食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100033314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食品と環境中に留まるパーフルオロ及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に関するQ&Aを公表 (4/5)
資料日付 2023年6月16日
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分類2 -
概要(記事) (この記事は 4 / 5 ページ目です)
(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06100032314)

・消費者はどの食品を通じてPFASを摂取するか?
 消費者はさまざまな食品群を通じてPFASを摂取する。飲料水、魚、魚介類が該当する。その他の動物性食品、特に内臓類、牛乳・乳製品、肉、卵、植物性食品も、測定可能なレベルのPFASを含む可能性がある。肉類に比べ、内臓類はPFASのレベルが高い。特に、イノシシのレバーのような狩猟動物の内臓は、PFASレベルが高い。この点については、次に示すBMUVの消費者向け情報を参照のこと。
https://www.bmuv.de/themen/gesundheit-chemikalien/gesundheit/lebensmittelsicherheit/verbrauchertipp#c15516
・個々の食品のPFAS含有量について何がわかっているか?
 食品中のPFASレベルに関するデータは、ドイツでは連邦各州の食品モニタリングプログラムで収集されている。PFASは植物性食品と動物性食品の両方から検出される。しかし、州当局が検査した食品サンプルのほとんどからはPFASは検出されなかった。これは、使用されている分析法の感度は高いものの、食品中のごく低レベルのPFASを検出するには必ずしも十分ではないためである可能性がある。
 現行の分析法では検出不可能なごく低レベルの長鎖PFASを含む食品を摂取すると、それでも長期的には血漿中などで測定可能なレベルになる可能性がある。これは、長鎖PFASが排泄されにくいため、人体に蓄積する可能性があるためである。
 現在利用可能なデータベースでは、どの食品が主にPFASの摂取に寄与しているかについては明言できない。各地域における食品および飲料水中のPFASの具体的なレベルや、地域ごとの摂取推奨可能量に関する情報は、各州当局から提供されている。
 PFASに関する情報は、例えば、バイエルン州では、バイエルン州保健食品安全局(LGL)(https://www.lgl.bayern.de/lebensmittel/chemie/kontaminanten/pfas/index.htm)、バーデン-ヴュルテンベルク州ではカールスルーエ州議会(https://rp.baden-wuerttemberg.de/rpk/abt5/ref541/stabsstelle-pfc/pfc-problematik-mittelbaden-mannheim/)、そしてニーダーザクセン州消費者保護食品安全局(LAVES)(https://www.laves.niedersachsen.de/startseite/lebensmittel/ruckstande_verunreingungen/perfluorierte-alkylsubstanzen-187637.html)で提供されている。
・食品を介した消費者のPFAS摂取量はどの程度か?
 2021年、BfRは食品におけるPFASの含有に関する健康評価を作成した。BfRが推定した4種類のPFAS(PFOS、PFOA、PFNA、PFHxS)の合計摂取量は、平均(中央値)で、4.4 ng/kg体重/週というTWIの範囲内である。これは、これら4種類のPFASへの長期ばく露が、成人人口の約半数でTWIを超えていることを意味する。この摂取量の推定は、2007年から2020年までのドイツ各州の食品モニタリングプログラムによる、ドイツの食品中のPFASレベルのデータに基づいている。
 2020年のEFSAの計算によると、欧州の成人におけるPFOA、PFNA、PFHxS、PFOSの1週間あたりの総摂取量の平均値は、これら4種類のPFASのレベルの合計で、体重1 kgあたり3~22 ngである。体重に基づく摂取量は、乳児、幼児、小児、青少年ではかなり高くなる可能性がある。そのため、子供や青少年だけでなく、成人においてもTWIを上回っている。
 BfRとEFSAの今回の見解では、食品中のPFASレベルに関するデータ根拠は、以前の見解に比べて拡大した。しかし、現在の摂取量推定においても、大半の食品検体における含有量は検出限界以下であった。このため、現在の総摂取量の推定値には、実際の摂取レベルに関しても、まだかなりの不確実性がある。
 分析方法の具体的な最適化と高感度測定システムの使用により、将来的にはPFAS分析の感度をさらに向上させることができる。食品モニタリングにおけるPFASの高感度分析法を確立し、さらに発展させることは、定量限界を下げ、低レベルのPFASも検出することに役立つ。その結果、総摂取量をより正確に推定することができる。
・健康指針TWI以外にPFASの健康リスクを評価する基準はあるか?
 先に示した総摂取量(外部ばく露)に加えて、血清または血漿中のPFASレベル(内部ばく露、「身体負荷」)は、前述の不確実性に影響されない現在のPFASばく露の第2の評価オプションを提供する。2020年のEFSAの見解によると、生涯TWIレベル(4種類のPFASのレベルの合計について、4.4 ng/kg体重/週)は、出産可能年齢の女性における4種類のPFASのレベルの合計について6.9 μg/Lの内部ばく露に相当する。この値を超えなければ、長期間母乳で育てられた子供であっても、健康への悪影響は予想されない。
 現在、ドイツからは、内部ばく露に関する代表的なデータは得られていない。ドイツの3都市の成人集団を対象とした最近の研究では、血清中の4種類のPFASのレベルの合計の中央値は、5.8 μg/L(ミュンスター)、4.1 μg/L(ミュンヘン)、7.1 μg/L(ベルリン)であった。これらの研究では、出産可能年齢の女性の2~36%が、TWIの基礎値である6.9 μg/Lを超える血清中レベルを示していた。これらのデータ(大まかな仮定:女性の25%が6.9 μg/Lを超える血清中レベルを示す)から、母乳育児行動に関する現在のデータを用いると、現在ドイツでは、1歳の乳児の約10%が、ワクチン抗体の濃度低下と関連する可能性のある当該4種類のPFASの臨界ばく露レベルを超えている可能性があると概算できる。BfRの見解では、現在の疫学データの状況では、このことが感染症の発生頻度の増大や重症化につながるかどうかについては、まだ結論を出すことはできない。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06100034314)
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/gekommen__um_zu_bleiben__per__und_polyfluorierte_alkylsubstanzen__pfas__in_lebensmitteln_und_der_umwelt-242936.html
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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