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食品安全委員会e-マガジン 【読み物版】


食品安全委員会e-マガジン 【読み物版】


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 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】平成24年6月号
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 (今号の総文字数:約3,559字)

梅雨に入り、じめじめした日が続いています。梅雨の時期は、食中
毒が発生しやすくなります。
今月のe-マガジン【読み物版】では夏の食中毒の予防に関するもの
を集めてみました。

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【 目 次 】

1. 夏の食中毒 3つの決まりで防ごう

2. 食中毒は手洗いと二次汚染対策が重要

3. 委員随想(廣瀬委員)「リスコミ後のアンケートについて」

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1. 夏の食中毒 3つの決まりで防ごう
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6月から9月の夏場は食中毒が多い季節です。それは、その原因の
多くがカンピロバクターやサルモネラといった細菌によるもので、
これらは暑い季節にいちばん増えやすいからです。時には命にも
かかわるこわい食中毒を防ぐために、これからの季節は特に「3
つのだいじな決まり(食中毒予防の三原則)」を守りましょう。

食中毒の月別発生件数
 1月 □□□□□□□□□      87
 2月 □□□□□□□        70
 3月 □□□□□          53
 4月 □□□□□□         59
 5月 □□□□□□□□□□     96
 6月 □□□□□□□□□□□    111
 7月 □□□□□□□□□      90
 8月 □□□□□□□□□□     96
 9月 □□□□□□□□□□□□□□ 139 
10月 □□□□□□□□□□     100
11月 □□□□□□          60
12月 □□□□□□□□□□     101
              (□=約10件)

(厚生労働省「平成23年食中毒発生状況」より

 ばい菌が増えやすいのは30℃~35℃の温度。
 だから夏は食中毒に気を付けましょう。

★決まり1 ばい菌をつけない

 ・手や、洗える食べ物は、しっかり洗いましょう。
 ・肉や魚の保存はしっかり包んで、他の食べ物とくっつけない。

★決まり2 ばい菌を増やさない

 ・生ものや、料理は早く食べましょう。
 ・保存するときは冷蔵庫、冷凍庫にすぐしまいましょう。

★決まり3 加熱してばい菌をやっつけましょう

 ・料理するときは、しっかり加熱しましょう。
 ・食器や調理器具も熱湯などで消毒しましょう。

http://www.fsc.go.jp/sonota/kids-box/kids7.pdf


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2. 食中毒予防は手洗いと二次汚染対策が重要
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★なぜ手洗いは大切?

 食中毒を予防するポイントの中には手を洗う、清潔な調理器具を
使う、という項目があります。何故手を洗うことがそんなに大切な
のでしょうか。
また、調理器具はそんなに不衛生なのでしょうか。
さらに、二次汚染に注意ということも書かれています。
 そこで、いったい手にはどのぐらい細菌がついているのか調べて
みました。 

★手には多くの細菌が

 まず、近所のスーパーマーケットで鶏もも肉の塊を買ってきて、
手で押さえながらまな板で切りました。その手を寒天培地に軽く
押し付けて、どのぐらい細菌がついているか見ることにしました。
24時間培養後の寒天培地では、白く見えるものは一般生菌ですが、
指の形がくっきりとついています。これらが全部、食中毒原因菌
とは限りませんが、そうでないとはいいきれません。
 このような手で、サラダ等の生ものを切ったり、盛りつけた料
理を触ったりすると、二次汚染につながる可能性があります。
石けんで手を洗うとかなりきれいになりました。
手の洗い方は石けんを泡立てて洗い、よくすすぎます。
給食施設ではさらに逆性石けん(殺菌剤として利用される界面活
性剤)に手を浸します。
こうするとまったく細菌はみられません。

★調理器具やスポンジにも注意を

 鶏肉を切ったまな板の方はどうでしょうか?
一般生菌を見るとかなりついています。
このまな板でサラダやおひたしのために茹でた野菜を切ってはいけ
ません。
 このまな板を台所にあるスポンジと流水で洗ってみました。この
スポンジを寒天培地につけてみると、スポンジには相当細菌がつい
ていることがわかりました。
中性洗剤をつけて流水で洗っても、このスポンジではやはりだめで
す。
 スポンジは湿った状態で流しに放置されがちですから、細菌には
好都合といえます。このスポンジで食器を洗うのは菌をつけている
ようなものです。

★二次汚染対策には熱湯消毒
 まな板にやかん一杯の熱湯をかけましたら、細菌はいなくなりま
した。(まな板30×30cmに熱湯1.5L)
これを室温で乾燥させてから再度細菌を調べましたが、変りありま
せんでした。
 このように、手やまな板、スポンジなどは注意しないと細菌によ
る汚染を増やす可能性があります。
調理に際しては、手を洗う、調理器具を清潔に保つことに気をつけ
ましょう。
 また、厚生労働省は大量調理施設衛生管理マニュアルを発表して
います。その中で、まな板(木製は極力使用を控える)等については、
スポンジに中性洗剤などをつけてよく洗浄したのち、水で洗い、80℃
5分間以上またはこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行い、乾
燥させることが記載されています。実際にはプラスチック製のまな
板を次亜塩素酸ソーダ水溶液に浸して殺菌しています。

http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/23gou/23gou_7.pdf

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3. 委員随想(リスコミ後のアンケートについて)
 食品安全委員会委員 廣瀬雅雄
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 リスコミは我々の行っているリスク評価を理解していただく上で、
リスク評価とともに重要な責務である。今まで大規模な意見交換会、
サイエンスカフェ、食品安全モニター会議、ジュニア食品安全委員
会等での講演を通じて様々なリスコミに携わってきた。各種会議後、
参加者の皆様にはアンケート用紙に記入していただくが、いただい
たご意見は質問内容とともに、講演内容を向上させる上でとても役
に立っている。
 理解度で「理解出来なかった」という回答があると、次の機会に
は資料のどこをどのように直したら理解されやすくなるのか悩むし、
説明に専門用語が多かったという意見があれば、なるべく分かり易
い言葉を使って説明しようとするのだが、所詮長い間研究畑を歩ん
できたので、とっさの場合にはどうしても専門用語が出てしまい、
反省する事がしばしばある。「参考にならなかった」という意見に
対する理由として、「既に知っている内容がほとんどだったから」
と「内容が理解出来なかったから」の相反した2通りの意見がある
が、この点に関しては、参加者の中にはリスク評価を理解されてい
る方だけでなく、初心者の方もいらっしゃるので、ある程度は仕方
が無いかと思っている。出来れば、参加者がまだ知識に乏しい内容
の話を、できるだけ理解しやすいように話すべきなのだろうが、な
かなか難しい問題である。私自身は6月末をもって退職するが、今
後も忌俸の無いご意見をお寄せいただきたい。

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