食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06290131161 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、食品添加物としての二酸化チタン(E171)の安全性に関する声明第5稿(TOX/2024/18)を公表 (2/3) |
資料日付 | 2024年5月22日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
概要(記事) | (この記事は 2 / 3 ページ目です) (前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06290130161) ・生殖及び発達毒性 COT は、EOGRT報告書は詳細であり、試験は関連する科学的ガイドラインに従って実施され、明らかな欠陥はないと判断した。精巣と精巣上体の局所的な影響や右精巣の重量の差等、試験で観察された複数の軽微な影響があったことが指摘された。しかし、COTは、これらの変化は自然発生的なものであり、毒性学的な関連性はないという著者らの結論に同意した。したがって、全体として、試験した最高用量(※訳注: 1,000 mg/kg 体重/日)まで、生殖毒性及び発達毒性への有害影響は観察されなかった。COT は、TiO2 の吸収率が低いことが、EOGRT 試験で設定された NOAEL(1,000 mg/kg 体重/日)の一因である可能性を指摘した。査読付き文献のデータは決定的なものではなかった。総合的に最も質の高い追加試験は、Warheit, Boatman and Brown, 2015とLee et al, 2019の試験であるとCOTは判断した。COTは、TiO2は生殖毒性があるという強いエビデンスはなく、これらの追加試験のNOAELはEOGRT試験のものと一致すると結論した。 ・神経毒性 全体として、神経毒性に関する新たなエビデンスはなく、COT の2021 年中間ポジションペーパーに記載されたこのエンドポイントに関する見解の変更を正当化するものではない。神経毒性に関する試験結果は、COTによって一貫性がないとみなされた。EOGRT試験では影響が報告されていないこと、このエンドポイントに関する他の試験のほとんどがナノ材料を使用していることが指摘された。EOGRT試験では、ルーチンの規制組織病理学的検査は、他のいくつかの試験で実施された特異的な神経組織病理学的検査よりも感度が低かったであろうことが指摘された。神経毒性に関するこの適格なCOTの見解は、EOGRTが食品グレードの二酸化チタンに神経毒性の可能性がないと結論するのに十分な感度と関連性があると考えたカナダ保健省の意見よりも控えめであることを認識すべきである。 ・ナノ粒子の影響 委員会は、TiO2ナノ粒子が毒性に及ぼす影響には不確実性があると結論した。したがって、委員会は、動物及び/又はヒトが、食品グレードの二酸化チタンに通常含まれるよりも高濃度のナノ粒子を含む試験物質にばく露された場合、毒性学的プロファイルと潜在的リスクが変化する可能性があるが、その程度や方法は不明であると考えた。COTは、入手可能な関連試験のデータから、二酸化チタンがACFを誘発することはなく、炎症と免疫毒性、生殖及び発達毒性、神経毒性を評価した試験からも有意影響は見られなかったと考えた。全てを考慮すると、委員会は NOAELである1,000 mg/kg 体重/日は頑健であると考えた。 ・COM による二酸化チタンの遺伝毒性のレビュー COMは、TiO2 の遺伝毒性を評価するために多くの試験をレビューした。COM は、E171 に含まれるナノ粒子画分の試験デザインの考察と特性評価を適切に組み込んだ OECD(※訳注: 経済協力開発機構)準拠の質の高い試験がない場合、食品グレードのE171 の安全性の確定的な評価は困難であると述べた。また、OECD に準拠した質の高いデータセットがないため、TiO2 のリスク評価に矛盾が生じ、不確実性が生じていることも指摘された。COM の見解では、十分に実施された試験のデータに基づくと、TiO2 マイクロサイズ又はナノ粒子が in vitro 又は in vivo で遺伝毒性があるというエビデンスはほとんどない。また、異なる試験室で同じナノ粒子を使用した試験結果の再現性も欠如している。全体として、COMは、TiO2による遺伝毒性の誘発に関連した健康への懸念があることを示唆する文献上のエビデンスはほとんどないと結論した(特に経口経路によるもので、特に微小サイズのTiO2画分(文献上のほとんどの試験ではナノサイズの物質が使用されている))。COTはCOMの結論に同意した。 ・HBGV(※訳注: 健康影響に基づく指標値)の導出 委員会は、入手可能なエビデンスに基づき、1,000 mg/kg 体重/日が確実な出発点(POD)であると結論した。これは、EOGRT試験の知見に加え、同用量まで影響がないと報告したWarheit et al、2015b及びLee et al、2019による試験に基づくものであった。他の試験ではばらつきが指摘されたが、食品グレードの二酸化チタン(E171)の提案されたPODを変更するようなものはなかった。標準的な不確実数100(生物種間のばらつきを10、個体間のばらつきを 10)がメンバーによって合意され、HBGVを10 mg/kg 体重/日とする POD に適用された。TiO2の吸収率が低いこと、及びTiO2粒子の代謝がないことから、E171のNOAELにこの不確実係数を適用することは、極めて控えめである可能性がある。 ・ばく露評価 二酸化チタン(E171)は多くの食品カテゴリーに含まれる。この評価で検討されたばく露は、食品のみであり、英国調査による食品消費データを用いて、乳児、幼児、子供、青年、成人、高齢者を対象としたものである。EFSAによって2021年に報告された特定の食品品目における二酸化チタンの最大存在量もまた、ばく露の推定に用いられた。計算された二酸化チタンの総ばく露量の平均値は3.3~11 mg/kg体重/日であった。TiO2の総ばく露量の95パーセンタイルは9.1~26 mg/kg 体重/日であった。これらのばく露に最も寄与する3つの食品グループは、タンパク質製品、デコレーション・コーティング・フィリング、ソースである。ばく露評価では、E171がより多くのカテゴリー(48カテゴリー)で認可されているのに対し、16の食品グループのみの使用量を考慮している。このため、ばく露量が過小評価される可能性がある。しかし、評価されたカテゴリー内の全ての食品にE171が含まれるわけではないため、これらのカテゴリーにおけるばく露が過大評価される可能性がある。さらに、評価は、これらのカテゴリーに含まれる全ての食品が報告された最大量でE171を含むという仮定に基づいている。この可能性は低く、全体的なばく露量は過大評価される可能性が高い。 (次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06290132161) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/node/10621 |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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