━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】平成24年9月号 (食べ物に関する各種情報) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (今号の総文字数:約3,140字)
今月のe-マガジン【読み物版】では食べ物に関する各種情報につい てまとめてみました。 ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
【目次】
1. 食べ物の「ふしぎ」を考えよう
2. 野菜はどこからやってきたの?
3. きちんと栄養をとっていますか?
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1. 食べ物の「ふしぎ」を考えよう ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
食べ物には、ちょっと考えると「あれ?」「なぜだろう?」って思う ことがあります。 そんな身近な「ふしぎ」の理由を、科学の知識で調べてみませんか?
■大根おろしがからいのは、なぜ?
煮ると甘い大根。すりおろすとからくなるのは細胞がこわされて酵 素反応が起こり、アリルイソチオシアネートというからさの成分が 生まれるからです。 この物質は、ワサビやカラシにも含まれています。細胞のこわれぐ あいで、からさは変わるので、いろんなすりおろし方でためしてみ ましょう。
■エビやカニ、生の時は黒っぽいのに…
ゆでると赤くなりますね? これは、からや甲羅の中のアスタキサ ンチンという色素が、熱分解されて変化するからです。 この色素は、生きている時はたんぱく質と結びついて、黒とか青に 近い色、つまり、保護色を作っているのだそうです。マダイがピン ク色なのもエビなどをえさにしてるからだそうです。
■タマネギを切ると涙が出るのは?
それは、タマネギの中の硫化アリルという成分が蒸発して目にし みるからです。タマネギをよく冷やしておくと、その蒸発する量 は減るそうです。でも、この成分には疲れをとったり、食欲を出 してくれる働きがあるから、嫌いにならないでください。
■お肉の色が、時間で変わる理由は?
たとえば、牛肉は、切った直後は黒く、次にあざやかな赤になり、 最後はくすんだ茶色になります。 これは、ミオグロビンという肉特有の色素タンパク質が酸素に反 応して変化するからです。この物質は、筋肉が動くのに必要な酸 素をためておく役割があります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2. 野菜はどこからやってきたの? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私たちが毎日おいしく食べている野菜。 でも、日本原産のもの(日本にもともとあったもの)はウド、フ キ、ミツバ、セリなど、少ししかないそうです。 では、今の野菜はどこで生まれて、いつ頃から日本で食べられて いるのでしょう? 野菜は日本にやって来てからも、いろいろな、品種改良がされて きました。 今、おいしくて安全な野菜が食べられるのは、人々が昔から努力 してきたおかげです。
●けっこう古いレタスの歴史
原産地は、中国、インドから地中海地域。 日本へは中国から伝わり、もう平安時代には「ちしゃ」とよばれ て栽培され、煮て食べられていたそうです。 生で食べる、玉のようになる種類が日本に来たのは明治時代。 でも、味噌汁やおでんの具として、昔のように加熱して食べる地 域は今も多いそうです。
●キャベツはヨーロッパ生まれ。
原産地は、ヨーロッパの地中海や大西洋の沿岸。 現在の玉のようになるキャベツが日本にやってきたのは明治時代 だそうです。 ヨーロッパでは煮て食べますが、日本では生でも食べます。 これは明治の中頃に、銀座の洋食屋さんがカツレツに生のキャベ ツの千切りをそえて人気が出たからなんだそうです。
●うわさで人気が出たタマネギ。
原産地は中央アジアで、16世紀ヨーロッパ全体に広まり、日本へ は明治時代にアメリカからやってきたそうです。 最初は人気がなかったけれど、その後、コレラに効く(?!)という うわさがたったことから食べられるようになり、そのおいしさが みんなに広まったそうです。
●嫌われていたキュウリ。
原産地は、ヒマラヤ山ろくあたり。 6世紀ごろに中国から日本にやって来ましたが、栽培されるよう になったのは17世紀ごろ。 ただ、昔はかなり苦かったようで、江戸時代の学者は「おいしく ないし、少し毒もある」と書いています(※)。 明治時代以降に品種改良が進んでおいしくなりました。
※貝原益軒「菜譜」(かいばらえきけん「さいふ」)より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3. きちんと栄養をとっていますか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
健康な体をつくるには、栄養をバランスよくとることが大切。 これはみなさん知っていますよね。最近は、子どもでもサプリメ ント(注)などで栄養をとっている人もいるようです。 でも栄養はきちんと食事でとることが基本です。その訳を考えて みましょう。
(注)ここでは、健康食品の中でカプセルや錠剤、粉末などになっ ているものを指しています。
◆栄養は1日3度の食事でちゃんととれます
国がおこなっている栄養調査では、今の子どもたちに栄養不足は あまり見られないことがわかっています。 毎日3度の食事を、きちんととり、足りない場合は、おなかにた まりすぎないくらいのおやつを食べれば、特別なサプリメン卜を とらなくても栄養をとることができます。
◆いろいろなものを幅広く食べましょう
食べられないものがひとつあるからといって、すぐに栄養が不足 するわけではありません。 いろいろな食品を幅広く食べて、栄養をとることが大切です。 栄養不足が心配なら栄養士さんやお医者さんに相談してみてくだ さい。
◆サプリメントで注意したいこと
サプリメン卜には特定の成分が多量に入っていることが多いので、 たとえおとなであっても、とりすぎにならないよう注意が必要で、 子どもであればなおさらです。 体に必要な栄養成分でも多くとりすぎれば、有害になることがあ るので気をつけてください。
◆栄養のバランスがとれた食事を
栄養をきちんととるには、1日に、何をどれだけ食べるのがいい か、知ることもだいじです。 それを表しているのが「食事バランスガイド」。 国が作った、じようずな食事のとり方の目安です。 一度、きちんと調べてみましょう。
農林水産省HP(食のバランスガイド) http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html
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