食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100034314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食品と環境中に留まるパーフルオロ及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に関するQ&Aを公表 (5/5)
資料日付 2023年6月16日
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06100033314)


・食品中のPFASの最大基準値はあるか?
 食品中のPFASなどの汚染物質の最大レベルは、一般的に欧州レベルで設定されている。2023年1月1日以降、EU加盟国では、特定の動物由来食品(卵、水産物および貝類、食肉、内臓などの内臓肉)に含まれるPFOS、PFOA、PFNA、PFHxS、およびこれら4種類のPFASのレベルの合計の法定最大レベルが適用されている。それ以来、これらのPFASの最大レベルを超える濃度で含有する食品は、もはや市場に出すことができなくなった。
・これまでに禁止されたPFASは?
 EUのREACH規則(規則(EC) No 1907/2006)が発効する以前から、PFOS(炭素原子数8(C8))のEU全域における使用禁止が採択されており(EC指令2006/122参照)、その直後にEUのPOPs(残留性有機汚染物質)規則に組み込まれた。こうして、国際ストックホルム条約に対応する規制が採択された(規則(EU)757/2010)。
 PFOAは当初、ドイツ当局の主導でノルウェー当局と協力してEU全域で規制された。これと並行して、ストックホルム条約の世界的に適用される残留性有機汚染物質の禁止リストにPFOAを含めることが進められ、2019年に採択された。さらに、PFHxS(炭素原子数6(C6))も2022年に別のPOPsとしてストックホルム条約に追加された。
 さらに、2023年2月25日以降、炭素原子数9~14のパーフルオロカルボン酸(PFNA、PFDA、PFUnDA、パーフルオロドデカン酸(PFDoDA)、パーフルオロトリデカン酸(PFTrDA)、パーフルオロテトラデカン酸(PFTeDA))の販売、製造、使用が制限された。EU委員会は現在、PFHxA(炭素原子数6(C6))の生産と使用を制限する提案も起草中である。この規制に関する決定は、おそらく2023年末までに下されるであろう。フッ素を含む消火用発泡剤を規制する補完的な提案は現在、ECHAの科学委員会で評価されている。決定はおそらく2024年になる見込みである。
 パーフルオロブタンスルホン酸(PFBS)、PFHxS、HFPO-DA(商品名”GenX”、アンモニウム2,3,3,3-テトラフルオロ-2-プロパノアート)など、他のいくつかのPFASは、すでにREACHの下で高懸念物質(SVHC)として特定されており、これらの物質も代替をめざしている。
・PFASの包括的規制に向けた更なるステップは計画されているか?
 2023年2月7日、ECHAは、広範なPFASの製造、使用、上市(輸入を含む)の禁止案を発表した。この禁止案は、EUの化学物質規制REACHの枠組みの中で、ドイツ(BfRも参加)、オランダ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの規制専門家によって作成された。ドイツからは連邦労働安全衛生研究所(BAuA)、連邦環境庁(UBA)、BfRが起草に関わった。禁止措置の目的は、PFASの環境中への放出を大幅に削減することである(2023年2月7日のBfR通知も参照(https://www.bfr.bund.de/cm/343/per-und-polyfluorierte-alkylsubstanzen-pfas-veroeffentlichung-des-vorschlags-zur-beschraenkung-nach-der-reach-verordnung-bei-der-europaeischen-chemikalienbehoerde.pdf))。この提案に関する欧州委員会の決定は、おそらく2025年になると予測される。PFAS規制案が採択されれば、2007年にREACH規則が発効して以来、最も広範な化学物質の禁止となる。
 PFAS規制の詳細については、次に示すBMUVのFAQ文書を参照。
https://www.bmuv.de/faqs/per-und-polyfluorierte-chemikalien-pfas/
・PFASは包装などの食品接触材料に使用されているか?
 PFASは様々な形で食品接触材料に使用されている。例えば、こびりつかないフライパン、フィルム、皿、コップ、保存容器などのキッチン用品として使われるフッ素樹脂がある。さらに、フッ素化側鎖をもつポリマーは、特に熱い液体や脂肪分の多い食品と接触することを意図した紙製包装材料の製造にも使用される。例えば、ファストフードの包装、電子レンジ用ポップコーンの袋、マフィン型枠、ベーキングペーパーなどである。
 2020年7月4日以降、PFOAとその塩または前駆体化合物については、食品包装材料などの製品に意図しない微量汚染物質として含まれる場合に限り、含有量規制が適用されている。規制値は、PFOAとその塩については製品1 kgあたり25 μg、前駆体化合物については製品1 kgあたり1,000 μgである。プラスチック製食品接触材料に関する規則(EU)No 10/2011では、高温で製造(焼結)される再利用可能な成形品の製造のために、PFOAのアンモニウム塩が引き続きリストに掲載されている。そのような成形品から食品への相当量のPFOAの溶出は予測されない。
 PFOSは、POPs規則(EU 2019/1021)に従って、食品接触材料の製造に意図的に使用してはならない。意図的でない混入の可能性については、低い制限値が設定されている。
 BfR勧告XXXVI「食品接触用の紙、厚紙および板紙」において、BfRは特定のPFASの使用に関する指標値を設定しており、その値を遵守することで健康リスクが生じる可能性は、現在の知見では低い。2018年現在、新たなPFASは勧告に含まれていない。既存の登録事項は継続的に見直され、必要に応じてリスク評価に関する新たな知見や欧州規制の変更に適応される
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/gekommen__um_zu_bleiben__per__und_polyfluorierte_alkylsubstanzen__pfas__in_lebensmitteln_und_der_umwelt-242936.html
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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