【読み物版】 [牛海綿状脳症 (BSE) 国内対策の見直しに係る食品健康影響評価 (健康と畜牛のBSE検査の廃止) について その2] 平成28年10月28日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
 [牛海綿状脳症 (BSE) 国内対策の見直しに係る食品健康影響評価 (健康と畜牛のBSE検査の廃止) について その2] 平成28年10月28日配信
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今号では、牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直しに係る食品健康影響評価 (健康と畜牛のBSE検査の廃止) の「評価結果」及び「今後の予定」をお送りします。

 

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4. 評価結果
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食品安全委員会では、2013年5月にもBSEに関する評価を行い、飼料規制等のBSE対策が継続されているなかでは、今後、「定型BSEが発生する可能性は極めて低い」としました※。その後、BSEの発生が確認されていない状況を踏まえると、この評価は妥当と考えました。
 (※URL : https://www.fsc.go.jp/sonota/bse/bse_hyoka_1305.pdf)
また、非定型BSE【*5】について、以下の知見が得られています。
● 疫学的に非定型BSEと人のプリオン病との関連を示唆する報告はない。
● 非定型BSEの発生頻度は極めて低い。
● 非定型BSEのうち、H型については、動物実験では人への感染の可能性は確認できない。L型については、SRM以外の組織の感染性は極めて低い。
以上に基づいて、食品安全委員会は、2013年5月評価書における評価のとおり、国内での牛群のBSE感染状況、輸入規制、飼料規制、食肉処理工程でのリスク低減措置が実効性をもって継続されている
ことに加え、牛と人との種間バリア【*6】の存在を踏まえると、SRM以外の牛肉等を食べることで、人がBSEプリオンによるvCJDを含むプリオン病を発症する可能性は極めて低い、と考えました。
こうしたことから、現在と畜場で行われている、食用にと畜される48か月齢超の健康牛のBSE検査を継続した場合と廃止した場合のリスクの差は非常に小さく、人への健康影響は無視できる、と判断しました。
さらに、評価に際し、
 (1)  家畜へのBSEの感染を防ぐには飼料規制が極めて重要であることから、飼料規制の実効性が維持されていることが確認できるよう、高リスク牛(死亡牛など)を対象としたBSE検査を今後も引き続き行い、BSEの発生状況を確認することが必要
 (2)  引き続き、全てのと畜牛に対し、と畜前の生体検査が適切に行われること、24か月齢以上の牛のうち、生体検査で神経症状が疑われた牛等についてはBSE検査を行うことが必要
(3)  今後、特に非定型BSEに関する最新の知見についても引き続き収集する必要があるとしました。

 

【*5】非定型BSE
従来型の「定型BSE」に対し、「定型BSE」とは異なる異常プリオンたん白質が原因となっているBSEを「非定型BSE」と呼ぶ。H型やL型が知られている。非定型BSEは、肉骨粉【*7】などの飼料を介した感染によらず、高齢牛で孤発的 (自然発生的) に発生することが示唆されている。

【*6】種間バリア
病原体が動物の種を超えて伝達される際の障壁のこと。BSEプリオンに対しては、人は牛に比べて感染し難い。

【*7】肉骨粉
牛や豚などの食用とならない部分をレンダリング(化製処理)した後、乾燥粉砕して作った粉末状のもの。BSEが牛の間にまん延した原因は、BSE感染牛を原料とした肉骨粉などを飼料として使用したことにあると考えられているため、現在、国内では、牛などの反すう動物を原料とした肉骨粉は養魚用を除き、家畜用飼料への使用が禁止 (飼料規制) されている。

 

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5. 今後の予定
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今回の評価結果を受け、厚生労働省では今後、と畜場でのBSE検査の見直しについて検討する予定です (2016年9月現在) 。 
なお、厚生労働省は、「24か月齢以上の牛のうち、 1. 生体検査において、運動障害、知覚障害、反射異常または意識障害等の神経症状が疑われたもの、 2. 全身症状を呈するもの」を対象とする検査は継続するとしています。


≪参考≫
・食品安全委員会;「BSEに関する情報」 
https://www.fsc.go.jp/senmon/prion/bse_information.html
・政府広報オンライン(内閣府大臣官房政府広報室);新たなBSE対策がスタート「牛肉の安全はど
う守られているの?」
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/2.html別ウインドウで開きます(外部サイト)

 

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