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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品中のヒ素 その2] (2014.6.27)


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品中のヒ素 その2] (2014.6.27)

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品中のヒ素 その2]
平成26年6月27日配信 
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前回(6月19日配信)のe-マガジン【読み物版】では、食品中のヒ素に関する基本的な情報をお届けしました。
今号では、食品中のヒ素に関するQ&Aと、食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会の圓藤座長の随想をお送りします。
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1.食品中のヒ素に関するQ&A
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Q1 どんな食品から私たちはヒ素をとっているのでしょうか?
A1 ヒ素は様々な食品に含まれています。
厚生労働省の厚生労働科学研究で、日本人がどの食品群から1 日に平均どのくらいのヒ素をとっているか調べています。この調査では、様々な食品群から少しずつヒ素をとっているものの、主に魚介類、野菜・海藻類、米からとっていると推定されています。

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Q2 食べても大丈夫ですか?
A2 食品中のヒ素に関して、通常の食生活での摂取で健康に悪影響が生じたことを明確に示すデータは現在のところありません。
海産物や米を食べることも含めて、バランスのよい食生活を送っていただければ問題はないと考えます。 
バランスのよい食生活については、農林水産省のホームページ、「望ましい食生活の実現に向けて~食生活指針と「食事バランスガイド」~」をご参照ください。
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/nozomasiisyokuseikatu.html 

なお、水道水については、日本では水道法により、ヒ素の水質基準値が0.01mg/Lに定められ、安全が確保されています。

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Q3 ヒジキにはヒ素が多いそうですが、食べないほうがいいですか?
A3 ヒジキには、無機ヒ素が他の食品に比べ高濃度で含まれていることが文献などで報告されています。これは、海水中に存在するヒ素をヒジキが取り込んだものと考えられます。
ヒジキは我が国の伝統的食材として古くから食べてきています。これまでに、通常の摂取の範囲で、ヒジキを食べてヒ素中毒を起こすなど健康に悪影響が生じたとの報告はありません。
ヒジキの調理方法は通常、水戻しをしますが、乾燥ヒジキを60分間水戻しすると、芽ヒジキで75~95%、長ヒジキで55~90%のヒ素が除去され、特に水温が高いほどより多く除去されることが報告されています。

このように水戻しをするなどの通常の方法で調理されたヒジキを適度に食べる場合は、ヒジキに含まれるヒ素についても心配することはないと考えられます。
なお、乾燥ひじきを直接炊き込みご飯に入れるなど水戻ししないでの調理はお勧めできません。
ヒジキなどの海藻類は、ミネラルに富む食品です。極端に多く摂取するのではなく、他の食品とともにバランスよく食べて、健康の維持に努めることが重要と考えています。

食品安全委員会ホームページ 食品中のヒ素の評価結果・Q&A
http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya2009031900k

ヒジキに含有されている無機ヒ素について
http://www.fsc.go.jp/fsciis/questionAndAnswer/show/mob07009000005

ヒジキを製造・加工する事業者の皆様へ(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/pdf/as_panfu.pdf

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2.「専門調査会委員の随想」(化学物質・汚染物質専門調査会座長 圓藤吟史)
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化学物質・汚染物質専門調査会では、食品中の微量の化学物質及び汚染物質がヒトの健康に与える影響を評価しています。調査会の中には、化学物質部会、汚染物質部会、清涼飲料水部会の3つの部会があります。化学物質部会では、食品の製造や調理の過程で生成される化学物質が審議対象であり、現在、「加熱時に生じるアクリルアミド」について審議しているところです。汚染物質部会では、自然界中に存在し、環境中から食品に取り込まれる汚染物質が審議対象であり、これまでにメチル水銀、カドミウム、ヒ素について審議を行いました。また、清涼飲料水部会は、清涼飲料水及び水道水に含まれる化学物質・汚染物質について審議しています。

これらの物質は、自然界に広く存在しているものが多く、食品にも微量ではありますが混入している物質です。専門調査会では、ヒトがこれらの物質を食品から摂取した場合の健康影響を、実験動物を用いた試験結果や疫学データなどの最新の国内外の知見に基づいて評価していますが、日本におけるデータを用いて、どのくらいの量が体の中に入った場合に健康への悪影響が生じるかを評価するにはデータが不足しています。
最近評価を行ったヒ素を例にとりますと、海外で飲料水に無機ヒ素が含まれている地域の住民のデータを用いて評価を行いましたが、調査地域と日本では生活環境が大きく異なることや、評価に必要な知見が不足しているなどの問題がありました。審議する物質によって課題は様々ですが、それぞれの分野の専門家の先生方のご尽力をいただきながら、科学的な食品健康影響評価に取り組んでいきます。

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