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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品添加物その2]


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品添加物その2]

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 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[食品添加物その2]平成24年12月13日配信
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前月のe-マガジン【読み物版】(平成24年11月30日配信)では、食品添加物って「何だか、体に悪
い感じ?」なんて思っている方にも、食品添加物について、よく知っていただくために、食品添加物
とは?をお送りしましたが、今号では食品添加物のQ&Aと食品安全委員会添加物専門調査会今井田
座長の随想をお送りします。

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食品添加物のQ&A
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【問1】無添加のほうが良いと思いますが、なぜ、添加物を使うのでしょうか?
【答1】食品添加物には、
[1]保存料
[2]甘味料
[3]防かび剤
などさまざまな種類があります。

例えば、食品の変質や腐敗を防ぐために保存料などが使われています。
また、食品に甘みをつけるための甘味料やかびを防ぐための防かび剤など食品の加工で大切な
役割を果たしています。

無添加と表示した食品も見られますが、保存料の代わりに別の食品素材を使用したり、合成添
加物の代わりに天然由来の添加物を使用するといった商品もあるようです。

「合成添加物無添加」などと表示されたものの方が安全性が高いということでは必ずしもあり
ませんし、添加物の役割を理解することも大切です。
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【問2】添加物の入っている食品を食べ続けると、がんになるって本当でしょうか?
【答2】食品添加物は、食品とともに食べるものですから、安全性が十分確認されていることが必要
です。

そのため、新しい食品添加物の使用を認める際には、食品安全委員会がリスク評価を行い、
発がん性試験を含む多くの試験結果を踏まえて「人間が一生涯毎日食べ続けても大丈夫な量」
を設定しています。

これをもとに、厚生労働者が使用できる食品や使用量を定め、安全性を確保しています。
また、古くから使用が認められているものについても、最新の科学的知見に基づき、必要に
応じて、安全性を確認しています。
したがって、ご心配をなさらなくても良いものと考えます。
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【問3】天然由来の添加物は安全なのでしょうか?
【答3】天然由来の添加物は、長年にわたり食経験があるという理由から、以前は特に規制されてい
ませんでした。

しかし、1995年に食品衛生法が改正され、食品添加物は合成品、天然由来のものを問わず、
原則としてすべて食品衛生法で規制されることになりました。

このため、新しい天然由来のものが添加物として使用を認められるには、合成添加物と同様
に、試験結果を踏まえて安全性の確認を行うことが必要になりました。

また、改正時点で既に使用されていたものについては、その範囲を明確にした上で、引き続
き、使用は認められるものの、新しい知見をもとに、安全性を確認していくこととなりまし
た。

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「専門調査会委員の随想」(添加物専門調査会座長今井田克己)[香川大学医学部腫瘍病理学]
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平成15年食品安全委員会の発足と同時に、添加物専門調査会が始まりました。
私は当初から委員として参加してきましたが、平成21年10月に当専門調査会の座長を拝命し、その
使命と責任を痛感しているところです。
添加物専門調査会では、幅広い分野のものを扱っています。グローバル化の進んだ現在ですが、添加
物の健康影響に関してのリスク評価は、日本のガイドラインのもとで科学的評価に基づいて行なって
います。国際的な評価機関であるJECFA、EFSAなどでの評価があるものはもちろん参考にした上で
のことです。リスク評価では、動物試験などによるデータの他、その評価対象物のヒトへの曝露量・
摂取量を重要なデータとして評価していますので、日本人のデータに基づいた評価が重要になってき
ます。
いわゆる国際汎用添加物に関しては、評価期間の短縮化に向けた努力がなされていますが、当専門調
査会の行なっているリスク評価は、粛々と評価を行うことが重要と考えています。もちろん、可能な
ことに関しては評価期間の短縮化ができるように努力することは当然のことです。
添加物のリスク評価に当たり、評価資料の乏しいものもあり、乏しい資料や古い資料を評価対象にせ
ざるを得ない場合もあります。この点は他の専門調査会とは異なった点ではないかと思います。他の
専門調査会とも整合性のとれるものは、できるだけ対応するなど、食品安全委員会の中での対応も必
要であると思っています。
今後も、日本人の食の安心・安全に貢献できるよう添加物のリスク評価を行なって行きたいと思いま
す。

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お知らせ
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食品安全委員会e-マガジン【読み物版】につきましては、今号をもって、本年(24年)最後のお届け
になります。

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