食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06290130161 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、食品添加物としての二酸化チタン(E171)の安全性に関する声明第5稿(TOX/2024/18)を公表 (1/3) |
資料日付 | 2024年5月22日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
概要(記事) | (この記事は 1 / 3 ページ目です) 英国毒性委員会(COT)は5月22日、食品添加物としての二酸化チタン(E171)の安全性に関する声明第5稿(TOX/2024/18)を公表した。概要(エグゼクティブサマリーを抜粋)は以下のとおり。 当該資料は討議用の声明草案である。これは委員会の見解を代表するものではなく、引用禁止である。 ・背景 2022年8月7日以前、二酸化チタン(TiO2)はEU(※訳注: 欧州連合)で認可された食品添加物(E171)であった。現在も英国では認可されている。二酸化チタンは、食品に色(白色顔料)として使用され、食品をより魅力的に見せたり、無色であるはずの食品に色をつけたり、食品本来の外観を回復させるために使用される。二酸化チタンは、ベーカリー製品、スープ、ブロス、ソース、サラダドレッシング、香ばしいサンドイッチ用スプレッド、加工ナッツ、菓子、チューインガム、食品サプリメント、ケーキのアイシング等の製品に一般的に使用されている。 二酸化チタンは、2016年、2019年、2021年の欧州食品安全機関(EFSA)による最近の3つの評価を含め、複数の安全性評価の対象となっている。最新の意見書(2021年)において、EFSAは、二酸化チタンナノ粒子に関する免疫毒性、炎症、神経毒性に関するいくつかの知見は、有害影響を示唆するものである可能性があるとみなしている。現在入手可能なエビデンスと不確実性、特に解決できなかった遺伝毒性に関する懸念に基づき、EFSAパネルは、E171を食品添加物として使用する場合、もはや安全とは考えられないと結論した。 これに続き、2021年にCOTは、議論の結果と次のステップの概要をまとめた二酸化チタンに関する中間見解を発表した。現在COTは、食品添加物としての二酸化チタンの安全性を評価するため、英国変異原性委員会(COM)の変異原性に関する結論を含むレビューを実施している。このレビューを以下に要約する。 2021年のEFSAとCOTの発表以降、カナダ保健省(2022年)、ニュージーランド食品基準局(FSANZ)(2022年)、そして最近ではFAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)(FAO/WHO、2023年)でも二酸化チタンのレビューが実施されている。 ・特性評価とADME(※訳注: 吸収、分布、代謝及び排泄)に関する考察 食品におけるTiO2の主な機能は、不透明化剤及び白色顔料である。この機能を達成するためには、食品グレードのTiO2(E171)が中央粒径200~300 nmの小さな一次粒子の凝集体として存在することが重要である。設計されたナノTiO2は、その粒子の全て(100%)が直径100 nm未満であり、無色であるため、食品用途の顔料としての使用には適さない。COTは、TiO2の物理的形態がTiO2の吸収と分布に影響すると結論した。使用された試験材料(ナノ、マイクロ、ナノとマイクロの混合物)のばらつきが大きいことが指摘された。このような大きなばらつきと投与マトリックスの潜在的な影響により、委員会は二酸化チタンの吸収率にパーセンテージを設定することはできなかった。しかし、委員会は、入手可能なエビデンスに基づき、食品グレードの二酸化チタン(E171)の吸収は低いと考えた。COTは、ナノ粒子を含むあらゆる形態の二酸化チタンを用いて実施された毒性学的試験を検討したが、その結論は主に食品グレードの二酸化チタン(E171)を用いたものに基づいている。 ・拡張一世代生殖毒性(EOGRT)のレビュー COTは、二酸化チタン製造者協会(TDMA)が二酸化チタンの安全性評価の一環として食品基準庁(FSA)に提供したEOGRTをレビューした。この試験は、TiO2(E171)と生殖及び発達毒性に関する不確実性に関するEFSAの結論を受けて実施された。COTは、EOGRT試験が適切に実施されたことに同意した。全体として、試験された最高用量(1000 mg/kg/日)までの生殖及び発達毒性のエビデンスはなかった。 ・COTが特定したエンドポイントに関する毒性のレビュー 以下のエンドポイントは、まず COTが検討し、その後 COTメンバーのサブグループがさらに詳細に検討した。異常陰窩巣(ACF)(発がん性の潜在的マーカーとして)、炎症及び免疫毒性、生殖及び発達毒性、神経毒性。COMは遺伝毒性データを検討した。委員会は、TiO2 を経口投与した試験、特に食餌に含まれる試験を、食品の摂取を通じたヒトの TiO2 ばく露に最も関連性があると考え、重視した。 ・異常陰窩病巣(ACF) 委員会は、TiO2に単独でばく露した一部の動物で少数の ACF が観察されたものの、他の試験(EOGRT等)において、TiO2にばく露していない対照群でもACF が認められたことから、必ずしもTiO2に起因するものではないと考えた。さらに、いずれの試験も、対照群と投与群のいずれも、ACFの過形成(hyperplastic)と異形成(dysplastic)を区別していない。委員会は、TiO2がACFを誘発する決定的なエビデンスはなく、結腸の増殖性病変への進行を支持するエビデンスはないと結論した。 ・炎症及び免疫毒性 COTサブグループは、EOGRTを含む3つの試験のみが、E171を、食餌を介して投与したことを指摘した。これらの試験では、炎症や免疫毒性による有害影響は認められなかった。食品グレードのTiO2を、飲用水を介してラット又はマウスに投与した5つの試験がCOTによって検討された。いくつかの試験において、サイトカインや宿主防御遺伝子の発現の差異が観察されたが、試験間で一貫性があるわけではなく、また、経路の活性化という点では一様でもないため、解釈や結論の策定は困難であった。炎症の誘発や調節とは異なる、潜在的な免疫毒性作用も報告されている。これには以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。パイエル板を含む腸管、脾臓、末梢血単核球を介した免疫細胞を介した炎症の誘発、抗菌ペプチドを含むより広範な宿主防御機構への影響、腸内細菌叢への影響、腸管樹状細胞集団への影響、腸管T細胞亜集団及びマクロファージ集団への影響、血漿リンパ球数及び比率への影響、腸管粘液層の破壊等。しかし、全体として、食品グレードの二酸化チタンが免疫毒性及び炎症に関して懸念があると結論するには、十分な質のエビデンスが不十分である。 (次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06290131161) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/node/10621 |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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