食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06630850149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)の健康影響に基づく指標値の導出及び食品における発生状況に関する科学的意見書を公表 (1/3)
資料日付 2025年11月18日
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概要(記事) (この記事は 1 / 3 ページ目です)
 欧州食品安全機関(EFSA)は11月18日、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)の健康影響に基づく指標値の導出及び食品における発生状況に関する科学的意見書(10月9日採択、PDF版267ページ、doi: https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9735)を公表した。概要は以下のとおり。
《背景》
 欧州委員会の要請を受け、EFSAのフードチェーンにおける汚染物質に関するパネル(CONTAMパネル)は、食品中のΔ8-THCに対する健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出に関する科学的意見書の提出を求められた。これには、ヘンプ及びヘンプ由来製品におけるΔ8-THCの発生状況とΔ9-THCとの共発生の評価が含まれる。
《化学的性質》
 Δ8-THCは、熱力学的に不安定なΔ9-THCからの異性化により自発的に生成される。ヘンプ植物においてΔ9-THCは、生合成経路にて生成されたΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(Δ9-THCA)が非酵素的(非生物的)に脱炭酸反応を受けて生成される。自然界のΔ9-THCから異性化によって生成されるΔ8-THCは、(-)トランス型Δ8-THC異性体となる。天然ヘンプでは、シス型Δ8-THCは報告されていないが、Δ9-THCのトランス型及びシス型異性体は同定されている。
 Δ8-THCは検査された大多数のサンプルでは検出されない。しかし、様々なマトリックスにわたり、少数の個別サンプルで散発的に検出される。この観察結果に対して考えられる説明としては、分析プロセス中あるいは食品加工中に生成されるアーティファクト、Δ9-THCとの共溶出、使用された分析法の検出限界(LOD)の高さ、意図的及び非意図的な半合成Δ8-THCの添加等が挙げられる。液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法(LC-MS/MS)は、中性及び酸性カンナビノイド類の両方を効率的に分離し、特異的かつ高感度に検出することを可能にする。共溶出や分析プロセス中の意図しない異性化によるアーティファクトが発生するリスクの軽減に向け、慎重に方法が検証されている場合は、ガスクロマトグラフィー(GC)も使用可能である。
《ハザードの特定及び特性評価》
〈ADME(体内動態)〉
1. 実験動物のデータ
 Δ9-THCについては豊富なデータセットが存在する一方、実験動物におけるΔ8-THCのADMEに関する情報は乏しく、研究の大半は非経口投与経路を用いたものである。経口ばく露後、Δ8-THCは迅速に吸収され、脳へは限定的に分布する。非経口ばく露後、胆汁及び脂肪組織中に比較的高い濃度にて検出される。Δ8-THC及びΔ9-THCは胎盤を通過する。Δ8-THCの代謝経路はほとんどの哺乳類種で類似している。in vitro及びin vivo研究によれば、肝臓においてΔ8-THCはシトクロムP450(CYP)に触媒される一連の酸化反応を経て、11-OH-Δ8-THC、11-oxo-Δ8-THC、11-nor-9-carboxy-Δ8-THCが生成される。カタレプシー誘発作用の相対的効力は、11-OH-Δ8-THC >> 11-oxo-Δ8-THC ~ Δ8-THC >11-nor-9-carboxy-Δ8-THCの順序である。さらに、Δ8-THC及びその酸化代謝物がin vitro/in vivoにおいて、グルクロン酸抱合されることを示すエビデンスが存在する。抱合誘導体は尿及び胆汁経路で排泄されるが、定性的及び定量的情報は得られていない。Δ9-THCとは異なり、実験動物や食料生産動物におけるΔ8-THC及びその代謝物の乳汁排泄に関するデータは確認できなかった。動物において、経口ばく露後のΔ8-THCとΔ9-THCのADMEに大きな差異は報告されていない。Δ9-THCの酸化代謝物のカタレプシー誘発作用効力は、Δ8-THC由来の対応代謝物と同一順序である。
2. ヒトのデータ
 Δ8-THCを健常被験者19名に経口投与した臨床試験において、最高血中濃度到達時間(Tmax)は2.4~2.8時間と報告され、経口吸収が迅速であることを示唆している。Δ8-THCの分布に関するヒトのデータは存在しない。Δ8-THCは肝臓と脳の両方で11-OH-Δ8-THCに代謝され、その後11-nor-9-carboxy-Δ8-THCに代謝される。その他の2つの代謝物(7α-OH-Δ8-THC及び7β-OH-Δ8-THC)が検出されているが、それらの薬理学的活性に関する情報は不足している。ヒトにおけるΔ8-THCの排泄に関する研究は存在しない。結論として、経口ばく露後、Δ8-THCとΔ9-THCはヒトにおいて迅速に吸収され、経口生物学的利用能はそれぞれ9%と6%である。Δ8-THCと同様に、Δ9-THCはCYP2C9によって代謝され、活性代謝物である11-OH-THCに変換される。11-OH-THCはさらにアルデヒド中間代謝物(11-oxo-THC)に酸化され、これがアルデヒド酸化酵素に触媒される酸化によって11-nor-9-carboxy-THC(不活性分子)へと変換される。カルボキシ基がさらにグルクロン酸抱合を受け、糞便及び尿中に排泄される。Δ8-THCとΔ9-THCはいずれも11位で酸化され、それぞれ11-OH-Δ8-THC及び11-OH-Δ9-THCが形成される。11-OH-Δ8-THCはCYP2C9による生成効率が11-OH-Δ9-THCより低い。最近のデータでは、Δ8-THCのCYP450による11-OH-Δ8-THCへの代謝はΔ9-THCと比較して低い(1.7倍)ことが示唆されている。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06630851149)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9735

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