薬剤耐性菌の食品健康影響評価に関する情報

食品安全委員会では、家畜や水産動物への抗菌剤の使用により選択される「薬剤耐性菌」について、食品を介してヒトに伝播し健康に影響を及ぼす可能性について、科学的な知見に基づいたリスク評価を行っています。

薬剤耐性菌とは

 病原細菌に感染した患者の治療に抗菌剤が使われます。抗菌剤は、菌の分裂を止めてしまう、菌のタンパク質合成や遺伝子の複製を阻害するなど、様々な作用で菌に働きます。これに対して、細菌も抗菌剤を分解する酵素を出したり、抗菌剤の作用部位を変化させて結合できなくするなどして抵抗(耐性化)します。このような耐性化により、抗菌剤の効きが悪いまたは効かなくなった細菌を、薬剤耐性菌といいます。
 抗菌剤の使用により、抗菌剤に耐性化していない感受性の細菌が死滅する一方で、薬剤耐性菌が選択的に生き残り、増えることがあります。薬剤耐性には様々なメカニズムが存在しますが、薬剤の使用による選択圧は薬剤耐性の最大の誘導因子の一つです。不要な投薬を長期間続ける等の不適切な抗菌剤の使用は、薬剤耐性菌の問題を顕在化させます

薬剤耐性菌と食品

 抗菌剤は人だけでなく、動物の治療や、飼料中の栄養成分の有効利用のためにも使われています。
 食品安全委員会では、家畜や水産動物への抗菌剤の使用によって選択される薬剤耐性菌について、畜水産物等の食品を介して、人に対する健康への悪影響が発生する可能性とその程度を、科学的に評価しています。
 なお、薬剤耐性菌も細菌の一種です。食肉については、十分に加熱して食べることが食中毒対策としても大切です。

抗菌性物質の使用と薬剤耐性菌 [PDF:267KB]

薬剤耐性菌の食品健康影響評価

 薬剤耐性菌の食品健康影響評価では、家畜への抗菌剤の使用状況、家畜由来の細菌での薬剤耐性菌の発生状況など(発生評価)、家畜や水産物がどのくらい薬剤耐性菌に汚染されているかなど(暴露評価)、抗菌剤の人医療での重要性や代替薬の有無など(影響評価)について、科学的なデータを用いて検証し、総合的にリスクの程度を推定します。

薬剤耐性行動計画2016-2020を決定しました

 食品安全委員会は、薬剤耐性菌に関するリスク評価の一層の推進や向上に向けて、2020年度までに実施する取組をまとめた行動計画を決定しました(平成29年3月28日)。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに係る食品安全委員会行動計画2016-2020 [PDF:389KB]別ウインドウで開きます
薬剤耐性行動計画2016-2020の概要 [PDF:636KB]別ウインドウで開きます

これまでに評価した抗菌剤

 食品安全委員会では、これまでに、以下の抗菌剤についてリスク評価を行い、農林水産省に通知しています。
 農林水産省では、各抗菌剤のリスクの程度に応じて、使用対象動物、使用量、使用時期等に関する基準を設定し、責任ある・慎重使用を進めています。また、全国的なモニタリングにより、耐性率の推移について調査を行っています。

これまでに評価を行った動物用抗菌剤
- フルオロキノロン剤(牛及び豚用、鶏用) - モネンシシンナトリウム
- ツラスロマイシン製剤(豚用) - ノシヘプタイド
- ピルリマイシン製剤(牛用) - センデュラマイシンナトリウム
- ガミスロマイシン製剤(牛用) - ラサロシドナトリウム
- セフチオフル製剤(牛及び豚用) - サリノマイシンナトリウム
- ツラスロマイシン製剤(牛用) - ナラシン
- フロルフェニコール製剤(牛及び豚用) - フラボフォスフォリポール
- 硫酸セフキノム製剤(牛及び豚用) - アビラマイシン
    - エンラマイシン
    - バージニアマイシン
    - 硫酸コリスチン

・薬剤耐性菌に関する評価書はこちら

用語集

関連情報へのリンク

<食品安全委員会>

(家畜や水産動物に使用される抗菌剤の食品健康影響評価をしています。)

薬剤耐性菌に関するワーキンググループ
薬剤耐性菌に関する研究・調査

<農林水産省>

(動物用医薬品や飼料添加物の適正使用を進めています。)

家畜に使用する抗菌性物質について(外部サイト)別ウインドウで開きます(外部サイト)
家畜における薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)(外部サイト)別ウインドウで開きます(外部サイト)

<農林水産省動物用医薬品検査所>

(動物用医薬品の審査や、家畜分野における薬剤耐性菌のモニタリングをしています。)

薬剤耐性菌への対応(外部サイト)別ウインドウで開きます(外部サイト)

<独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(FAMIC)>

(飼料添加物の検査や、家畜分野における適正使用の指導等を行っています。)

薬剤耐性菌関係(外部サイト)別ウインドウで開きます(外部サイト)

<厚生労働省>

(人医療現場における適正使用の推進、医療分野における薬剤耐性菌のモニタリング等を行っています。)

薬剤耐性(AMR)対策について(外部サイト)別ウインドウで開きます(外部サイト)
院内感染対策サーベイランス(JANIS)(外部サイト)別ウインドウで開きます(外部サイト)

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