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【読み物版】 [食品の保存を理解する その1] 平成27年1月20日配信(2015.01.20)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】 [食品の保存を理解する その1] 平成27年1月20日配信 (2015.01.20) 

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
【読み物版】 [食品の保存を理解する その1] 平成27年1月20日配信
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今月のe-マガジン【読み物版】は、「食品を科学する-リスクアナリシス(分析)連続講座」の中から、
「冷蔵庫に入れれば大丈夫?~食品の保存を理解する~」(平成26年9月実施)をお送りします。
今号では、食中毒のリスクと食品保存のかかわりや注意したいことなどについてご紹介します。また、
次号では、Q&Aと委員の随想を予定しています。

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1.食品は保存中にもリスクが増加する
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農業生産から加工・処理、流通、調理、あるいは家庭での調理といった段階を経て、食べ物は作られ
ています。その過程には微生物や寄生虫の存在があり、食中毒のリスクを大きくする要因となってい
ます。

■微生物はどこにいるか
微生物は、土壌中にも空気中にも海水中にもいます。また、人や家畜のふん便中にも存在します。こ
うした微生物が、野菜や肉、魚などの食品を汚染する可能性があります。

■食中毒を発症する菌量・ウイルス量
食中毒の原因として、細菌、ウイルスなどさまざまなものがあり、食中毒を発症する量には差があり
ます。ノロウイルス、腸管出血性大腸菌などのように、とても少ない量でも発症するものもあります。

■細菌が増殖する条件
細菌が増殖するには、栄養素、水分、温度などの条件が必要です。
・栄養素
でんぷん質やタンパク質などがあると細菌は増殖します。
・水分
その食品中に含まれる「自由水」(糖分や塩分などが結合しておらず、微生物が増殖のために利用で
きる水)の割合を示した「水分活性」でみます。水分活性が高いと、細菌はよく増殖します。生肉や
鮮魚、野菜、米飯などは水分活性が0.98以上と高い食品で、細菌が増殖しやすいといえます。一方、
キャンディーや乾めん、はちみつなどは水分活性が0.60以下と低く、細菌は増殖しにくくなります。
・温度
5~45℃の間の温度帯、特に30~40℃の間で多くの菌が増殖します。

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2.洗うことの効果は?
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■手を洗う
食中毒を予防するためには、手を洗うことはとても重要です。
生肉などを取り扱ったあとの手にはたくさんの細菌やウイルスがついていますが、石けんを使いよく
手を洗った後、流水で十分に洗い流すことでとれていきます。

■調理器具を洗う
生肉などをのせたまな板にも細菌やウイルスなどがつきます。中性洗剤で洗っても、十分でない場合
があるため、まな板やスポンジなどを熱湯消毒することが効果的です。
まな板に腸管出血性大腸菌を付着させた実験において、水道水で洗浄することにより細菌の数が減り、
70℃のお湯をかけることにより細菌は確認できなくなったとされています。
また、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤)を用いて消毒した場合でも細菌を取り除くこ
とができました。

■野菜を洗う
生食用の野菜を流水で180秒間洗うと、細菌は10分の1ぐらいに減ったとする実験がありますが、生
野菜を洗っても細菌は残ることを前提に取り扱い、調理したら早めに食べるようにしましょう。

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3. 加熱で細菌やウイルスを「やっつける」
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■食中毒を予防するための加熱温度・時間
・腸管出血性大腸菌:75℃、1分間以上
・カンピロバクター属菌:65℃以上、数分間以上
・サルモネラ属菌:75℃以上、1分間以上
・リステリア菌:65℃、数分間以上
・ノロウイルス:85~90℃、90秒間以上
上記は調理温度ではなく、加熱時の食品の「中心部の温度」です。また、セレウス菌、ウエルシュ菌
など、100℃でも死滅しない耐熱性芽胞をつくる細菌もあります。

■調理法と温度
調理法はいろいろとありますが、「ゆでる・煮る」は大体100℃、「蒸す」は85~100℃、「炒める」
は180℃、「焼く」は180~250℃、「揚げる」は150~180℃程度と考えられます。加熱温度が100℃
以上でも、中心部の温度とは差があるので、注意が必要です。

■カレーを加熱するとき
カレーなどで、ウエルシュ菌による食中毒事例が多く報告されています。
粘性の高い食品の加熱では、表面が沸騰しているように見えても実際には内部で対流が起こりにくく、
温度が均一に上昇しにくくなっています。均一に温度を上げるには、十分かき混ぜながら加熱する必
要があります。

■加熱後の保存
穀類及びその加工品(チャーハンなど)ではセレウス菌による食中毒事例が報告されています。
セレウス菌は耐熱性の芽胞を形成する細菌で、一度加熱した食品でも、室温で放置されると耐熱性芽
胞の発芽増殖が促進されます。
調理後すぐに食べない食品は、すみやかに冷まして冷蔵庫に入れるなど、適正な温度管理が必要です。

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4. 低温保存を過信しない
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■冷蔵庫で保存するとき
冷蔵庫では、食品の相互汚染を防ぎましょう。肉や魚は冷蔵保管中にドリップが出て、カバーをしな
いとほかの食品についてしまうことがあります。脱水シートを使うことにより、ドリップ量は減少し
ます。
また、微生物は低温でも死滅しません。発育せず、増殖しない状態になるだけです。リステリア菌の
ように4℃でも増殖する細菌もあるので、冷蔵庫を過信しないようにしましょう。

■ドアの開閉は短時間に
冷蔵庫、冷凍庫のドアを1分間開放すると、中の温度はなかなか元には戻りません。開放時間を15秒
間にとどめれば、短時間で元に戻ります。開閉は短時間にして、中の温度上昇を防ぐことが大切です。

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5. まとめ
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食べ物がつくられる農業生産から加工・処理、流通、調理、あるいは家庭での調理といった一連の段
階において、食中毒のリスクを大きくする要因となる細菌やウイルスがいたるところに存在していま
す。日頃から、細菌やウイルスを「つけない、ふやさない、やっつける」ための洗浄、加熱、保存を
徹底し、食中毒予防を心がけましょう。

※食品を科学する-リスクアナリシス(分析)連続講座
冷蔵庫に入れれば大丈夫?~食品の保存を理解する~
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20140904ik1

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