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【読み物版】[主な細菌性食中毒の特徴と対策 その2] 平成27年5月29日配信(2015.05.29)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】 [主な細菌性食中毒の特徴と対策 その2] 平成27年5月29日配信(2015.05.29)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[主な細菌性食中毒の特徴と対策 その2]
平成27年5月29日配信
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前回(5月18日配信)のe-マガジン【読み物版】では、主な細菌性食中毒の予防対策などについて
情報をお届けしました。
今号では、主な細菌性食中毒に関するQ&Aと、熊谷委員長の随想をお送りします。

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1.主な細菌性食中毒に関するQ&A
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Q1 サルモネラ属菌はどういう食中毒菌ですか?
A1 サルモネラ属菌は多くの種類があり、人に食中毒を起こすのは一部で、病原性の強さもいろい
ろです。もともと、サルモネラ属菌は鶏や牛の糞便に多く排出されます。サルモネラ属菌は乾燥、加
熱、酸に強いため、サルモネラ属菌による食中毒は、いろいろな食品で起こります。2000年〜2009年
の10年間に発生したサルモネラ属菌による食中毒の原因食品は、弁当・そうざいなどが10年間の平
均で7.8%と最も多くなっています。また、牛のレバーには、腸管出血性大腸菌とともにサルモネラ属
菌が存在している可能性があることから、生の牛のレバーの販売・提供は禁止されました。豚の生レ
バーにも、E型肝炎ウイルスなどとともにサルモネラ属菌による食中毒のリスクがあります。

Q2 腸炎ビブリオはどういう食中毒菌ですか?
A2 海水中に生息しており、塩分濃度が高くても増殖することができます。魚介類が汚染されてい
ることが多いので、生食用の魚介類については、菌数の基準が定められていることに加え、加工に使
用する水は、殺菌した海水や飲用適の水を使用するなどの基準が設けられています。

Q3 ボツリヌス菌について教えてください。
A3 土壌などに生育しており、缶詰、瓶詰、真空パックなどの空気がないところで増殖し、熱に強
い芽胞を形成します。ボツリヌス菌が産生する毒素(加熱により分解します。)によって食中毒が起こ
ります。症状は、脱力感、血圧低下、呼吸困難などの重い神経症状です。
(乳児ボツリヌス症)
生後1才未満の乳児が芽胞を口から摂取することで発生します。乳児の腸内細菌叢(ちょうないさいき
んそう)は大人と違うことから、芽胞が腸内で増殖し、毒素が作られてしまいます。非加熱の蜂蜜によ
る事例が多いことから、1987年、1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないよう通知が出されました。

※食品を科学する−リスクアナリシス(分析)連続講座
相手を知ってやっつけよう〜主な細菌性食中毒の特徴と対策〜
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20140703ik1

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2.「肉の食べ方」(食品安全委員会委員長 熊谷 進) 
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豚肉を含め、家畜・家禽の肉や内臓の喫食による食中毒を未然に防止するためには、その生産、製造、
加工、流通等に関わる事業者が、食品安全にかかわる法律や規則を遵守する必要があることはいうま
でもありません。
その上で、これら食品による食中毒を回避するために、喫食者個々人がとくに留意すべき点は?と問
われれば、まずは、次のことが挙げられると思います。
牛肉、豚肉、鶏肉、およびそれらの内臓については、加熱を原則とし、加熱不足を避ければ完璧です。
ただし、牛のブロック肉については、表面を十分に加熱したものであればリスクはかなり低く抑えら
れます。豚にはこれが当てはまらず、内部までしっかり加熱する必要があります。鶏肉については多
くの場合、表面加熱によってリスクを低減することができるが、完璧とはいえません。また、薄暗が
りでのバーベキューでありがちな加熱不足に加え、皿やトングを介した生肉や生臓器からのサラダ等
への肉汁や臓器片の付着による交差汚染には、例え酩酊していても要注意です。
以上の点を踏まえて、どうやって食べるかは、食欲やその他もろもろの事情との兼ね合いで各人が決
めるべき筋合いのものです。ただし、抵抗力のない老人や病人、小児にとっては、肉や内臓にかぎら
ずリスクは、健常人に比してかなり高いことを忘れてはいけません。


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