食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06050061314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、日用品に含まれるビスフェノールAに関するQ&Aを公表 (2/4)
資料日付 2023年4月27日
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06050060314)

 Q:BfRは、EFSAが2023年に提示したTDI 0.2 ng/kg体重/日が適切でないと考えた。なぜ適切ではないのか?
 A:BfRは、EFSAの新TDIの導出に関する2023年の意見書におけるアプローチと結論は、いくつかの点で不適切と考える。
 1)重要ポイントの選択(有害性とヒトへの関連性)
 EFSAはBPAのTDIを0.2 ng/kg体重/日に引き下げた。これは、マウスを用いたBPAの免疫系への影響に関する研究データに基づいている。妊娠中及び妊娠後にBPAを摂取した母マウスの子どもでは、脾臓における特定の免疫細胞(Th17細胞)の割合の増加が測定されたが、これらの(健康な)動物には、有害な影響の兆候はみられなかった。他の研究では、BPAは、病気の動物を使用したアレルギーモデルにおいて既存の炎症を部分的に悪化させることが示されている。今のところ、EFSAが特定した影響が研究されているのは、マウスだけである。
 Th17細胞は、主に粘膜(腸など)に存在する特殊なTヘルパー細胞で、真菌感染に対する免疫防御において重要な役割を担っている。これらの防御機能に加えて、Th17細胞は、乾癬のような炎症反応にも関係している。さらに、関節リューマチのような自己免疫疾患では、Th17細胞の相対数が増加することが示唆されている。しかし、Th17細胞数の増加がそれぞれの病状とどのような関係があるか、すなわち、相対的なTh17細胞の増加が病気を引き起こすのか、それとも、単に病気に付随するのか(関連性、因果関係)は、まだ明らかではない。Th17細胞に拮抗する薬剤は、臨床研究において、一般にこれらの疾患のいくつかの治療には不向きであった。健康なマウスでは、Th17細胞の相対的な増加は、炎症反応を誘起しないなど、悪影響を及ぼさなかった。米国国家毒性プログラム(NTP)の枠組みで行われたラットを使った大規模な研究では、母動物の胎内から2年後まで、全生涯にわたってBPAが毎日投与された。530以上の免疫系への影響の可能性を調べるなど、さまざまな試験が行われたが有害な影響は見つからなかった。著者らは、BPAが成体ラットの免疫力に有害な影響を及ぼす可能性は低いと結論している。試験されたBPAの最大用量は、25,000,000 ng/kg体重/日で、これはEFSAが導出した新TDIの1億2500万倍である。
 マウスとヒトの免疫系には類似性があるにも関わらず、免疫系の成熟過程や制御過程の違いなど、いくつかの重要な違いが確認されるため、マウス研究の結果をヒトに適用できるかどうかは疑問である。さらに、Th17細胞の相対的な増加を測定する方法は、標準化されておらず、妥当性も確認されていない。また、検査に関連する測定の不確かさに関する情報はなく、陽性対照もない。したがって、測定値の品質評価は不可能である。
 これまで実施されてきた疫学研究(集団研究)では、BPAの摂取と免疫学的影響の因果関係は示されなかったが、これらの研究には部分的に方法論上の欠陥が見られる。
 結論として、BfRの見解では、EFSAがTDI導出の根拠として使用した重要な成果である「Th17細胞の相対的な増加」及びEFSAが議論したその他の免疫学的効果は、ヒトにおける健康への有害な影響の予測には適しておらず、よって、TDI導出に用いるべきではない。
 入手可能なデータを評価した結果、BfRは、200 ng/kg体重/日のTDIの範囲におけるBPAへのばく露では、ヒトにおける免疫学的悪影響は(もし、あるとしても)生じにくいと結論する。
 2) 検討した文献の選択と重み付け
 BfRによるEFSA 再評価へのもう一つの批判点は、EFSA再評価の根拠となる研究の選択と質に関するものである。少数の例外を除き、2013~2018年の間の研究のみが評価された。その前後の時期に出版された関連研究は、たとえ関連する情報が含まれているとしても、(十分に)検討されていない。これは、EFSAも言及している国際的に認められたリスク評価の原則に反している。
 BfRは、評価された研究の質の評価とそこで得られたデータの信頼性についても、部分的に根本的な相違があるとみている。例えば、TDIの根拠となった重要な研究においてマウスは、ポリカーボネート製のケージで飼育されていた。BPAは、ポリカーボネート製造における原料であるため、BfRの見解では、動物の関連するバックグラウンドばく露の可能性が非常に高く、同様な実験に関する文献にも記載されている。さらに、動物には「標準飼料」が与えられていたが、BPAの含有量を検査したものではなく、BPAの含有量が少ないものを特別に選んだわけでもない。比較可能な研究が示すように、これもまた、研究動物のBPAの追加摂取に繋がる可能性が非常に高く、そのため、実際に投与された量は不明である。BfRの見解では、この研究は定量的なリスク評価には適さない。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06050062314)
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/bisphenol_a_in_alltagsprodukten__antworten_auf_haeufig_gestellte_fragen-7195.html

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