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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1] (2014.10.16)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1] (2014.10.16)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[ノロウイルス その1]
平成26年10月16日配信 
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今月のe-マガジン【読み物版】は、ノロウイルスについてお送りします。
食中毒の患者数の約半分は、ノロウイルスが原因です。これから冬にかけて、ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎が心配な季節となります。ノロウイルスは、手指や食品などを介して感染し、下痢、おう吐、吐き気、腹痛などを起こします。
今号では、ノロウイルスに関する情報をご紹介します。また、次号では、ノロウイルスに関するQ&Aと委員の随想を予定しています。

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1.ノロウイルスとはどんなウイルス?
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■ノロウイルスとは
ノロウイルスは、とても小さなウイルスです。感染力が強く、少量でも人のおなかの中で増えて、食中毒を起こします。

※ノロウイルス(直径30~40nm前後の球形)
1nm(ナノメートル)は1m(メートル)の10億分の1。

■潜伏期間と症状
発症までの潜伏期間は24~48時間程度です。下痢、おう吐、吐き気、腹痛、発熱(一般的に軽度37~38℃)などが主な症状です。おう吐は、突然、急激に強く起こるのが特徴的です。これらの症状は、1~2日程度継続してから治癒するとされています。乳幼児、高齢者、免疫不全など抵抗力の弱い方では重症となることがあり、注意が必要です。

■感染経路
主な感染経路としては次のようなものがあります。

(1)食品からの感染(食中毒)
・感染した人が調理などで食品を汚染し、それを食べて感染する
・感染した人に由来するウイルスが蓄積した、二枚貝などを加熱不十分なまま食べて感染する

(2)人から人への感染
・患者のふん便やおう吐物にふれ、手などについたウイルスが口から入って感染する
・家庭や施設内などで、ノロウイルスを含んだ飛沫などが口から入って感染する

■原因食品
原因食品が特定された事例では、貝類(カキ等)、弁当、刺身、寿司、サラダ、もち、菓子、サンドイッチ、パンなどがあります。
最近は、食品取扱者を介して汚染された食品が原因となるケースが多くなっています。

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2.食品添加物の安全性
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■発生状況(2013年)
ノロウイルスによる食中毒は、例年、事件数、患者数とも高い値で推移しています。2013年は、事件数(328件)、患者数(12,672人;食中毒全体の約6割)とも、食中毒の中で第1位でした。また、患者数500人以上の食中毒事例は2件ありましたが、うち1件がノロウイルスによる食中毒でした(患者数526名)。原因は仕出し屋でつくられたものでした。
ノロウイルスによる食中毒は特に冬の時期に流行するので、今後、特に注意が必要です。

※2013年の食中毒事件数、患者数
食中毒全体    事件数 931件     患者数   20,802人
うちノロウイルス 事件数 328件(35.2%)  うち患者数 12,672人(60.9%)

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3.食品添加物の種類
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■しっかり加熱!
加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう。中心温度85~90℃で90秒間以上加熱することが必要です(他のウイルスや細菌より加熱が必要です)。また、野菜などの生鮮食品は流水で十分に洗浄しましょう。

■調理器具などを清潔に!
調理器具や調理台は消毒して、いつも清潔にしましょう。まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗浄しましょう。洗浄後に、煮沸消毒をするか、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭いて消毒することも有効です。

※次亜塩素酸ナトリウム:市販の塩素系の漂白剤(塩素濃度200ppm)
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。)。なお、塩素系の漂白剤でなければ効果的な消毒はできません。
塩素系漂白剤を使用する際は、使用方法を守り、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使わないようにしましょう。

■手洗いをしっかり!
特に、食事前とトイレの後、調理前後は必ずよく手を洗いましょう。手洗いは、石けん(ハンドソープ)で手首まで(30秒程度)よく洗浄し、すすぎは流水で十分にしましょう。2回繰り返すとより効果的です。

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4.今後の課題
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ノロウイルスは、国内の食中毒の原因のトップとなっています。汚染源を特定するにあたり、原因食品からノロウイルスを検出することが必要であり、検査法が開発されてきていますが、検出は困難な場合も多く、簡便で高精度の検査法が望まれます。特に最近は、食品を介してだけでなく人から人への感染が増えています。このため、フードチューンや環境中の分布状況を明らかにし、有効な対策を講じるために、国内外において調査研究が行われています。

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