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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】インフルエンザその2(2013.1.25)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】インフルエンザその2(2013.1.25)

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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[インフルエンザその2] 平成25年1月25日配信 
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前回(1月16日配信)のe-マガジン【読み物版】では、インフルエンザについてお届けしまし
た。
今号では、鳥インフルエンザに関するQ&A及び佐藤委員長代理の随想をお送りします。

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1. 鳥インフルエンザQ&A
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(Q1)
鳥インフルエンザも、鶏肉や卵からうつりませんか?

(A1)
鳥インフルエンザは鳥の病気で、普通は人にうつることはなく、鶏肉や卵からうつることも
ありません。
日本では、鳥インフルエンザにかかった鶏やウズラは直ちに処分されるため、販売されてい
る鶏肉や卵に鳥インフルエンザウイルスがついていることはありません。
【鳥のウイルスが人にうつらない理由】
ウイルスが動物の細胞に入り込むには、細胞の受け皿(受容体)が必要ですが、鳥と人では受
け皿の形が違います。ですから、鳥インフルエンザウイルスは、普通は人間の細胞には入り
込めません。

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(Q2)
それでも心配な場合はどうすればいいですか?

(A2)
それでも心配な場合には、適切に加熱して食べてください。
上記のように、食品を介して、インフルエンザに感染することはありません。
インフルエンザウイルスは熱に弱く、WHO(世界保健機関)によると、ウイルスは適切な加
熱により死滅するとされています。
鶏などの家きん類に高病原性鳥インフルエンザが集団発生している地域(東南アジア等)では、
鶏肉や鶏卵を含む、家きん類の肉及び家きん類由来製品については、全ての部分が70℃に達
するよう十分に加熱処理することが必要であるとしています。
このことからもわかるように、万が一、食品中にウイルスが存在したとしても、食品を適切
に加熱調理すれば感染の心配はありません。

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(Q3)
「全ての部分が70℃に達するよう十分に加熱処理すること」とはどういうことですか?

(A3)
肉の表面だけでなく、中心(内部)の温度が70℃になるように加熱調理することです。
さらに、インフルエンザウイルスだけでなく、カンピロバクターやサルモネラによる食中毒
を防止するためには、肉の中心の温度が75℃で1分間加熱することが必要です。
なお、加熱による食肉の変化は60℃くらいで始まり、75℃で完全に変わります。
中心まで色が変われば加熱は十分です。

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2.「してはいけないこと、した方が良いこと」(食品安全委員会 佐藤委員長代理)
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成人の日は、東京都内を含む関東南部でも降雪・積雪があり、交通機関が乱れたり歩行者の
転倒など大変な様子でした。成人式を迎えた若人には気の毒でした。翌朝出勤途中で、歩道
の雪を車道に投げ捨てている人がいました。北国ではしてはいけないことです。車道の雪は
クルマがつぶし、融けるように思われますが、温度が下がって凍るとクルマがスリップしま
す。お湯を撒いていた人もいました。一時的には雪が融けますが、濡れたままだとツルツル
に凍り、かえって滑りやすくなります。どうすれば良いのか?歩道脇に積み上げておくしか
ないでしょう。
この冬は、インフルエンザが流行しているようです。厚生労働省のホームページには、
1)流行前のワクチン接種
2)咳エチケット
3)外出後の手洗い等
4)適度な湿度の保持
5)十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
6)人混みや繁華街への外出を控える
と予防の6項目があります。
皆さん方も、何かなさってますか?残念ながらマスクやうがいと手洗いがインフルエンザの
感染予防に全面的に有効だというエビデンス(科学的な証拠)はなかなか見つかりません。マ
スクは罹患者が正しく着用すれば、ウイルスを含む粘液等の飛沫を防げるでしょう。手洗い
は、2009年に新型インフルエンザの流行をおそれて多くの方々が実行しましたが、感染性胃
腸炎等の他の感染症が減少したことが観察されています。うがいも鼻粘膜から侵入するウイ
ルスには効果が期待できないでしょう。
インフルエンザは飛沫感染(咳やくしゃみによってウイルスを含んだ粘液・唾液の飛沫によっ
て感染する)が主な経路と考えられていますが、飛沫粒子はいつまでも空気中に浮遊してい
ることはなく、どこかに付着します。それを触ってしまい、鼻腔や口腔の粘膜につけてしま
えば、感染の可能性はあります。手洗いはその可能性を下げてくれそうです。ただし、正し
い方法で洗わなければいけません(メルマガ前号)。うがいは上気道感染(普通の風邪)には効
果があるという研究結果もあります。マスクはウイルス(を含む微粒子)を吸い込むのを防ぐ
ことは難しいでしょうが、腔内の湿度を保つことはできるでしょう。
十分な休養とバランスのとれた食事で体力・抵抗力をつけ、たとえ間接的な効果しか見つか
っていなくとも、これらの対策でこの冬を乗り切りましょう。

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