食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06470311149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、メプチルジノキャップに対するMRLレビューを受けた補強データの評価、及び既存の最大残留基準値(MRL)の改正に関する理由を付した意見書を公表 (後半2/2)
資料日付 2025年3月20日
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分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06470310149)

4. SEU及び屋内GAPを遵守したイチゴにおける追加の残留試験。試料の貯蔵は、酸性度が高い作物に関して、許容可能な期間を満たす必要がある。
 暫定的なMRL案は、欧州委員会規則(EU) 2021/1864によりMRLの法律において施行されており、上記1~4のデータギャップに関連する脚注を含んでいる。これらの脚注は、提案された暫定MRLを維持することに関心がある当事者から2023年10月23日までに提出される必要があった補強データの種類を示している。
 作業文書SANTE(保健衛生・食の安全総局)/10235/2016に定められた手続き、規則(EC) No 396/2005第6条、及び透明性規則(EU) 2019/1381に定められた規定に従って、Corteva Agriscience International社は、クロアチア(評価担当加盟国:EMS)の管理当局に対して、MRLレビューの間に特定された補強データを評価するよう申請した。さらに、申請書には、生食用及びワイン用ブドウに関するMRLの引き上げも含まれていた。
 植物中のメプチルジノキャップの代謝は、同有効成分の承認に関するピアレビュー、及びジノキャップ(dinocap)のMRLレビューの枠組みにおいて、主作物において調査された。代謝試験の結果に従って、規制及びリスク評価の対象残留物は、果実グループを対象とし、「メプチルジノキャップ及び2,4 DNOPの合計をメプチルジノキャップとして表す」とされた。メプチルジノキャップのR、S及びE/Z異性体の運命は対応されず、データギャップとして留意された。その後のMRLレビューでは、ばく露計算における大きな安全マージンを考慮すると、ある異性体が別の種類の異性体に選択的に代謝することが毒性評価及び消費者リスク評価に及ぼす影響は、既存の認可済みの用途に関して懸念になることは予想されないと結論された。
 輪作作物中のメプチルジノキャップの性質は調査されず、輪作作物に関する評価対象残留物は導出されなかった。上記1のデータギャップはMRLレビューの期間に設定され、今回の申請の枠組みにおいて、補強データは提出されなかった。そのMRLレビューで特定されたデータギャップは依然として対応されておらず、イチゴ、メロン及びスイカが対象である。 
 0.01 mg/kgの定量限界(LOQ)で水分及び酸性度が高いマトリックス中の評価対象残留物(案)を規制するために、十分にバリデーションがとれた分析法が利用可能である。提出されたブドウに関する新たな残留試験では、欧州連合(EU)の既存のMRLを0.4 mg/kgに引き上げる必要があるため、ブドウ専用に以前評価された液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS method)の検証データが提供され、新たな残留試験及びブドウの貯蔵安定性試験の分析にその使用を支持するため使用された。しかしながら、EFSAは、分析法の抽出効率が、抽出効率ガイダンスSANTE2017/10632の要件に示されたとおりに証明されていないことに留意する。これらのデータ不足により、今回の評価に追加的な不確実性をもたらす。
 MRLレビューの期間にEFSAが特定した上記2、3、4のデータギャップに対応するため、申請者は、高い酸性度の作物中のメプチルジノキャップ及び2,4-DNOPに関する新たな貯蔵中の安定性試験、及びブドウに関するGAPを遵守した10件の新たな残留試験を提出した。
 冷凍条件における、高い酸性度のマトリクス中の親物質メプチルジノキャップ及びその代謝物2,4 DNOPの貯蔵中の安定性は12か月にわたり示され、したがって、MRLレビューによって評価されたイチゴ及びブドウへの残留試験の有効性は確認可能であった。
 今回の申請の枠組みにおいて、高い水分の作物中の代謝物2,4-DNOPの貯蔵安定性に関するデータギャップに対応するための情報は提出されなかった。したがって、メロン及びスイカに関する残留試験の有効性は確認できなかった。したがって、EFSAは、上記2、3、4のデータギャップはブドウ及びイチゴに関して十分に対応されたが、メロン及びスイカに関しては対応されなかったと結論した。
 利用可能な残留試験は、生食用及びワイン用ブドウに関するMRL案及びリスク評価リスク評価の数値を導出するために十分であると考えられた。
 今回の評価において考察された作物及びそれらの副産物は家畜に給与されないため、さらなる考察は不要である。
 EFSAは、ブドウに関して利用可能な新たな残留データを考察し、以前の消費者リスクを更新した。本評価において報告された既存の認可済の用途に由来する慢性及び急性の消費者ばく露は、EFSAの残留農薬摂取量算出モデル(PRIMo)3.1版を使用して計算された。慢性ばく露の最大値は許容一日摂取量(ADI)の8%(オランダ、幼児)であった。ブドウ中の高い残留物に関連する急性摂取の懸念はなかった。急性ばく露の最大値は、生食ブドウに関して急性参照用量(ARfD)の19%であった。
 EFSAによるMRL改正案は以下のとおり(抜粋)。
食品           現行MRL mg/kg        MRL改正案 mg/kg
生食用及びワイン用ブドウ   0.2              0.4
(※訳注) 2,4-DNOPは、2,4-dinitro-6-[(2RS)-octan-2-yl]phenolを表していると思われる。
参考資料:EFSA, Review of the existing maximum residue levels for meptyldinocap (DE-126) according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005, EFSA J., (2020), 18(6), e06157. https://doi.org/10.2903/j.efsa.2020.6157
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9309
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