚染されるケースとして、
・食品取扱者(製造や調理などを行った人)が感染しており、その人を介したケースや、
・カキなどの二枚貝であれば、海中で大量の海水を取り込む際、海水中のノロウイルスも取り込まれ、体内で濃縮されるケース
などが考えられます。
人から人への感染では、
・感染者のふん便や嘔吐物から人の手を介した感染や、
・家庭や施設など人同士の接触する機会が多いところで、ノロウイルスを含んだ飛沫が口から入った感染
などが考えられます。

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3.原因食品
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ノロウイルスは、食品から直接ウイルスを検出することが難しく、食中毒事例のうち約7割では原因食品が特定できていません。
特定できたケースとしては、二枚貝があり、平成28年で、ノロウイルス食中毒の約1割となっています。これは、二枚貝が海中で大量の海水を取り込む際、海水中のノロウイルスも取り込まれ、体内で濃縮されるためと考えられています。
ノロウイルスで汚染された二枚貝による食中毒は、生や加熱不足で食べる場合に発生します。二枚貝は十分に加熱(中心温度85〜90℃で90秒間以上)することにより、安全に食べることができます。

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4.主な症状
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ノロウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間は、24〜48時間程度です。
主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。通常3日程度で回復します。特に、嘔吐は、突然、抑えることができないほど急激に強く起こることがあります。
乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い人では、重症化することもあるので、特に注意が必要です。症状が治まった後や、症状が出ない感染者でも、1週間から1ヶ月程の間は、ウイルスを排泄することがあります。症状が治まっても、しばらくの間は、直接食品を取り扱うことは避けた方がよいです。

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5.家庭における予防対策のポイント
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家庭における予防対策のポイントは、食品の加熱、手洗いの励行、煮沸や塩素による調理器具の消毒の3点です。食品の製造や調理に携わる人が、衛生管理基準を遵守することはもちろんですが、私たち一人一人が、日常生活の中で、予防対策を実施することが大切です。

・食品の加熱
加熱が必要な食品は、中心部までしっかりと「加熱」してください。中心温度85〜90℃で90秒間以上の加熱により、ノロウイルスは感染性を失うとされています。

・手洗いの励行
「手洗い」をしっかりと行ってください。石けんで手首までよく洗浄し、流水で十分すすいでください。2回繰り返すとより効果的です。
特に、食事前、トイレの後、調理前後は、必ず手を洗ってください。

・煮沸や塩素による調理器具の消毒
調理器具や調理台は「消毒」して、いつも清潔にしてください。まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗浄してください。
一般的な感染症対策として、消毒用エタノール等が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、煮沸消毒(85〜90℃で90秒間以上)や次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)(※)が効果的です。
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる)。塩素系漂白剤を使用する際は、「使用上の注意」をよく確認してください。

≪参考≫
・食品安全委員会「食中毒予防のポイント ノロウイルスによる食中毒にご注意ください」
http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html
・食品安全委員会「リスクプロファイル 食品中のノロウイルス」
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_norovirus.pdf
・厚生労働省「食中毒の原因(細菌以外) ノロウイルス」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/03.html別ウインドウで開きます(外部サイト)
・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html別ウインドウで開きます(外部サイト)

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