【読み物版】[食べ物のおいしさと安全・安心〜新鮮なものは本当に安全?〜 その2] 平成28年4月8日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食べ物のおいしさと安全・安心〜新鮮なものは本当に安全?〜 その2]
平成27年4月8日配信  
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前回(4月7日配信)のe-マガジン【読み物版】では、「食品を科学する−リスクアナリシス(分析)連続講座」の中から、「食べ物のおいしさと安全・安心〜新鮮なものは本当に安全?〜」(平成27年9月)の情報をお届けしました。
今号では、Q&Aをお送りします。

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1. 新鮮なものは本当に安全? Q&A
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Q1  食中毒の原因となる微生物にはどんなものがあり、死滅させるための条件は違うのですか。
Q2  馬肉のサルコシスティス・フェアリーや、ホタルイカの旋尾線虫(せんびせんちゅう)について教えてください。
Q3  青魚は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く、健康によいと聞きましたが本当でしょうか?
Q4 鶏卵、牛乳は新鮮なほど安全だと聞きました。賞味期限が迫っているものは避けた方がよいでしょうか?

 

Q1  食中毒の原因となる微生物にはどんなものがあり、死滅させるための条件は違うのですか。
A1  カンピロバクター(カンピロバクター・ジェジュニ・コリ)は、もともとは家畜や家禽の腸内に生息していますが、生野菜を含めて多くの食品から検出されており、日本における食中毒発生件数では最も多くなっています。症状は下痢や腹痛などです。65℃数分の加熱で死滅します。
サルモネラ属菌は、動物の腸管や自然界に生息しています。症状は腹痛や下痢などです。75℃1分の加熱で死滅します。腸炎ビブリオは、海水や魚介類から検出されるのですが、65℃1分の加熱で死滅します。ノロウイルスは、少ない菌数でも感染し近年、発生件数と患者数が多い。85〜90℃90秒の加熱で死滅します。リステリア菌は欧米では未殺菌の乳製品などから検出されており、65℃1分の加熱で死滅します(4℃以下でも増殖します)。腸管出血性大腸菌は動物の腸管内に生息しており、症状は激しい腹痛や血便などです。75℃1分の加熱で死滅します。E型肝炎ウイルスは豚肉やジビエに感染していることがあり、症状は倦怠感や肝機能低下などです。

 

Q2  馬肉のサルコシスティス・フェアリーや、ホタルイカの旋尾線虫(せんびせんちゅう)について教えてください。
A2  馬肉は、サルコシスティス・フェアリーによる食中毒事例があることから、生食用はマイナス20℃(中心温度)で48時間以上冷凍処理することになっています。
また、旋尾線虫は、ホタルイカの1〜6%に寄生しているといわれています。摂食後腹痛が起こったり、2週間前後で皮疹や水泡を作ることがあります。1995年から2003年に49例の報告があったことから、厚生労働省は、(1)生食用についてはマイナス30℃で4日間以上凍結するとともに、内臓を除去する。(2)生食用以外は加熱処理(沸騰水中で30秒保持又は中心温度60℃以上)を指導しています。

 

Q3  青魚は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く、健康によいと聞きましたが本当でしょうか?
A3 DHAやEPAは、一般に青魚に多い高度不飽和脂肪酸であり、血管障害の予防などを抑止する作用があるとされています。しかし、酸化しやすく、悪臭や食中毒の原因となることがありますので、新鮮なうちに食べることが必要です。また、過剰摂取のおそれがありますので、安易にサプリメントで摂ることは要注意です。

 

Q4 鶏卵、牛乳は新鮮なほど安全だと聞きました。賞味期限が迫っているものは避けた方がよいでしょうか?
A4 鶏卵と牛乳については、生産、加工から流通の各段階で、さまざまな衛生上の基準等をクリアしたものが店頭に並んでおり、賞味期限内であればおいしく食べることができます。
ただし、卵は、生で食べる場合は、できるだけ新鮮なうちに食べましょう。割れてしまったり、いったん割った卵は、急速に腐敗が進みますので、すぐに食べましょう。なお、卵の冷蔵庫での保管は、温度が変化しやすい扉の部分ではなく、中の本体に保管しましょう。
そして、パックを開けてしまった牛乳は、冷蔵庫に保管していたとしても、できるだけ早めに消費することが大切です。

 

≪参考≫
・食品安全委員会;「平成27年度 食品を科学する—リスクアナリシス(分析)連続講座」食べ物のお
いしさと安全・安心〜新鮮なものは本当に安全?〜
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20150903ik1

 

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