食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06390031535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「英国における飲料水基準の策定を支援するためのアンチモンの健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出」を公表した。内容(抜粋)は以下のとおり。 (2/5)
資料日付 2024年10月10日
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06390030535)

 Lynchらの解釈(参考文献2)
 Lynchらは、Poonらの試験で観察されたアンチモンの毒性影響に関して異なる解釈を提示した。Lynchらは、特に肝臓、脾臓、甲状腺における組織学的所見の一部は毒性学的に関連性があるとは考えるべきではないと判断し、より高いNOAELを提案した。
 Lynchらは、Poonらの試験における所見のいくつかは、アンチモンへのばく露に直接起因する有害影響ではなく、正常な生理学的変化または適応変化を表す可能性が高いと結論した。(中略)
 Lynchらは、Poonらの試験の結果からNOAELを50 ppm(平均摂取量 6,000 μg/kg bw/dに相当する)に設定すべきであると提案した。
 Valliらからの回答(参考文献3)
 Lynchらの解釈への回答として、Poonらと同じグループであるValliらは、NOAELが60 μg/kg bw/dであることを再確認し、Poonらの試験における毒性学的所見の全範囲を考慮する必要があることを強調した。(中略)
 Valliらは、Poonらが特定した60 μg/kg bw/dのNOAELは、観察された肝臓と脾臓の組織学的所見および血清生化学的変化を考慮すると適切であると主張した。Valliらは、Lynchらが提案した高いNOAEL 6,000 μg/kg bw/dは、毒性の初期兆候の可能性を過小評価しており、十分に保護的ではないと主張した。
 WHO、ATSDR、カナダ保健省が定めたHBGV
 WHO(参考文献4)
 2003年、WHO はアンチモンのTDIを6.0 μg/kg bw/dとした。これは、Poonらの試験結果の解釈をLynchらが示唆したとおりに変更することによって求められたものである。
 WHOは体重増加の減少と食物および飲料水の摂取量の減少に対するNOAELを6,000 μg/kg bw/dとした。不確実係数(UF)1,000(種間および種内の差異に対して100、試験期間が短いことに対して10)がNOAELに適用され、TDIは6.0 μg/kg bw/dとなった。
 WHOの飲料水ガイドライン値を導出では、TDI 6.0 μg/kg bw/dが使用され、TDIの10%が水に割り当てられるとともに、体重60 kgの成人が1日に2 Lの水を消費することが仮定された。結果として得られた飲料水ガイドライン値は20 μg/Lとなり、生涯にわたるばく露に対して保護的な値として導出された。WHOは、選択されたエンドポイントの性質と、このTDIの導出に適用された大きなUFのため、この値は非常に保守的である可能性があると述べている。
 ATSDR(参考文献5)
 ATSDRは飲料水ガイドライン値を導出していないが、中期経口最小リスクレベル(intermediate-duration oral Minimal Risk Level (MRL))を導出している。MRLは、指定されたばく露期間において、がん以外の健康への有害影響に対する顕著なリスクがないと考えられる物質へのヒトの1日あたりのばく露量の推定値である。また、この例における中期とは、14~365日のばく露のことである。アンチモンの中期経口MRL 0.6 μg/kg bw/dは、Poonらによる試験結果とNOAELの解釈に基づいて導出された。これは、Poonらの試験で観察された雌ラットの血糖値の低下に対するNOAEL 60 μg/kg bw/dに基づいており、適用されたUFは100(動物からヒトへの外挿に対して10、ヒトにおける変動に対して10)である。
 カナダ保健省(参考文献6)
 2024年、カナダ保健省は、肝臓の組織病理学的変化(核異型症)と肝臓への影響を示す血清生化学の変化に基づいたPoonらの試験からのNOAEL 60 μg/kg bw/dを選択した。このNOAELにUF 300 (種間変動、種内変動、亜慢性試験の使用に対して、それぞれ10、10、3)を適用してTDI 0.2 μg/kg bw/dが導出された。
 カナダ保健省の飲料水における総アンチモンの健康影響に基づく指標値(health-based drinking water value) 3 μg/Lは、成人の平均体重74 kg、飲料水割り当て係数0.3(飲料水の推定摂取量の上限に基づく)、飲料水摂取量1.53 L/dを使用して導出された。
 WHO、ATSDR、カナダ保健省の差異
 WHO、ATSDR、カナダ保健省は、Poonらの試験結果を使用しているが、試験結果および選択されたNOAELの解釈は大きく異なっている。
 ・WHOは、低用量での肝臓への影響は適応変化であり、毒性学的な意義はないとみなし、NOAELを6,000 μg/kg bw/dとした(Lynchらによって提案されたとおり)。
 ・カナダ保健省とATSDRは、肝臓の核大小不同症(anisokaryosis)と血清生化学的変化に基づき、これらの影響が肝臓機能の変化を示すとみなし、NOAELを 60 μg/kg bw/dとした(Poonらによって提案されたとおり)。
 TDI/MRLの導出に適用されるUFにもいくつかの違いがあり、これは主に試験期間に関係しており、WHOとカナダ保健省は試験期間に対してそれぞれUF 10とUF 3を使用し、ATSDRは試験期間に対するUFを含めていないが、MRLは中期ばく露(14~365日)を対象としている。

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地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Introduction%20and%20Background

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