【読み物版】[動物用医薬品を知る その1] 平成27年3月16日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[動物用医薬品を知る その1]
平成27年3月16日配信 
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今月のe-マガジン【読み物版】は、「食品を科学する−リスクアナリシス(分析)連続講座」の中から、「動物の健康はヒトの健康〜動物用医薬品を知る〜」(平成26年10月と11月実施)をお送りします。
今号では、牛、豚、鶏などの家畜や養殖魚などに使用される動物用医薬品について、ご紹介します。
また、次号では、動物用医薬品に関するQ&Aと委員の随想を予定しています。

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1. 動物用医薬品とは
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私たちは毎日、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、生乳、魚介類やそれらを加工した食品を食べています。家畜や魚介類も、人間と同じように病気になりますが、それらを治療するため、また予防するために、動物用医薬品が使用されています。
動物用医薬品には、抗菌性物質、ワクチンや寄生虫駆除剤などがあり、動物の治療のために独自に開発されたものもあれば、人間の医薬品から転用されたものもあります。

 ※抗菌性物質
抗生物質(微生物によって生産されたもの)や合成抗菌剤(化学合成によって作られたもの)など細菌の増殖を
迎えたり、死滅させたりする物質

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2. 動物用医薬品はなぜ必要なのか?
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病気にならないように注意していても病気になることがあります。動物も同じです。
そのため、家畜や養殖魚を健康に育てるためには、病気の治療や予防のための医薬品が必要になります。
家畜や養殖魚の病気の治療や予防ができないと健康な家畜や養殖魚が生産されず、肉や生乳、卵などの安定した供給ができなくなります。医薬品を使用することで、家畜や魚介類の健康を守り、安定的に畜水産物を生産することができ、毎日、私たちは、動物由来の食品を食べることができています。

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3. 動物用医薬品のリスク評価
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食品安全委員会では、使われた動物用医薬品が食品を通じて、人の健康に影響を及ぼすことがないように、リスク評価を行っています。実際には、薬剤を投与するとどのような毒性があるのか(毒性学的リスク)、人の腸内細菌に影響を及ぼさない量はどれくらいか(微生物学的リスク)、アレルギーを起こさない量はどれくらいか(アレルギーリスク)を、動物実験の結果などから評価しています。また、薬剤耐性菌リスクについても確認しています。

 ■薬剤耐性
抗菌性物質を使い続けると、それに負けずに生き残った細菌(薬剤耐性菌)が増える可能性が高くなります。
そこで、薬剤耐性菌が増える(選択される)可能性、食品を通じて人が薬剤耐性菌を摂取する可能性、そして薬剤耐性菌を摂取した人が病気になった場合の治療への影響を評価しています。この結果に基づいて、農林水産省は、例えば、人にとって重要な抗菌性物質は動物用医薬品として認めないなどの使用方法を定めています。

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4. 動物用医薬品の安全を確認する仕組み
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家畜や魚介類に抗菌性物質などの動物用医薬品を使用するときの使用基準(使用対象動物、使用量、使用禁止期間など)は、対象の動物に効果があるように、農林水産省が定めています。食品中の動物用医薬品の残留基準値は、食品安全委員会による評価結果を踏まえて、厚生労働省が設定しています。
また、抗菌性物質を使用する際には、獣医師の診察が義務付けられています。

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5.まとめ
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家畜や魚介類にはいろいろな動物用医薬品が使われますが、動物用医薬品が動物由来の食品を経由して人の体に入り、私たち消費者の健康へ与える影響については、食品安全委員会において、動物用医薬品の毒性学的リスクや微生物学的リスクに関する知見等をもとに、総合的に評価しています。家畜や魚介類の健康を守り、健康な動物由来の食品を食卓に届けるために、動物用医薬品は重要な役割を果たしています。

 ※食品を科学する−リスクアナリシス(分析)連続講座
動物の健康はヒトの健康〜動物用医薬品を知る〜
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20141106ik1

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