食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06411001535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、母体の食事におけるエキナセアの潜在的健康影響に関するディスカッション・ペーパーを公表 (後半2/2) |
資料日付 | 2024年12月3日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06411000535) 妊娠中・授乳中にエキナセア製品を使用することの安全性に関しては、in vitro/in vivo/臨床における研究から得られるデータは限定的であり、多くの不確実性が認められる。OECDガイドラインに準拠したin vitro及びin vivo研究からは、エキナセアには遺伝毒性がないことが示唆されている。妊娠中にエキナセアを補給することの影響を調査した研究は、マウスにおいて2件、ブタにおいて1件、ウサギにおいて2件確認された。マウスを用いた研究2件では、エキナセアにより胎児が消失する可能性、及び、胎児の血管新生が変化する可能性が高まる点が強調されているが、サンプルサイズが小さく、胎児の血管新生に関する報告では結果の一部に矛盾が認められる。ブタあるいはウサギを用いた研究では、エキナセア補給群と対照群の間で、出生時体重、妊娠転帰、奇形出現頻度に関して有意差は報告されていない。エキナセアが妊娠転帰に与える影響を調査したヒトを対象とする研究2件では、妊娠中のエキナセア使用と関連する有害影響は強調されていないが、当該研究2件は観察研究であり、妊娠中のエキナセアの使用に関する自己報告に依存し、用量、製剤、使用期間は報告されていない。 エキナセアの有効性に関する臨床研究にて用いられた用量は、FSAのばく露評価チームが算出した妊娠可能年齢の女性におけるエキナセア推定摂取量と同程度である。当該臨床研究からは、エキナセアの忍容性は高いと判断されるが、妊婦や授乳婦は含まれていない。さらに、エキナセア製品は、薬用される3種の配合、当該植物の乾燥部位の配合、当該植物由来抽出物の配合が異なり、製品間の正確な比較は困難である。茶や蜂蜜等の一部の食用製品では、使用されている植物種・植物の部位・抽出物に関する正確な情報が、しばしば、不足している。 エキナセアに関するin vivo毒性学的研究では、毒性は低いことが示唆されている。臨床研究では、エキナセア製品は、胃腸障害やアレルギー性皮膚反応等の軽度かつ可逆的な副作用を伴いながらも、概ね忍容性が高いと報告されている。エキナセアが結節性紅斑、好酸球増多症、白血球減少症、血小板減少症、肝毒性を引き起こしたという孤立した症例報告(isolated case reports)が確認されるが、因果関係は確証されていない。医薬品安全性監視事例(Pharmacovigilance case)及び特定患者を対象とする追跡調査からは、エキナセアがアトピー性疾患の既往がある患者において、場合によってはアナフィラキシーに相当する重篤なアレルギー反応を誘発する可能性のあることが示唆されている。2014年、欧州医薬品庁(EMA)は、喘息やアトピーの既往がある患者に対しては、エキナセア製剤を慎重に処方するよう推奨している。エキナセアは免疫系を調節する可能性があるため、自己免疫疾患、免疫不全、免疫抑制、白血球系疾患を発症している場合にも推奨されない。 妊娠中にエキナセアと処方薬が相互作用する可能性については不確実性が認められる。in vitro及びin vivo研究から、エキナセアが酵素・Cytochrome P450の活性に影響し、CYP1A2及びCYP3A4の阻害に繋がり得ることが実証されている。一件の研究では、CYP1A2の基質となる治療濃度域の狭い医薬品(テオフィリン等)をエキナセアと併用すると毒性が生じる可能性を警告している。この場合に推定される相互作用に関しては、当該文献では報告がなく、その臨床的関連性は不明である。 重金属、真菌、細菌、マイコトキシン、農薬等の汚染物質がハーブ製剤から検出されることがある。エキナセア製剤に含有される潜在的汚染物質が妊婦に及ぼすリスクの程度に関しては、研究が不足しており、不確実性が認められる。複数の研究から、エキナセア製剤から検出されたカドミウム及び鉛の含有量はWHOの制限値よりも低いと報告されているが、一部のエキナセア製品から検出されている汚染物質としての真菌やマイコトキシンは、妊娠中にさらなるリスクをもたらす可能性がある。 《COTに検討を要請する質問》 I. COTは、エキナセア摂取と関連する母体の健康へのリスクを決定可能か。 II. 本ディスカッション・ペーパーに提示された情報から、エキナセアのリスク評価に適用するPOD(point of departure)を導出可能か。 III. COTは、本ディスカッション・ペーパーに関し、その他にコメントはあるか。 (注) 本文書はディスカッションを目的とする。COTの見解を示すものではなく、引用されるべきではない。 本ペーパーの全文は以下より入手可能。 https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2024-12/TOX-2024-43%20Echinacea%20final%20draft%20COT%20paper%20Acc%20V%20SO.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Echinacea%20in%20the%20maternal%20diet%20-%20Introduction |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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