【読み物版】 [生活の中の食品安全 −ペットボトル、飲み残しに気をつけよう− その1] 平成29年5月12日配信

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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
 [生活の中の食品安全 −ペットボトル、飲み残しに気をつけよう− その1] 
平成29年5月12日配信
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今月のe-マガジン【読み物版】は、ペットボトル飲料についてお送りします。
ペットボトル飲料は、キャップを開閉することができ、持ち運びが容易です。コンビニや自動販売機などで、手軽に購入することができるので、これから暑くなる季節、水分補給に利用される方が多いと思います。しかし、その利用方法には注意が必要です。
そこで、今月号では、ペットボトル飲料を利用する際、なぜ注意する必要があるのか、また、どのような点に注意して利用すれば良いのか、ご紹介いたします。

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1.ペットボトル飲料、開封したらどうなるの?
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ペットボトル飲料は、キャップの開閉が可能なので、持ち運びが容易です。屋外で活動する時に携行すると、水分補給に便利なものです。
しかし、一度開封したペットボトル飲料は、その中で細菌などの微生物が増殖することが知られています。たとえ、見た目やにおいなどの変化がなくても、細菌は増殖しているのです。

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2.どうして細菌が増殖するの?
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人間の口の中には、多くの細菌がいます。そのため、口を付けてペットボトル飲料を飲んだ場合、口内細菌が飲料中に入って増殖するのです。ペットボトル飲料中の一般細菌の計測を行った試験では、緑茶飲料で開封・口付け後2時間常温保存したところ、細菌数が計数不能まで増えたというデータもあります。また、空気中にも浮遊している細菌などがいるので、口をつけなくても、一度開封すると、空気中の細菌などがペットボトルに入って増殖することもわかっています。

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3.ペットボトル飲料の事故
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開封したペットボトル飲料では、細菌だけでなくカビや酵母が繁殖する場合もあります。微生物(特に酵母)が飲料中で繁殖して発酵によりガス(二酸化炭素)が発生すると、ペットボトルの内圧が上昇し、ペットボトルが膨張・破裂することがあります。口をつけて飲んだ後、室温でキャップを閉めた状態で放置したペットボトルでも、口から混入した微生物(特に酵母)の増殖で発生する二酸化炭素の影響で同様の事象がみとめられています。飲み残しのペットボトルの破裂による事故で、骨折や眼の損傷などの重いけがにつながった事例も報告されています。

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4.温度や飲料の種類による細菌の繁殖の違い
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ペットボトル飲料を開封し、口を付けた後の細菌数の変化を追った論文を幾つか見てみると、冷蔵保存したものは、常温で保存したものより、ペットボトル飲料中の細菌数が少ないことで一致しています。ただ、冷蔵保存したものも、細菌数が少ないだけであり、細菌が増殖しないわけではありません。
飲料の種類別では、糖分の多いペットボトル飲料は、細菌がその糖分を栄養として増殖しやすいという試験結果があります。また、酸性に強い細菌もいるので、酸性飲料だから大丈夫とは言えません。
さらに、お茶に関しては、カテキンの殺菌効果を期待して試験を行った様々な結果がありますが、実生活では、いろいろな条件が考えられるので、試験結果をうのみにしないでください。

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5.おわりに
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今回ご紹介したいずれの論文においても、研究者は、飲み残しのペットボトル飲料を保存し、再飲用することは望ましくない、と結論づけています。ペットボトル飲料は、できるだけ一度で飲み切るのが望ましく、もし何度かに分けて飲む場合は、口をつけずにコップに注いで飲むようにしてください。


≪参考≫
・食品安全委員会;キッズボックス総集編「ペットボトル、飲み残しに気をつけよう!」
https://www.fsc.go.jp/visual/kikanshi/k_index_back_number_kidsbox.html
・食品安全委員会;「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A IV-21ペットボトル
https://www.fsc.go.jp/dial/dialqa201704.html
・独立行政法人 国民生活センター;「飲み残し清涼飲料容器の破裂による事故!〜ペットボトルによる事故が増加〜」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20040510_1.pdf別ウインドウで開きます(外部サイト)

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