食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06630852149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)の健康影響に基づく指標値の導出及び食品における発生状況に関する科学的意見書を公表 (3/3)
資料日付 2025年11月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (この記事は 3 / 3 ページ目です)
(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06630851149)


〈ハザードの特定評価〉
 Δ8-THCについては、ヒトの臨床試験で観察された認知作用及び精神運動作用、並びに心拍数の増加が重要な作用とみなされる。Δ8-THCとΔ9-THCの作用及び作用機序の類似性を考慮し、CONTAMパネルはヒトのデータを用いて、Δ9-THCとの比較においてΔ8-THCの相対的効力に関する情報を得ることができると判断した。1件の臨床試験の結果から、CONTAMパネルは、健常被験者19名に20 mgの用量にて投与されたΔ8-THC及びΔ9-THCについて、認知/精神運動機能(数字記号置換検査(DSST)、分割的注意検査(DAT)、定速聴覚的連続加算検査(PASAT)、薬物影響下運転(DRUID)(登録商標)検査)及び心拍数のパフォーマンスを比較した。この比較に基づき、CONTAMパネルは、Δ8-THCがΔ9-THCと同等又はわずかに弱い効力を持つと評価した(Δ9-THC/Δ8-THC比は1.0~1.6)。保守的な(conservative)アプローチに基づき、CONTAMパネルはΔ8-THCの相対効力係数を1と設定した。これは、限定的な試験ではあるが、in vivo動物試験及びヒトの臨床試験の結果から支持される。当該試験では、Δ8-THCはΔ9-THCに比べて効力が低い、あるいはせいぜい同等であることが示唆されている。
 CONTAMパネルは、2015年に、牛乳及びその他の動物由来食品中のテトラヒドロカンナビノール(THC)の含有と関連するヒトの健康リスクに関する科学的意見を採択している。CONTAMパネルは、ヒトのデータにおいて観察された中枢神経系への影響に基き、2.5 mg Δ9-THC/日(成人の場合、0.036 mg Δ9-THC/kg体重/日に相当)が最小毒性量(LOAEL)であると結論している。総合不確実係数30を適用することにより、急性参照用量(ARfD)は1 μg Δ9-THC/kg体重と算出された。当該意見では、Δ8-THCの毒性については軽く言及されるに過ぎなかった。Δ9-THCとΔ8-THCの影響及び作用機序の類似性を考慮し、CONTAMパネルは確立されたARfDをΔ9-THCとΔ8-THCの合計に対するグループARfDと見なすことができると判断した。
《不確実性分析》
 CONTAMパネルは、Δ9-THCとの比較において実施されたΔ8-THCのハザードの特性評価において特定された不確実性は、ほとんどが優先度の低いものと判断した。データの定量分析に基づき、Δ9-THCのΔ8-THCに対する相対的効力は、1~1.6の範囲内である可能性が非常に高い(確信度90~95%)。
《発生状況》
 異なる分析法を用いて得られた、Δ8-THCの1,671サンプル/分析結果のデータセットが利用可能であった。Δ8-THCの発生データは18種のFoodEx2(レベル1)食品カテゴリーを網羅していたが、サンプルの大半(93%)が左側検閲であった。特に煎じ液用ヘンプ葉、ヘンプ種子油、ヘンプ種子では96%~99%が左側検閲であった。
 全ての食品カテゴリーにわたり、陽性サンプルの大半では、Δ8-THC含有量は低かった。最高値(P95)は「砂糖及び類似品、菓子類、水ベースの甘いデザート類」の39,100 μg/kg(下限値(LB)=上限値(UB))であり、次いで「非標準食用製品、食品模造品、食品サプリメント」の24,000~75,000 μg/kg(LB~UB)、さらに「穀粒及び穀粒製品」の350~1,000 μg/kg(LB~UB)であった。
《他のカンナビノイドとの同時発生》
 Δ8-THCの起源に関してさらに知見を得るため、他のカンナビノイド類であるCBD(1,086件の結果)及びΔ9-THC(1,145件の結果)を対象として、同時発生データを抽出した。これらの追加された結果は、Δ8-THCを分析したサンプルと同一のサンプルに関するものであるが、同時発生データについては、CONTAMパネルはより信頼性の高いLC-MS法で分析されたサンプルのサブセットに焦点を当てた。Δ9-THCはほとんどのサンプルに含有されていたが、Δ8-THCはごく一部のサンプルでのみ検出された。1,145サンプル中96サンプルで両方の物質が同時に検出された。Δ8/Δ9比は非常に変動が大きく、0.009~17.7の範囲にわたり、平均値は1.37、標準偏差は2.28であった。文献では、天然由来のΔ8-THCを含む全サンプルのΔ8/Δ9比は1未満であったのに対し、EFSAのデータベースでは、Δ8-THC陽性サンプルの多くが1を超える比を示した。前述のとおり、これは半合成Δ8-THCの添加、加工過程での生成、又は天然Δ8-THCの濃縮のいずれかを示唆している。
《推奨事項》
・2015年以降に公表されたΔ9-THCに関する新規文献の予備的スクリーニングから得られた関連情報によれば、Δ9-THCのさらなるリスク評価が必要であることが示唆されている。CONTAMパネルは、遺伝毒性、作用機序、用量-効果相関関係の評価を更新することを推奨する。その際は、低用量範囲にて実施されたヒト及び実験動物研究、並びに発達毒性・生殖毒性試験で調査されたエンドポイントに着目する。
・ヘンプ由来飼料原料中にΔ8-THCが実際に含有されていることが確認された場合は、Δ8-THC及びその代謝物が、ヒトの摂取を意図した動物由来製品へ移行する率に関し、さらなる研究が必要である。
・食品サンプルのモニタリング/データ評価は、Δ8-THCに対して適切かつ検証済みの分析法を用いて実施すべきである。
・食品中のΔ8-THCの起源に関する知見を深めるため、食品加工及び貯蔵過程において、天然に含有されるカンナビノイド類からΔ8-THCが生成される機構に関し、調査を実施すべきである。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9735

利用上の注意事項

本データベースに掲載された情報の利用の際は、以下1、2をご理解ください。ご利用に当たって、以下3に同意したものとみなします。

1 情報の収集・要約・翻訳について

 (1) 掲載情報は、食品安全に関係する国際機関や国内外の政府機関等の公式ウェブサイト等から収集しています。ただし、すべての国や関係機関を網羅し、また各機関が公表しているすべての情報を収集しているわけではありません。
 (2) 掲載情報は、発信元の機関から提供されている情報の趣旨を出来る限り改変しないよう翻訳・要約しています。
 (3) 掲載情報の翻訳には、細心の注意を払っているが、誤訳や間違いを含む可能性があります。掲載情報と情報発信元の文章に相違がある場合は、情報発信元の文章が常に優先されます。
 (4) 掲載情報は、情報収集時点のものであり、その後の新たな知見等により更新されている可能性があります。情報元のURLや記事内のリンクについては、リンク切れとなっている場合があります。
 (5) 食品安全委員会が行った翻訳及び要約内容について、情報発信元の機関に確認は行っておりません。

2 掲載情報と食品安全委員会の立場について

 (1) 食品安全委員会は、国際機関、海外の政府機関や研究機関の情報をありのままにわかりやすく提供することがリスクコミュニケーションに資するものと位置付け、発足以来、本データベースを運用しています。
 (2) 本データベースは、海外の評価機関、研究機関の公表情報を翻訳・要約・集約したものであり、食品安全委員会としては、掲載情報の内容を検証しておらず、具体的には、その正誤及び真偽を一切確認していません。また、科学的な観点からの正確性を保証するものではありません。
 (3) 本来は、収集された情報に対し食品安全委員会としての見解を付与しデータベースに掲載することが最善ではありますが、日々収集される情報1つ1つの内容を確認・検証し、食品安全委員会としての見解をまとめることは不可能であることから、やむを得ず情報発信元の情報をそのまま掲載しております。
 (4) このため、掲載されている情報に記載されている意見・見解・主張は、情報発信機関又はその情報内で取り上げられている機関等によるものであり、食品安全委員会の考え方と異なる場合があります。

3 利用者の責務

 (1) 情報の利用に当たっては、必ず利用者自らが情報発信元の公式サイト等で最新の情報を確認し、利用者自身の責任で行うこと。専門的又は法的な判断が必要な場合には専門家に相談するなどにより最新の正確な情報を入手すること。
 (2) 2(2)~(4)のとおり、掲載されている情報は、
  ① 食品安全委員会として内容の正誤及び真偽を一切確認しておらず、
  ② 食品安全委員会の考え方とは異なる場合があることから、これを食品安全委員会の発信する情報として引用・転用することはせず、情報発信元の情報を直接、当該情報発信者のルールに基づき引用・転用すること。
 (3) 情報発信元の情報に誤り等があることや、掲載情報の利用によって生じたいかなる損害や不利益についても、食品安全委員会は一切の責任を負わないこと。