Q&A詳細
評価案件ID | mob20110700001 |
タイトル | 生食用牛肉等の衛生基準の早急見直しについて |
公表日 | 2012年11月1日 |
問い合わせ・意見 | 現状では「生食用食肉等の安全性確保について-生食用食肉の衛生基準-」(生衛発第1358号 食発第157号)で規定されているが、罰則規定はないのが現状です。また、このような生食用牛肉による食中毒はいくつかの事例は重症や死亡に至ることがしばしば見られることから、全国一律の法体制において下記の点について緊急に設ける事を提案します。 1)事故が発生した際の罰則規定 2)生食用食肉取り扱い業者の衛生管理強化 3)監視体制の強化 |
問い合わせ・意見分類 | 食品安全委員会活動一般関係 |
コメント元 | 食品安全委員会 |
コメント | 食品安全委員会では、本年7月8日に厚生労働大臣からの評価要請を受け、微生物・ウイルス専門調査会において「生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌」に関する評価(案)をとりまとめた後、国民の皆様からの御意見・情報の募集を経て、8月25日に厚生労働省に評価結果を通知いたしました。 評価の内容は、厚生労働省の諮問に関して、 ・腸管出血性大腸菌又はサルモネラ属菌としての「摂食時安全目標値」(FSO)は、我が国の既知の食中毒の最小発症菌数から推測すると、0.04 cfu/gよりも小さな値であることが必要であるが、厚生労働省から提案された「摂食時安全目標値」(FSO)の0.014 cfu/gは、0.04 cfu/gとした場合より3倍程度安全側に立ったものであること(注:「cfu」(colony forming unit)/菌数の測定単位で、培地上で培養された菌がつくるコロニー(集まり)の数を数えたもの) ・加工時の「達成目標値」(PO)について「摂食時安全目標値」(FSO)の1/10とすることは、流通・調理時の適正な衛生管理下では相当の安全性を見込んだものであること ・生食部分は、直接は加熱処理されない部分であり、「加工基準」はリスク低減効果はあるものの、それのみでは加工時の「達成目標値」(PO)の担保はできず、微生物検査を組み合わせる(※)ことが必要であること ・加熱方法の決定等の加工工程システムの設定の際は、こうした検査等により、あらかじめ食品衛生管理の妥当性の確認(バリデーション)が不可欠であることに留意する必要があること 等としています。 ※25検体(1検体当たり25g)以上が陰性であれば、高い確率(97.7%の製品につき95%の確率)で、「達成目標値(PO)」(0.0014cfu/g)の達成が確認できると評価 なお、評価書の作成に際しては、海外の文献を含め、多数の文献を活用して検討が進められました。 一方、食品安全委員会としては、従来より、肉の生食等に関して注意喚起を行ってきたところですが、特に子どもや高齢者をはじめとした抵抗力の弱い方は、引き続き、生や加熱不十分な食肉や内臓肉を食べないよう、周りの方も含めて注意することが必要と考えています。また、生肉を扱ったトングや箸などの取扱いについても、注意喚起を行ってきたところであり、食中毒全般につきましても、食中毒予防のポイントとして情報提供を行ってきたところです。御意見も参考としながら、今後とも、こうした普及啓発を進めてまいります。 〔参考〕 ○腸管出血性大腸菌による食中毒に関する情報 http://www.fsc.go.jp/sonota/tyoukan-shokuchu.html http://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku/barbecue_chudoku.pdf ○腸管出血性大腸菌による食中毒の防止について http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_profile.pdf ○食中毒予防のポイント http://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku.html ○食の安全を科学する「サイエンスカフェ」第5話 動画「誰でもなる!?食中毒を防ぐ調理を考える 」 http://www.fsc.go.jp/osirase/dvd/movie_science_cafe5.html ○食の安全を科学する「サイエンスカフェ」第6話 動画「科学の目で見る食中毒 どうしてなるの?なったらどうなるの? 」 http://www.fsc.go.jp/osirase/dvd/movie_science_cafe6.html |
コメント元 | 厚生労働省 |
コメント | 厚生労働省では、生食用食肉(牛肉)に係る衛生基準を定め、関係事業者における適切な衛生管理を指導してきたところですが、衛生基準に強制力がなく、事業者において十分に遵守されていなかったこともあり、本年4月に飲食チェーン店での腸管出血性大腸菌による食中毒事件が発生したことを受け、食品衛生法に基づく生食用食肉(牛肉)の規格基準を設定することとし、10月1日に施行しました。 本規格基準においては、微生物の成分規格、加熱殺菌の基準等の他、事業者において適切な運用が図られるよう生食用食肉を取り扱う者の要件、検査及び加熱殺菌条件に係る記録の義務づけ等が規定されています。 また、生食用牛レバーについても、規制を含めた対応についての検討にあたり、腸管出血性大腸菌の汚染実態調査を実施した上で、年内を目途に薬事・食品衛生審議会の部会での検討に着手する予定としています。 その他、厚生労働省では、食肉の加熱不足及び生食に関して、内閣府の運営する政府広報オンラインのお役立ち記事として昨年5月に「ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒」を広報するとともに、政府広報新聞突き出し記事として昨年8月に「夏はO157など細菌による食中毒にご注意!」、本年6月に「O157やO111などによる食中毒に注意!」を広報して情報提供しています。また、動画「お肉はよく焼いて食べよう」を作成し、食品安全部ホームページに掲載していますのでそちらもご参考にしてください。今後とも、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 〔参考〕 ○政府広報オンライン 「ご注意下さい!お肉の生食・加熱不足による食中毒」 http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201005/4.html ○政府広報 「夏はO157など細菌による食中毒にご注意!」 http://www.gov-online.go.jp/pr/media/paper/tsukidashi/990.html ○政府広報 「O157やO111などによる食中毒に注意!」 http://www.gov-online.go.jp/pr/media/paper/tsukidashi/1042.html ○動画「お肉はよく焼いて食べよう」 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/syouhisya/index.html |
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