食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06390032535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「英国における飲料水基準の策定を支援するためのアンチモンの健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出」を公表した。内容(抜粋)は以下のとおり。 (3/5)
資料日付 2024年10月10日
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概要(記事) (この記事は 3 / 5 ページ目です)
(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06390031535)

 追加の毒性試験
 アンチモンの毒性作用を動物種およびばく露期間にわたって理解するために、他のいくつかの試験が役立っている。
 KanisawaとSchroederの試験では、チャールズリバー系統(Charles River Strain)のホワイトスイスマウス(CD-1)が、5 μg/mlのアンチモンにばく露された(生涯にわたる飲料水を通した350 μg/kg bw/dのばく露に相当する) (参考文献7)。対照群と比較して、アンチモンが投与されたグループでは、自然発生腫瘍および悪性腫瘍の発生率に有意差は認められなかった。この試験から、350 μg/kg bw/dがNOAELであると結論された。
 Schroederらがロング・エバンス(Long-Evans)ラットに対して実施した生涯ばく露試験では、動物に飲料水を通して430 μg/kg bw/dの用量で酒石酸アンチモニルカリウムが投与された(参考文献8)。この試験では、生存率が大幅に低下し、非絶食時の血糖価が低下した。これらの影響に基づいて、最小毒性量(LOAEL) 430 μg/kg bw/dが特定された。
 Sunagawaが実施した試験では、5匹のウィスター(Wistar)ラットのグループが、24週間にわたって、食餌を通して0、0.5、1.0、2.0%の金属アンチモン(推定用量は、それぞれ0、500,000、1,000,000、2,000,000 μg/kg bw/d)、または食餌を通して0、1.0、2.0%の三酸化アンチモン(antimony trioxide) (用量は0、1,000,000、2,000,000 μg/kg bw/dに相当(アンチモンとしての用量は、0、418,000、836,000 μg/kg bw/d))にばく露された(参考文献9)。(中略)本試験では、418,000 μg/kg bw/dが最小影響量(LOEL)と結論された。(中略)
 Hiraokaが実施した12週間にわたる試験では、雄のウィスターラットのグループ(グループあたりの動物数に関する情報なし)に、0.1%(w/w)の金属アンチモン(用量は85,000 μg/kg bw/dに相当)、1.0%(w/w)の金属アンチモン(用量は850,000 μg/kg bw/dに相当)、または1.0%(w/w)の三酸化アンチモン(アンチモンの用量は700,000 μg/kg bw/dに相当)を含む食餌が投与された(参考文献10)。(中略)三酸化アンチモンを用いた試験から、NOAEL 700,000 μg/kg bw/dが特定された。
 Rossiらの試験では、妊娠した雌ラットが妊娠初日から離乳(出産後22日目)まで三塩化アンチモン(antimony trichloride)(濃度1 mg/Lと10 mg/Lの飲料水の自由摂取、それぞれアンチモンの用量は70 μg/kg bw/dと700 μg/kg bw/dに相当)にばく露された(参考文献11)。(中略)母体の体重増加の減少(11%)および出生後10~60日目の仔ラットの成長の減少に基づき、NOAELは70 μg/kg bw/d、LOAELは700 μg/kg bw/dと結論された。
 米国国家毒性プログラム(NTP)により実施された14日間の試験では、雄10匹と雌10匹のB6C3F1マウスのグループが、飲料水を通して0、300、650、1,250、2,500、5,000 mg/Lの酒石酸アンチモニルカリウム(純度99~100%)にばく露された(参考文献12)。(中略)肝毒性のNOAELは99,000 μg/kg bw/dと決定された。(中略)
 Hextらは、雄と雌のウィスターラット(Alpk:APSD系統)を用いて、三酸化アンチモンの90日間にわたる食餌試験を実施した(参考文献13)。(中略)この試験から、NOAELは1,408,000 μg/kg bw/d(雄ラット)および1,570,000 μg/kg bw/d(雌ラット)が決定された。
 Omuraらが実施した試験では、Crj(訳注 Charles River Japan社):ウィスターラット(各グループ7~8匹)およびCrj:CD-1マウス(各グループ8~10匹)を用いた三酸化アンチモンの精巣毒性が評価された(参考文献14)。(中略)この試験における三酸化アンチモンの雄生殖への影響から、NOAELは1,200,000 μg/kg bw/d (試験された最高用量)であると結論された。(中略)
 要約
 アンチモンの吸収は少ない。消化管を通した吸収は、三酸化アンチモンで約1%、酒石酸アンチモニルカリウムで10%と推定される。
 アンチモンに関する試験は数多くあり、幅広いNOAELが報告されている。アンチモンの毒性は、WHO、ATSDR、カナダ保健省によって検討されている。
 WHO、ATSDR、カナダ保健省は、Poonらの試験結果(参考文献1)を使用しているが、試験結果の解釈とNOAELの選択は大きく異なっている。
 各評価機関によって用いられたNOAELなどは、次のとおり。
 評価機関(評価公表年):NOAEL (μg/kg bw/d):UF:TDI/MRL (μg/kg bw/d)
 WHO(2003):6,000:1,000:6
 カナダ保健省(2024):60:300:0.2
 ATSDR(2019):60:100:0.6(MRL)
 2006年や2017年などにおける食事中の金属に関する評価において、COTはWHOのTDIを評価の基礎として使用した。
 COTは、2019年のATSDRと2024年のカナダ保健省の評価全体をまだ確認しておらず、コメントもしていない。ATSDRとカナダ保健省によるHBGVは、2003年のWHOのHBGVと一致していない。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06390033535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Introduction%20and%20Background

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