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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[かび毒その1] (2013.9.12)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[かび毒その1] (2013.9.12)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[かび毒その1] 平成25年9月12日配信 
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今月のe-マガジン【読み物版】は、かび毒についてお送りします。
日本では、古くから味噌や醤油などの発酵食品が食べられてきました。かびやかびの仲間の麹菌や
酵母は、チーズやかつお節など様々な食品作りのために活用されています。
一方、食品に生えるかびは、細菌と同様に食品を腐敗させるだけでなく、かびが産生するかび毒は、
がんの原因になるものもあります。今号では、かび毒についてご紹介します。
また、次号では、かび毒に関するQ&A及び委員の随想を予定しています。

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1.かびとかび毒の違い
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■かび毒
かびは、食品や医薬品の製造に利用され、人々の暮らしに役立っているだけでなく、他の微生物と
ともに生物の死骸などを分解して環境浄化に役立っています。しかしその一方で、かびは食べ物の
味や匂いを変えて品質を劣化させたり、腐敗の原因にもなります。
かび毒とは、別名マイコトキシンとも呼ばれ、かびの産生する代謝物のうち人や動物の健康に悪影
響を及ぼす毒素の総称です。

■かび毒の種類
かび毒は、その種類によって汚染される農産物や時期、場所が異なります。
現在300種類以上のかび毒が知られていますが、食品汚染で問題となる代表的なかび毒としては、
[1]とうもろこし・穀類や落花生、豆類などから検出されるアフラトキシン類
[2]穀類や豆類などから検出されるオクラトキシンA
[3]小麦や大麦などから検出されるデオキシニバレノール、ニバレノール
[4]りんごなどから検出されるパツリン
などがあります。

■かび毒の摂取
一般にかび毒は、熱に強く、加工・調理しても毒性がほとんど低減しないため、農産物の生産、乾
燥及び貯蔵などの段階で、かびの増殖やかび毒の発生を防止することが大切です。
また、アフラトキシンB1に汚染された飼料を食べた家畜の乳からアフラトキシンM1が認められる
ように、かび毒に汚染された飼料を食べた家畜を経由してヒトが摂取する場合もあります。


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2.主なかび毒
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■アフラトキシン
アフラトキシンは、1960年に英国で発生した七面鳥大量死事件の原因物質として発見され、主な
産生菌であるAspergillus(アスペルギルス)属のA.flavus(アスペルギルス・フラバス)にちなんで、
「アフラトキシン」(トキシンは「毒素」の意)と名付けられました。

アフラトキシンB1は遺伝毒性が関与する強い発がん物質で、ほとんどの動物種の肝臓に悪影響を与
えることがわかっていて、肝細胞癌との関連が指摘されています。特にB型肝炎に感染している人
では肝細胞癌が発生するリスクが高くなるとされていることから、摂取量を可能な限り低減すべき
とされ、食品衛生法において食品中に検出されてはいけないと規制されてきました。


■オクラトキシンA
オクラトキシンAは、1960年代に南アフリカで穀類から発見されました。
アスペルギルス属及びペニシリウム属の一部のかびが産生するかび毒であり、穀類、豆類、乾燥果
実、飲料等いろいろな食品から検出されています。

オクラトキシンAは動物試験から腎毒性を示すことが知られており、げっ歯類での発がんが報告さ
れています。


■デオキシニバレノール(DON)とニバレノール(NIV)
デオキシニバレノールとニバレノールは麦類などで、赤かび病の原因となるFusarium(フザリウム)
属のかびが作り出す同一グループのかび毒で、どちらも日本で最初に発見されました。DONは日本
を含む世界の温帯各地で、主に麦やとうもろこしで見られますが、NIVは世界的にはDONほど問題
になっていないものの、日本では麦類で汚染が報告されています。

デオキシニバレノールとニバレノールに汚染された食品を一度に大量に食べた場合、いわゆる急性
毒性として、嘔吐や食欲不振などがみられます。
一方、急性毒性を示さない程度の量を長期間にわたって摂取すると、慢性毒性として免疫系に影響
があることがわかっています。


■パツリン パツリンは青かびの一種であるPenicillium(ペニシリウム)属やアスペルギルス属等のかびが産生
するかび毒で、主にりんごを汚染することが知られています。これらのかびは、りんごの収穫、包
装、輸送時等に受けた損傷部から侵入するとされており、不適切な貯蔵等でパツリンを産生します。
特に、台風などで落下して傷がついて、土壌に直接触れた果実はパツリンの汚染のリスクが高いと
考えられます。

パツリンは消化管の充血や出血、潰瘍を起こすことが知られています。


[いろいろなかび毒 農林水産省HPより]
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/kabi_iroiro.html


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