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資料管理ID syu06390030535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「英国における飲料水基準の策定を支援するためのアンチモンの健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出」を公表した。内容(抜粋)は以下のとおり。 (1/5)
資料日付 2024年10月10日
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概要(記事) (この記事は 1 / 5 ページ目です)
 英国毒性委員会(COT)は2024年10月11日、ディスカッションペーパー「英国における飲料水基準の策定を支援するためのアンチモンの健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出」を公表した。内容(抜粋)は以下のとおり。
 はじめに
 英国健康安全保障庁(UKHSA)は、飲料水検査局(Drinking Water Inspectorate (DWI))に対し、飲料水中の化学物質による潜在的な健康リスクについての助言を行っている。EU離脱後、DWIは、飲料水における一部の化学物質の規制基準を見直しており、アンチモンはその対象となっている。UKHSAは、アンチモンの適切なHBGVに関して、COTの助言を求めている。
 このディスカッションペーパーでは、1998年のPoonらによるラットに対する90日間の飲料水を通した酒石酸アンチモニルカリウム(antimony potassium tartrate)の投与による毒性試験(参考文献1)の解釈について検討する。世界保健機関(WHO)、米国毒性物質疾病登録庁(ATSDR)、カナダ保健省(Health Canada)は、当該試験を使用してさまざまなHBGVを導き出した。それらの相違は主に、試験結果の解釈、特に無毒性量(NOAEL)の選択の違いに起因するものである。
 COTはこれらの解釈を考慮し、英国の飲料水におけるアンチモンの基準の更新を支援するために適切なHBGVを決定するよう求められている。
 背景
 COTは、2014年の「乳児用食品に含まれる金属およびその他の元素に関する調査」の一環として、4~18か月の乳児および幼児におけるアンチモンの食事性ばく露について検討した。COTはまた、2006年の「金属とその他の元素に関する英国トータルダイエット調査」の一環として、さまざまな人口サブグループにおけるアンチモンの食事性ばく露についても検討した。これらの検討では、COTは評価にWHOの耐容一日摂取量(TDI) 6 μg/kg体重(bw)/日(d)を使用した。最近では、カナダ保健省とATSDRがアンチモンを検討し、より低いHBGVを導出した。
 アンチモンの性質(略)
 トキシコキネティクス(略)
 毒性(略)
 Poonらの試験(参考文献1)の概要
 1998年のPoonらの試験では、雄15匹と雌15匹のSprague-Dawleyラットのグループが、飲料水中の酒石酸アンチモニルカリウム(純度99.95%)として0、0.5、5、50、または500 ppmのアンチモンに13週間ばく露された。研究者らは、平均飲水量と体重データに基づき、雄ラットではアンチモン投与量を0、60、560、5,580、42,170 μg/kg bw/d、雌ラットでは0、60、640、6,130、45,690 μg/kg bw/dと算出した。さらに、雄ラット10匹と雌ラット10匹からなるグループが0または500 ppmのアンチモンに13週間ばく露され、その後4週間の回復期間が設けられた。(中略)
 生存率の変化または毒性の明白な兆候は観察されなかった。(中略) 42,170/45,690 μg/kg bw/d群では相対腎臓重量の有意な増加が観察された。
 観察された血液学的変化には、42,170 μg/kg bw/dにばく露された雄ラットで赤血球数と血小板数の減少、および平均赤血球体積の増加が含まれていた。雌ラットでは、45,690 μg/kg bw/dでの単球の増加のみが血液学的変化として認められた。
 血清の化学的変化には、640 μg/kg bw/d以上の用量にばく露された雌ラットで血糖値の用量依存的減少(15~17%)が含まれていた。(中略)
 肝臓への影響に関しては、42,170 μg/kg bw/dの雄ラットで肝臓のエトキシレゾルフィン-O-デエチラーゼ(ethoxyresorufin-O-deethylase (EROD))とグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(glutathione-S-transferase (GST))の活性の有意な増加が認められ、45,690 μg/kg bw/dの雌ラットでもGST活性が増加した。組織学的変化には、アンチモンにばく露されたすべてのグループで肝臓の核異型症が認められ、用量依存的にその重症度が上昇した。核異型症は回復期間の終了時にも認められた。この核異型症の重症度スコアは、0、60、560、5,580、42,170 μg/kg bw/dの雄でそれぞれ0.1、0.6、1.0、1.9、2.8であった。(中略)
 脾臓への影響としては、雄ラットにおいては560 μg/kg bw/d以上で洞充血(sinus congestion)、雄ラットでは42,170 μg/kg bw/d以上および雌ラットでは640 μg/kg bw/d以上で洞過形成(sinus hyperplasia)、雄ラットで42,170 μg/kg bw/dで動脈カフ萎縮(arterial cuff atrophy)が認められた。回復期間には、洞充血(雄ラットのみ)、動脈カフ萎縮、動脈周囲リンパ球鞘細胞密度(periarteriolar lymphocyte sheath cell density)の増加、洞造血(sinus haematopoiesis)の発生率の増加が観察された。
 雌ラットにおいて6,130 μg/kg bw/dおよび45,690 μg/kg bw/dで甲状腺ホルモン結合率の統計的に有意な増加が観察された。(中略)
 当該論文の著者らは、主に640 μg/kg bw/d以上の摂取群の雌ラットで血糖値が統計的に有意な用量依存的減少を示したことに基づいて、飲料水中のアンチモン濃度0.5 ppm(平均摂取量60 μg/kg bw/dに相当する)を本試験のNOAELと結論した。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06390031535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Introduction%20and%20Background

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