食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06570411535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、「母体の食事におけるシトリニンの潜在的リスクに関する第二次声明案」を公表 (後半2/2) |
資料日付 | 2025年8月28日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06570410535) 《健康影響に基づく指標値(HBGV)》 〈EFSA〉 2012年、EFSAは、遺伝毒性に関する利用可能なデータ、及び、データベースにおける限界・不確実性を踏まえ、HBGVの導出は適切ではないと結論している。 遺伝毒性又は発がん性を有する可能性がある化合物に対し、EFSAはMOE(margin of exposure)アプローチの適用を推奨している。しかしながら、CITに対しては、ヒトの食事性ばく露データが不足していることから、EFSAは、MOEアプローチが適切であるとは判断せず、代替として、CITのリスクを判定すると決定し、ヒトにおいて腎毒性の懸念を提起しない用量を設定した。懸念を提起しない用量とは、HBGVではなく、当該用量未満では腎毒性作用への懸念が明らかには認められない用量である。当該用量は、他のエンドポイントに対しては、具体的には対処しない。 懸念を提起しない当該用量は、Leeら(2010)によるラットを用いた試験にて得られた無毒性量(NOAEL)20 μg/kg体重/日に基づいている(パラグラフ21)。EFSAは、種間(10)及び個体間(10)の変動に対するデフォルトの不確実係数(UF)100を適用し、腎毒性の懸念を提起しない用量を0.2 μg/kg体重/日と導出している。 しかしながら、EFSAは、腎毒性の懸念を提起しない用量では、遺伝毒性及び発がん性の懸念を排除することはできないことに留意している。 〈RIVM〉 2015年、VWAはRIVMに、EFSAの科学的意見書以降に公表された毒性学的研究がベンチマーク用量(BMD)又はHBGVの導出に利用可能か否かを判断するため、文献検索に基づく報告書の作成を委任した。 RIVMは、取得した研究の中から、Singhら(2014)による発達毒性試験(パラグラフ32)、及び、Hayashiら(2012)による70日及び90日毒性学的試験(パラグラフ30)の2件をBMD分析に向け選定した。 導出された最も低いBMDLは、Singhら(2014)の研究における「頭殿長の減少」に対する48 μg/kg体重/日であり、当該研究では、リスク評価に向けた適切なPOD(point of departure)と見なされている。当該BMDLは、EFSAが2012年に設定したNOAELの2.4倍となる。 RIVMは、2011年から2015年の期間には、シトリニンのin vivo遺伝毒性又は発がん性に関する新たな入手可能な科学論文は認められないと結論している。ラットにおけるシトリニンの腫瘍形成能に関するAraiの研究(1983)(パラグラフ17)の再評価から、当該研究はBMD分析には適さないことが明らかとなった。よって、RIVMはシトリニンの遺伝毒性及び/又は発がん性に関するEFSAの結論に同意し、HBGVを導出していない。RIVMはさらに、シトリニンの潜在的発がん性の検討を進めるためには、実験動物を用いる適切に設計された毒性学的試験の実施が必要であるというEFSAの要請を支持している。 〈COT〉 2012年のEFSA評価及び2012年から2024年までに公表された新たなデータから、COTはシトリニンが急性腎毒性を有する点に合意する。母体毒性の評価において着目すべき点として、観察された影響の大部分は母体に対する毒性量にて認められているものの、in vitro及びin vivo研究の双方において、シトリニンへの経口ばく露が生殖毒性及び発生毒性を引き起こす可能性を示す数件のエビデンスが得られている。 全体として、2012年のEFSA意見以降に公表された新たなデータは、既存の結果を支持するか、CITに関する総合的な知見の基盤を補完するものであった。 したがってCOTは、HBGVを設定することは不可能であり、消費者に対するCITのリスクを判定するためには腎毒性の懸念を提起しない用量を使用することが適切であるという、EFSAの意見に同意する。RIVMが取得したBMDLは、中でも生殖影響を対象とするものであるが、これはEFSAの懸念を提起しない用量の2.4倍である。したがって、腎毒性の懸念を提起しない用量は、母体毒性、生殖毒性、発生毒性に対して十分な保護になると考えられる。 《結論》 入手可能なデータに依拠し、COTは、HBGVは設定不可能であると結論し、腎毒性の懸念を提起しない用量として0.2 μg/kg体重/日を適用するEFSAのアプローチに同意する。COTはさらに、当該用量は母体・生殖・発育への影響に対して十分な保護効果を有すると判断する。RIVMは生殖影響のPODとして48 μg/kg体重/日のBMDLを設定したが、これは腎毒性の懸念を提起しない用量よりも高いものであり、これにより、さらに信頼性が高まる。 CITの推定ばく露量は、腎毒性及び生殖・発達への影響に対し、毒性学的懸念を提起しない。くわえて、CITは如何なる食品群からも定量下限(LOQ)を超過して検出されなかったことから、CITへの食事性ばく露量は低いことが確認され、よって、食事中のCIT含有量は英国の消費者に対して懸念とはならないという結論が証拠立てられる。 しかしながら、データベースにおける限界から、遺伝毒性及び/又は発がん性のリスクを排除できない。CITの潜在的な遺伝毒性作用及び発がん性作用を探るため、さらなる研究が必要である。 《COTの見解を求める質問》 I. COTは、本声明の内容及び構成に加えられた変更に関し、何か意見があるか。 II. COTは他に意見があるか? (注) 本文書はディスカッションを目的とする。COTの見解を示すものではなく、引用されるべきではない。 本声明案の全文は以下より入手可能。 https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2025-08/TOX-2025-32%20Citrinin%20in%20the%20Maternal%20Diet_Second%20Draft%20Statement%20Acc%20V%20SO.pdf (訳注) 当該規則は、現在、欧州委員会規則(EU) 2023/915により廃止され、置換されている。 https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2006/1881/oj/eng |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Second%20draft%20statement%20on%20the%20potential%20risk%20from%20citrinin%20in%20the%20maternal%20diet |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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