食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06190071535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、食品および飼料に含まれるポリ塩化ナフタレンによるリスクに関する欧州食品安全機関(EFSA)の意見書草案のコンサルテーションに関連する資料(TOX/2023/63)を公表 (2/3)
資料日付 2023年12月8日
分類1 -
分類2 -
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06190070535)

 ハザードの解析(抜粋)
 適切な疫学データがなかったため、ハザードの解析は実験動物を用いた研究に基づいている。観察された有害影響はすべてヒトに関連すると仮定した。様々な試験で観察された肝臓や胸腺への影響、血液学的影響、発達および神経毒性への影響について、最小毒性量(LOAEL)と無毒性量(NOAEL)をすべて列挙した上で、EFSAパネルは、ヘキサCN(訳注 塩素原子を6つもつCN)の混合物を用いて行われた亜慢性毒性試験で観察された血小板数の減少を重要な影響であると判断した。NOAELは、0.03 mg/kg体重/日であった。
 パネルは、EFSAの2022年ガイダンスに従ってベンチマークドーズ(BMD)モデリングを行った。パネルは、血小板数の変化が20%以内であれば有害ではない可能性があるとする国連食糧農業機関(FAO)/WHO合同農薬専門家会議(JMPR)のガイダンスに基づき、反応レベルを20%とすることを決定した。BMDモデル平均化の結果、BMDL20(訳注 ベンチマークドーズの信頼区間の下限値)は0.05 mg/kg体重/日と求められた。
 入手可能なデータには限界と不確実性があるため、EFSAパネルは、健康影響に基づく指標値(HBGV)を設定することは適切ではなく、代わりにばく露マージン(MOE)アプローチを用いるべきであると考えた。パネルは、MOEが2,000以上であれば懸念はないと考えた。これは、種間差と種内差それぞれに対して係数(訳注 不確実係数(UF))10、慢性ではなく亜慢性試験を使用したことに対してUF 2、データベースの限界に対してUF 10を考慮したものである。データの限界は、生殖毒性、発がん性、発達神経毒性および免疫毒性に関する研究がないこと、遺伝毒性に関する情報が非常に限られていること、用いた主要な研究の限界、および生物蓄積に関するデータの不足であった。用いた主要な研究の限界は、雌のみが研究されていること、いくつかの標準的パラメータが評価されていないことであった。
 存在とばく露の評価
 ・食品における存在
 主にガスクロマトグラフィ(GC)を用いた方法、特に高分解能ガスクロマトグラフィ質量分析法(GC-HRMS)、によって食品371検体から得られた合計9,111の分析結果は、適用されている品質基準を満たしていた。結果として、71種類のPCNが検出された。EFSAパネルは、リスク評価に使用される毒性データがヘキサCN混合物のものであったため、ヘキサCNの結果に焦点を当てることを決定した。したがって、食品371検体におけるヘキサCNに関する2,317の分析結果が、ばく露評価に用いられた。
 定量化されたデータの割合が最も高かったのは、食品カテゴリーの「卵と卵製品」、「魚介類、両生類、爬虫類、無脊椎動物」、「牛乳と乳製品」、「肉と肉製品」であった。平均濃度が最も高かったのは「全卵(whole egg)」、次いで「遡河性魚類(diadromous fish)」であった。
 EFSAパネルは、鶏卵におけるPCN-69の313 ng/kgという特に高い結果が、食品カテゴリー「卵と卵製品」におけるPCN-69の平均濃度レベルにかなりの影響を与えたと指摘した。
 乳児用調製乳については、フォローオン調製乳(粉末)の1検体のみが報告され、PCN-64/68(※訳注2)とPCN-66/67のみが測定された。
 ヒトの母乳については、2016年から2019年にかけてWHO/国連環境計画(UNEP)の実地調査(field study)の一環として収集・分析された検体から、欧州人の母乳における個別または異性体の「ペア」を合わせて26種類のヘキサCNのデータが得られた。
 ・飼料における存在(略)
 ・食事ばく露評価
 EFSAパネルは、PCN-63、PCN-64/68、PCN-65、PCN-66/67、PCN-69、PCN-70、PCN-71/72について、平均値と95パーセンタイルで慢性食事ばく露量を評価した。PCN-69については、卵検体で測定された313 ng/kgという高濃度で含む場合(シナリオA)と、それを除外する場合(シナリオB)の2通りのばく露評価が行われた。
 重要な毒性学データは、ヘキサCNとヘプタCN(訳注 塩素原子を7つもつCN)の一種であるPCN-73の混合物を用いた研究から得られたものであったため、ばく露評価もすべてのヘキサCNとPCN-73の合計ばく露量(混合物シナリオ)に基づいて行われた。これは、卵検体で検出された高濃度のPCN-69を含む場合(混合物シナリオA)と含まない場合(混合物シナリオB)の両方で行われた。
 さらに、ばく露量は2通りの特別なシナリオ((i)魚類のみを摂取する消費者のばく露(魚類におけるPCNの濃度が比較的高いため、魚類を摂取する人は摂取しない人よりもPCN摂取量が多い可能性があるため)、(ii)母乳で育てられている乳児(生後3か月、体重6.1 kg、母乳の平均摂取量800 mL/日または高摂取量1,200 mL/日)のばく露)で推定された。
 英国はもはやEU加盟国ではないため、EFSAの食事ばく露評価には英国の消費量データは含まれていない。
 個々(または「ペア」)のヘキサCNばく露シナリオでは、欧州の食事調査全体で最も高いばく露はPCN-69シナリオA(卵における高濃度の結果を含む場合)で推定され、「幼児」で最も高いばく露が推定された。PCN-66/67のばく露に主に寄与している食品カテゴリーは、成人グループでは「魚、魚介類、両生類、爬虫類、無脊椎動物」と「肉と肉製品」、幼児グループでは「牛乳と乳製品」であった。しかし、その他のヘキサCNでは、「卵と卵製品」と「魚介類、両生類、爬虫類、無脊椎動物」の食品カテゴリーが最も大きく寄与していた。
 混合物シナリオでは、「高齢」消費者のばく露が最も低く、「幼児」のばく露が最も高いと推定され、推定ばく露量はシナリオBよりもシナリオA(卵における高濃度のPCN-69の結果を含む場合)の方が高かった。食品カテゴリー「魚介類、両生類、爬虫類、無脊椎動物」と「卵・卵製品」は成人グループのばく露に最も大きく寄与し、「牛乳・乳製品」は幼児のばく露に最も大きく寄与していた。

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地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/EFSA%20consultation%20on%20a%20draft%20opinion%20on%20risks%20from%20polychlorinated%20naphthalenes%20in%20food%20and%20feed
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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