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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食中毒 その2] (2013.6.28)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食中毒 その2] (2013.6.28)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食中毒 その2] 平成25年6月28日配信 
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前回(6月20日配信)のe-マガジン【読み物版】では、食中毒の予防などについてお届けしました。
今号では、食中毒に関するQ&A及び石井委員の随想をお送りします。

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食中毒に関するQ&A
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Q1 生のお肉を食べてはいけないのはなぜですか?
A1 家畜は、健康な状態において腸管内などに腸管出血性大腸菌などの食中毒菌を持っていることが
知られており、鶏などと同様にカンピロバクターやサルモネラなどを保有している場合もあります。
そのため、生肉は食中毒菌に汚染されている可能性があります。
食中毒を予防するために、お肉やレバーはどの部位でも生で食べないようにしましょう。

Q2 食中毒にならないために、食材をどのくらい加熱すればよいですか?
A2 食材についている腸管出血性大腸菌やサルモネラは、75℃で1分以上、カンピロバクターは65℃
で数分間の加熱で死滅します。加熱調理(中心部を75℃で1分以上)を行えば、菌を死滅させることが
できます。
目安として、お肉は中心部のピンク色(生の肉の色)が変わるまで、しっかり加熱しましょう。

Q3 電子レンジの加熱でも殺菌できるのですか?
A3 電子レンジは、加熱でムラが出来やすいので過信しないようにしましょう。電子レンジで加熱す
る場合は、お肉はピンク色(生の肉の色)の部分がなくなるまで加熱しましょう。
電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気を付け、熱の伝わりにく
い物は、時々かき混ぜることも必要です。食べ物を単に温めるだけでは加熱が不十分で、菌が死滅し
ないことがあるので注意してください。

Q4 まな板やフキンをしっかり洗うようにと言われますが、どのように洗えばよいのですか?
A4 まな板は、使ったらすぐに洗浄剤でしっかり洗い、熱湯(85℃以上)または次亜塩素酸ナトリウム
製剤((台所用液体漂白剤(5%濃度)なら250倍に希釈)で消毒しましょう。
フキンやスポンジは、菌が増殖しやすいので、十分に煮沸消毒をしたり台所用液体漂白剤に漬け置き
の後、乾燥させることを心がけましょう。

Q5 卵は室温で保管しても大丈夫ですか?
A5 鶏卵は冷蔵庫(10℃以下)で保管し、生で食べる場合は新鮮なものに限りましょう。食品衛生法
(食品衛生法に基づく鶏卵の表示基準(厚生省通知(平成10年11月25日第1674号)))においては、生
食用の鶏卵について、卵の包装販売者に対して「10℃以下で保存することが望ましい」旨を表示する
よう義務が課されています。
なお、冷蔵庫のドアポケットの卵入れは、温度変化が大きいことにより卵が結露するなど痛む場合も
あります。庫内の温度変化の少ない場所で購入した時の容器包装に入れたまま保存するようにしまし
ょう。

Q6 腸管出血性大腸菌(O157)は、他の食中毒より重症になりやすいのですか?
A6 腸管出血性大腸菌に感染すると、腸の中で毒力の強いベロ毒素を作り出し、激しい腹痛と大量の
新鮮血を伴う血便などの重篤な症状が発症します 。さらに重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)な
どの合併症を引き起こすのが特徴です。HUSは腸管出血性大腸菌感染者の約10~15%に発症し、HUS
発症者の約1~5%が死亡するとされています。お子さんやお年寄りは、重症化してHUSを発症しやす
いので特に注意が必要です。

※溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome :HUS)
溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を3主徴とする症候群で、腸管出血性大腸菌感染症に引き続い
て発症することが多く見られます。


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2.「食中毒の多い季節になりました」(食品安全委員会 石井委員)
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梅雨に入ると、湿度が高く、適度な温度で細菌が繁殖しやすく、適切に対処しないと食中毒のリスク
が高くなります。日々の生活の中で食中毒のリスクを知り、食品を取り扱いしましょう。

<食中毒の原因>
 食中毒を起こすことで知られる細菌やウイルスは大腸菌、サルモネラ、ノロウイルスなどがありま
す。
これらは、適度な水分、栄養分、温度で増えます。私たちの体に一定以上の量になると食中毒症状を
起こします。食中毒へのかかりやすさは人によって異なります。抵抗力の弱い、幼児、高齢者には特
段の注意が必要です。食中毒予防の大原則は細菌やウイルスを「つけない、増やさない、やっつける」
です。

<加熱で菌は死滅する>
 食中毒を起こす細菌では、カンピロバクターは65℃数分以上で、腸管出血性大腸菌、サルモネラは
75℃1分以上で、ノロウイルスは85℃1分以上の加熱で死滅します。食品を加熱することは、食中毒
予防に大きな力があります。しかし、加熱調理したとしても食中毒が起こっています。加熱する温度
は100℃以上ですが、食品の中心温度はそれほど上がりません。たとえば、加熱できたと判断するピ
ンク色の肉の色が変化する温度は60~70℃です。中心部のピンクの部分がなくなるまで十分に加熱し
ましょう。
特にミンチ肉などのように内部に肉の塊の表面だった部分が混ざっているものは十分に加熱しましょ
う。そのためには、熱が伝わりやすいように厚さを工夫しましょう。なお、食品の加熱だけでなく、
ふきんや調理器具を熱湯消毒すると効果的です。

<調理中のリスク>
 調理中のリスクには、調理する人の手にもあります。人の手には様々な細菌が付着しているので、
調理の前後にはよく手を洗いましょう。また、リスクは調理器具の使い方にもあります。まな板の使
い方での注意点は、肉や魚を切った後にはまな板に細菌などが付くので、その後に野菜などを切ると
きにはまな板や包丁を洗って付着した菌を除くようにしましょう。なお、まな板を分けて使用数工夫
も効果的です。

<保存中のリスク>
 保存中のリスクとして、一度加熱調理した食品でも、常温や冷温での保存中に細菌が増殖する場合
があります。できるだけ温度の低いところで保存し、食べる前に再加熱しましょう。
また、余分な水分で細菌が増殖しやすくなることを防ぐために弁当は熱いままふたをしないようにし
ましょう。

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