【読み物版】生活の中の食品安全  -ボツリヌス症について- その2 ◆Q&A◆ 平成31年1月25日配信

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
[生活の中の食品安全 −ボツリヌス症について− その2 (Q&A)]
平成31年1月25日 配信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前号のe-マガジン【読み物版】(平成31年1月11日 配信)では、ボツリヌス症に関する基本的な情報をお伝えしました。今号は、Q&Aをお送りします。

******************************************************************************************
Q1 食品によるボツリヌス症ではどんな症状が出ますか?
Q2 原因となる食品はどんなものですか?
Q3 予防のために気を付けるポイントは?
******************************************************************************************

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Q1 食品によるボツリヌス症ではどんな症状が出ますか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
A1 食品との関連が深い主なボツリヌス症は、「乳児ボツリヌス症」と「ボツリヌス食中毒(食餌性ボツリヌス症)」です。
「乳児ボツリヌス症」の潜伏期間は、明確になっていませんが、3〜30日間と推定されています。便秘で気づくことが多く(多くは3日以上持続)、脱力状態になる、ほ乳力が低下する、泣き声が小さくなる等の症状が出ます。脳神経まひによる眼けん下垂、首や体幹部・上下肢等のまひや筋肉の緊張の低下等が進み、横隔膜にまひが及ぶと人工呼吸器が必要となります。2017年2月の症例では、離乳食として市販のジュースにハチミツを混ぜたものを飲んでいた生後5か月の乳児が発症し死亡しています。
「ボツリヌス食中毒」では、一般に8〜36時間の潜伏期間の後、初期症状として、悪心、おう吐及び下痢等の消化器症状が現れます。次いで、特有の神経まひ症状がみられるようになります。多くは、めまい・頭痛を伴う全身の違和感や、視力低下・かすみ目等の眼症状で、これらと前後して口が渇く、飲み込みにくい等の咽喉部のまひが認められます。更に病状が進行すると、腹部の膨満・便秘・尿閉(※1)・著しい脱力感・四肢のまひ等がみられるようになり、重症の場合は呼吸困難に陥って死に至ることがあります。

(※1)尿閉:膀胱に尿がたまっているのに排尿できないことです。

【治療法】
「乳児ボツリヌス症」に対する治療は対症療法です。呼吸管理等に伴う合併症がなければ予後は良好とされていますが、腸内で菌が増殖するため、回復後も数か月間は便とともに菌が排出されます。
「ボツリヌス食中毒」に対しては、抗毒素療法と対症療法を行います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Q2 原因となる食品はどんなものですか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
A2 種々の食品が原因となる可能性がありますが、「乳児ボツリヌス症」では、ハチミツが主な原因食品としてあげられます。その他に、自家製野菜スープが原因と推定された事例や、井戸水が感染源と推定された事例も報告されています。
「ボツリヌス食中毒」の場合は、缶詰、真空包装された食品、自家製の瓶詰、魚の発酵食品等で食中毒が発生した事例があります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Q3 予防のために気を付けるポイントは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
A3 ボツリヌス菌は土壌などに広く分布していることから、食品原材料そのものの汚染を完全に防止することは困難です。したがって、予防には、菌の性質を知って、食品中での発芽・増殖を抑制することが重要です。ボツリヌス菌は、3℃未満又は水分活性(※2)0.94未満、又、高い酸性(<pH4.6)の環境では増殖や毒素の産生ができません。
「乳児ボツリヌス症」の予防策は、1歳未満の乳児には、ボツリヌス菌に汚染されるおそれのあるハチミツやハチミツ入りの食品等を与えないことです。なお、1歳以上の方にとっては、ハチミツはリスクの高い食品ではありません。
「ボツリヌス食中毒」の予防策は、野菜・果物等の原材料を十分に洗浄すること、冷蔵や冷凍で保存すること、発酵食品(保存食)や自家製瓶詰ではpHの調整を行うこと等です。ボツリヌス菌の芽胞には熱に非常に強いタイプがあり、加熱では死滅しないこともありますが、産生する毒素は熱にそれほど強くありません。そのため、食べる前の十分な加熱は、ボツリヌス食中毒の予防に有効です(※3)。また、缶詰や瓶詰、真空パック等では、膨らんでいたり異臭がしたりするものは食べないようにすることも重要です。

(※2)水分活性(Aw):微生物が利用できる水が、食品中にどのくらい入っているかの目安となる数値です。0〜1で表され、水は1となります。
(※3)80℃で20分間、又は100℃で1〜2分間の加熱で不活化されます。

≪参考≫
・食品安全委員会「ファクトシート ボツリヌス症」(2018年2月13日更新)
http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_10botulism.pdf別ウインドウで開きます
・厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html別ウインドウで開きます(外部サイト)

※食品安全委員会では、タイムリーな情報をFacebookやブログで配信しております。ぜひご覧ください。
http://www.fsc.go.jp/sonota/sns/facebook.html
http://www.fsc.go.jp/official_blog.html
====================================================================================
※このメールはシステムが自動発行しておりますので、返信メールは受け付けておりません。
■食品安全委員会e-マガジンバックナンバー
http://www.fsc.go.jp/mailmagazine_back_number.html
■配信登録はこちら
[ウイークリー版+読物版]
https://nmg.cao.go.jp/cao013/subscribe.php別ウインドウで開きます(外部サイト)
[読物版]
https://nmg.cao.go.jp/cao014/subscribe.php別ウインドウで開きます(外部サイト)
[新着メール]
https://www.fsc.go.jp/newsreader/create
■配信解除はこちら
[ウイークリー版+読物版]
https://nmg.cao.go.jp/cao013/unsubscribe.php別ウインドウで開きます(外部サイト)
[読物版]
https://nmg.cao.go.jp/cao014/unsubscribe.php別ウインドウで開きます(外部サイト)
[新着メール]
https://www.fsc.go.jp/newsreader/cancel
===================================================================================
[食品安全委員会e-マガジン]
編集:食品安全委員会e-マガジン編集会議
発行:内閣府食品安全委員会事務局情報・勧告広報課
〒107-6122 東京都港区赤坂5-2-20
赤坂パークビル22階

〒107-6122 東京都港区赤坂 5-2-20 赤坂パークビル22階
TEL 03-6234-1166 FAX 03-3584-7390
Akasaka Park Bld. 22nd F, Akasaka 5-2-20, Minato-ku, Tokyo 107-6122, JAPAN
Phone: +81-3-6234-1166 Fax: +81-3-3584-7390

内閣府法人番号 (Japan Corporate Number) 2000012010019

食品安全委員会事務所所在地図(別ウインドウで開きます)