食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06630851149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)の健康影響に基づく指標値の導出及び食品における発生状況に関する科学的意見書を公表 (2/3)
資料日付 2025年11月18日
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06630850149)

〈実験動物における毒性〉
 既存のげっ歯類を用いた経口投与による急性毒性試験では、Δ9-THCとΔ8-THCは同程度の半数致死量(LD50)を示し、雌は雄よりも感受性が高いことが示されている。ビーグル犬及びアカゲザルへの経口投与の結果では、Δ8-THCはΔ9-THCに比べて効力が低い傾向が認められる。ビーグル犬では3000 mg/kg体重、アカゲザルでは9000 mg/kg体重までの単回経口投与で致死性は認められなかった。Δ8-THCの単回経口投与は、以下に挙げる中枢神経系への影響及び抑うつを示す行動変化を誘発した。
 ・ マウス・ラット: 低体温、呼吸緩徐、急速な体重減少、活動低下、広基性の姿勢、運動失調、筋震戦、衰弱
 ・ ビーグル犬: 眠気、運動失調、衰弱、麻酔状態、振戦、軽度低体温、唾液分泌過多、嘔吐、食欲不振
 ・ アカゲザル: 初期の刺激に対する過敏反応、第二相では無気力、眠気、特徴的なうずくまり姿勢、異常摂食行動
ならびに、1件の腹腔内投与試験では内分泌への作用(排卵障害)も認められた。Δ9-THCについても同様の作用が確認されている。結論として、神経毒性試験では、Δ8-THC及びΔ9-THCにはカンナビノイド様作用、不安誘発作用、精神活性作用、疼痛耐性、身体的依存を示す行動的及び身体的徴候が認められた。Δ8-THCは雄雌双方においてΔ9-THCと同様の弁別刺激作用(discriminative stimulus effect)を示し、質的に類似した精神活性作用による結果が示唆された。しかしながら、Δ8-THCは雄よりも雌においてより強い効力を示した。既存の急性経口投与の動物試験では、Δ8-THCとΔ9-THCの双方が中枢神経系(CNS)に作用することが示されており、Δ8-THCはΔ9-THCと比較して効力が低い傾向にある。しかしながら、経口投与に関する利用可能なデータでは、その潜在的な差異の定量的な評価は不可能である。
 げっ歯類を用いた経口又は腹腔内投与による反復投与試験では、Δ8-THCがΔ9-THC様作用を示すというエビデンスが存在する。ラットにおける亜慢性経口投与試験では、Δ8-THCとΔ9-THCの双方において、中枢神経系が抑制されるという第一段階が短期間観察され、その後、活動が亢進するという持続的な段階が認められた。
 制限のある試験ではあるが、2件の試験において、Δ8-THCに誘発される卵巣間質変性や、成長期の雄ラットにおけるΔ8-THCとΔ9-THCによる雄の思春期発育への干渉等、生殖器系への有害影響も観察されいる。
〈遺伝毒性〉
 Δ8-THCが遺伝子変異や染色体の構造的及び数的異常を誘発する可能性を評価するための、標準的な遺伝毒性試験は入手できない。Δ9-THCに関する既存データを利用するリードアクロス(read-across)に基づくと、入手可能なエビデンスはΔ9-THCがin vivoでは遺伝毒性を示さないことを示唆しており、Δ8-THCもin vivoでは遺伝毒性を示さないと考えられる。定量的構造活性相関(QSAR)解析は、Δ8-THCとΔ9-THCの間のリードアクロスによる仮説を支持する。当該解析では信頼性の高いQSAR予測のみを考慮している。これらは細菌変異原性試験(Ames法)で利用可能であり、陰性結果を示している。
〈ヒトにおける薬理学的及び毒性学的データ〉
 Δ8-THCに関するヒトの薬理学的及び毒性学的データには、症例報告、小児における急性中毒、臨床試験からのエビデンスが含まれる。規制対象外のΔ8-THC製品(人気の菓子に似たグミ等の食品類似製品等)の摂取による中毒の症例報告では、特に小児において重篤な有害影響が確認されている。血漿又は尿中Δ8-THC陽性患者では、呼吸遅滞、無気力、無反応等の症状が観察された。Δ8-THCとΔ9-THCの両方を対象とした臨床試験は僅かである。10~75 mgの用量にてΔ8-THCを経口投与した研究では、向精神作用、精神運動作用、認知作用に加え、心拍数増加や気道コンダクタンスの亢進等の生理学的反応が示されている。Δ8-THCに対するリファレンスポイントの特定に向け利用可能な、低用量域(10 mg/人未満)にて実施された適切な試験は存在しない。しかしながら、急性経口臨床試験の結果から、Δ8-THCとΔ9-THCの効力を直接比較し、相対効力係数を導出した。
〈作用機序〉
 作用機序に関しては、Δ8-THCの作用は、中枢神経系レベル及び自律神経系レベルの両方で、Δ9-THCと同様に、中枢系1型カンナビノイド(CB1)受容体及び中枢系2型カンナビノイド(CB2)受容体に対するアゴニストとしての活性によって媒介される可能性が高い。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06630852149)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9735

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