食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06411010535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、妊娠中にショウガサプリメントを使用することの安全性に関する第3次声明草案を公表 (前半1/2)
資料日付 2024年12月4日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国毒性委員会(COT)は12月4日、2024年12月10日の会合用の協議事項及びペーパーとして、「妊娠中にショウガサプリメントを使用することの安全性に関する第3次声明草案」を公表した。(TOX/2024/44、PDF版98ページ)。概要は以下のとおり。
《序説》
 母体の食事に関して現在進めている作業プログラムの一環として、COTは、妊娠中にダイエタリー・サプリメントを使用することについて検討しており、妊娠中に広く利用されているダイエタリー・サプリメントをレビューしたスコーピング・ペーパー(TOX/2020/51)が提出されている。当該サプリメントは、関連管轄当局が公式に推奨する製品ではないが、事例証拠(anecdotal evidence)や非公式の情報源により、種々の利点があると主張され宣伝されている。当該レビューは、食品法の下で規制され、かつ、医薬品・ヘルスケア製品規制庁(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency (MHRA))監督下にある伝統的ハーブ医薬品ではないハーブ系ダイエタリー・サプリメントに限定された。レビューの後、COTは、ヒト・動物・in vitroデータが利用可能であることに留意し、ショウガに関しては追加調査が必要である旨に同意した。
 2021年5月、COTは妊娠中・授乳中のショウガ及びショウガサプリメントの潜在的影響について検討している。ペーパーTOX/2021/26では、母体への毒性、胎児又は胚の発達への影響、薬物との潜在的相互作用、潜在的ばく露に関する入手可能なデータをレビューしている。
 総括して、データは限定的であると結論された。提示されたヒトのデータは、毒性学的な懸念を強く示唆するものではなかったが、潜在的有害影響の兆候を示すものもあり、不確実性も高かった。ショウガに全身毒性はないと見られるが、高用量のサプリメントには生殖毒性作用があると見られる。COTは、動物データをさらに詳細に調査してPOD(point of departure)(無毒性量(NOAEL)を決定し、その後、サプリメントへの潜在的ばく露量を算出して、懸念すべき根拠があるか否かを判断するよう提案している。
 ペーパーTOX/2021/51は、動物実験、汚染物質類、ショウガサプリメントへのばく露に関して追加情報を提供し、主として、プロスタグランジン類に対するショウガの影響、生殖毒性及び発達毒性、ショウガに含有される潜在的汚染物質類に焦点を当てている。
 COTの委員らは、個々のショウガ抽出物を同等とは判断できないものの、それらが妊娠初期に何らかの生物学的活性を示すと思われる点には留意した。ショウガの使用に由来する普遍的な全身毒性の兆候はないことは再確認された。
 2022年7月に草案声明(TOX/2022/42)が検討された。当該声明では、以前のディスカッション・ペーパーにて提供された情報を念頭に、ショウガを使用することの安全性、中でも母体の食事におけるショウガサプリメントの安全性に関し、総合的に結論された。
 本声明案では、シクロオキシゲナーゼ(COX)及びプロスタグランジン活性に対してショウガ成分が及ぼす潜在的影響について利用可能なデータベースに追加情報を提供するため、COTが新たに特定した研究が含まれる。検討された全ての研究の要約は、参照用として附属書Bに表形式にて提示されている。
《背景》
 2019年、栄養に関する科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee on Nutrition (SACN))は、妊娠中・出産時・出産後24ヶ月までの母体の転帰に焦点を当て、栄養摂取と母体の健康に関するリスク評価を実施することに同意した。これには、食事中に含有される化学汚染物質と過剰な栄養素の影響が含まれる。
 この主題は、2020年1月のCOTの会合にて実施されたホライズン・スキャンニングにおいて最初に議論され、2020年7月の会合においてスコーピング・ペーパーが提示された。これには、SACNが提案した化学物質の暫定リストに関する背景情報が含まれていた。
 2020年9月の会合における議論の後、COTは数点の化合物に関するペーパーを優先すべきであることに同意した。以下のペーパーは、ショウガへのばく露が母体の健康にリスクをもたらすか否かに関し、COTの提言を示すものである。
 ペーパーTOX/2020/51には、妊娠中に最も高頻度にて推奨されているサプリメント(ショウガ、カモミール、ラズベリーリーフ、エキナセア、ペパーミントのオイル及び葉、タンポポ、月見草オイル)について詳細な要約が記載されており、利用可能である場合、妊婦及び母体における転帰と関連する研究に焦点を当てている。主たる調査分野は、母体に対する一般毒性、胎児又は胚の発達への影響、医薬品との潜在的相互作用であった。COTは、ショウガに関しては、ヒト及び動物におけるin vitro及びin vivoの双方のデータが入手可能であることを指摘し、さらなる調査が必要であることに同意した。
 COTは、ショウガはサプリメントとしてのみならず、ショウガビスケット、ショウガ茶、ショウガビール等の食品に含有され、食事の一部として摂取されるため、食用品中に含有されるショウガの摂取量も考慮する必要がある点に留意した。したがって、妊娠中にショウガサプリメントを使用することの安全性に対処する際には、総合ばく露(aggregate exposures)を考慮する必要がある。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06411011535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Safety%20of%20Ginger%20Supplement%20Use%20in%20Pregnancy%20-%20Introduction%20and%20Questions
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