食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06560171149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、イマザリル(imazalil)に関する規則(EC) No 396/2005の第12条に基づく最大残留基準値(MRL)の審査後の補強データの評価及び柑橘類における現行MRLの改定に関する理由を付した意見書を公表 (後半2/2)
資料日付 2025年8月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06560170149)

 補強データの評価結果に基づき、EFSAは代謝物R014821、FK-772及びFK-284の毒性学的プロファイルに関するデータギャップは対処されたと結論した。利用可能な実験データに基づき、代謝物R014821及びFK-772は遺伝毒性がない可能性が高いと結論した。EFSAは、RMSの決定に同意し、代謝物FK-284についても同様の結論が適用可能であると判断した。また、イマザリルの毒性学的参照値は、最悪のケースのアプローチとして、代謝物R014821、代謝物FK-772及びFK-284に適用可能であると結論した。
 EFSAは、イマザリルの柑橘類における提案された収穫後使用に関する新たなMRLの申請についても評価した。オレンジとマンダリンにおける残留試験は、より重要な収穫後浸漬/散布用途、及び現在対応されている代謝物R014821、FK-772及びFK-284の毒性に関するデータギャップを考慮し、柑橘類全体(グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン及びその他の柑橘類)に対するMRL案の7 mg/kgを導出するのに十分である。植物中の残留物の定義を議論するために専門家会議が開催された。この会議の後、EFSAが果物の収穫後使用に関するMRL審査において以前に提案したリスク評価のための暫定的な残留物の定義は、「イマザリル(構造異性体の比率を問わず)と代謝物R014821の合計をイマザリルとして表す」と確認された。この残留物の定義に従って評価された十分な残留試験により、リスク評価のための入力値の計算が可能となる。申請書に提出された個体間(unit-to-unit)の残留量の変動に関する新たなデータにより、急性の消費者リスク評価における既定値を置き換える経験的変動係数を導出しすることが可能となり、柑橘類に対するMRL案の安全性を示すことが可能となった。バナナについては、申請者及びRMSの要請に基づき、バナナのCXL 3 mg/kgに対応する入力値(果肉中のイマザリル残留量)が消費者リスク評価に含められた。
 柑橘類の副産物である乾燥果皮は家畜動物の飼料として使用可能である。算定された食餌摂取量は、柑橘類における新たな使用が、動物由来製品における現行MRLの根拠となる家畜動物のばく露レベルに影響を与えないことを示しており、従って、これらの値の変更は不要である。動物由来製品におけるMRLは、EU規則(EU) 2020/856によりEU立法で実施されたCXLに相当し、より高い食餌摂取量に基づいて算定されている。
 消費者リスク評価は、EFSAの残留農薬摂取量算出モデル(PRIMo)のバージョン3.1を使用して実施された。EFSAは、提出された新たなデータ(柑橘類の新たな変動係数の計算を含む)を考慮して、以前のリスク評価を更新した。情報に基づいたリスク管理の決定を可能にするため、コーデックス委員会がバナナとメロン(収穫後使用)のために導出した入力値が計算に含められた。バナナとメロンにおける代謝物R014821の残留物は分析されていなかったため、この代謝物の急性及び慢性ばく露への寄与を推定できず、標準的ではない不確実性が生じた。EFSAは、国際的に合意された手法に従って行われた計算に基づき、MRL申請の対象となっている用途が、消費者の摂取量が急性参照用量(ARfD)を超えることはないと結論した。最も高い値は、オレンジにおいてARfDの最大66.6%を占めた(英国、乳児食)。EFSA PRIMoに組み込まれた欧州のどの食事パターンにおいても、長期的な消費者摂取に関する懸念は確認されなかった。推定された長期的な食事摂取量は、許容一日摂取量(ADI)の67%を占めた(オランダ、幼児食)。柑橘類とバナナにおける残留物が全体的な長期ばく露に占める割合は低く、それぞれADIの最大3.22%(ドイツ、小児食、オレンジ)と1.07%(オランダ、幼児食、バナナ)であった。
 EFSAによるMRL改正案は以下のとおり(抜粋)。品名: 現行MRL(mg/kg) / MRL改正案(mg/kg)。
グレープフルーツ: 4(※1) / 7
オレンジ: 4(※1) / 7
レモン: 5(※1) / 7
ライム: 5(※1) / 7
マンダリン: 5(※1) / 7
その他の柑橘類: 0.01(※2) / 7
バナナ: 0.01(※2) / 3(※3)
ズッキーニ: 0.1(※4) / 0.08
メロン: 2(※5) / 0.01(※2)又は2(※6)
(※1) EFSAは、代謝物の毒性に関する一部の情報を入手できないと判断した。MRLの再検討に際し、委員会は、最初の文で言及されている情報が2021年9月26日までに提出された場合は当該情報を考慮し、同日までに提出されない場合は当該情報の欠如を考慮する。
(※2) 定量限界(LOQ)で設定されているMRL
(※3) バナナに対するコーデックスMRLの適用は、リスク管理上の決定に基づくものである。消費者へのリスクは提起しないものと判断されている。代謝物R014821の残留物が消費者のばく露に寄与する程度は、CXLにおいて推定できず、標準的ではない不確実性が生じている。
(※4) EFSAは、残留試験に関する一部の情報を入手できないと判断した。MRLの再検討に際し、委員会は、最初の文で言及されている情報が2021年9月26日までに提出された場合は当該情報を考慮し、同日までに提出されない場合は当該情報の欠如を考慮する。
(※5) EFSAは、代謝物の毒性に関する一部の情報を入手できないと判断した。MRLの再検討に際し、委員会は、最初の文で言及されている情報が2021年9月26日までに提出された場合は当該情報を考慮し、同日までに提出されない場合は当該情報の欠如を考慮する。
(※6) EFSAが指摘した代謝物R014821の毒性に関するデータギャップは対処された。ただし、EFSAは、MRLの審査で提出されたメロンに関するEUの重要なGAPがデータで十分に裏付けられていないと指摘し、2019年にコーデックスの代替MRL(2 mg/kg、収穫後使用)が撤回された。現行MRLを維持するかどうかに関するリスク管理上の決定が必要である。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9614
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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