食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06410990535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、妊娠中に摂取されるカルシジオールサプリメントの影響に関するディスカッションペーパーを公表 (前半1/2) |
資料日付 | 2024年12月2日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国毒性委員会(COT)は12月2日、2024年12月10日会合用の協議事項及び文書として、「妊娠中に摂取されるカルシジオールサプリメントの影響に関するディスカッションペーパー」を公表した。(TOX/2024/45、PDF版48ページ)。概要は以下のとおり。 《序説》 2019年、栄養に関する科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee on Nutrition(SACN))は、妊娠中・出産時・出産後24ヶ月までの母体の転帰に焦点を当て、栄養及び母体の健康に関してリスク評価を実施することに合意した。 SACNは、必要に応じて他の専門家委員会に諮問し、食品安全勧告の分野等の関連するリスク評価を完了するよう要請し、SACNのレビューの一助とすることに合意した。これを受け、食品・消費者製品・環境中の化学物質の毒性に関する委員会(COT)は、当該レビューの一環として、ビタミンDへの過剰ばく露が母体の健康にリスクをもたらすか否かを検討するよう要請された。2022年、COTは、「妊娠前・妊娠中・授乳期におけるビタミンD過剰摂取の潜在的影響に関する声明」を公表している。2022年12月、会合の議題とされた課題を討議した結果、COTは、「妊娠前・妊娠中・授乳期におけるビタミンD過剰摂取の潜在的影響に関する声明」の附属書として、カルシジオールも検討すべきであることに合意した。これは、カルシジオールがビタミンD2及びD3のより強力な形態であり、かつ、市場にて入手可能性が高まっていることが理由となっている。 《背景》 カルシジオールはビタミンD3(コレカルシフェロール)の新たな供給源であり、コレスタトリエノールより化学合成を経て製造される。カルシジオールは、カルシジオール一水和物、25-ヒドロキシコレカルシフェロール一水和物(25(OH)D3一水和物)、カルシフェジオール、25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)としても知られており、後者2物質はサプリメントにて使用される形態である。カルシジオールは25(OH)Dの合成形態であり、1,25-ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D)として知られる生物学的活性を有するビタミンDの不活性前駆体であることから、一般にプレホルモンと呼ばれる。 カルシジオールはコレカルシフェロール(ビタミンD3)よりも親水性が高く半減期が短い一方、血清中25(OH)D濃度を急速かつ持続的に上昇させる。これは、ビタミンD3の吸収及び肝臓における水酸化との差異によるものであり、カルシジオールは胆汁酸を必要としないため、全身循環への吸収がより速く効率的となる。 カルシジオールはサプリメントに含有されるビタミンD3より3 - 6倍強力であると報告されており、これは、ビタミンD3と同一の血清中25(OH)D濃度を達成するために必要となるカルシジオールは、より低用量となることを意味する。血清中25(OH)D濃度を同等の濃度まで上昇させるには、カルシジオールの10倍量のビタミンD3が必要であることを示す報告もある。 ビタミンDとカルシジオールは等価ではなく、カルシジオールからビタミンD3国際単位(IU)への変換係数に関し、規制当局間において普遍的な合意は形成されていないが、変換係数を1.4 - 5と推定する報告がある。欧州委員会(EC)は欧州食品安全機関(EFSA)に対し、カルシジオールからビタミンD3への変換係数の導出を要請し、栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、変換係数5を導出した。これは、添加物・製品・物質に関するパネルが動物飼料中のカルシジオールをビタミンDに変換するために設定した係数である。 EFSAは、「ビタミンD活性を有する物質の生物学的値」を示すビタミンD等量(vitamin D equivalents(VDE))も検討しており、VDE 1 μgはカルシジオール0.4 μgに相当すると判定し、これは、40 IUに相当する。製薬会社から前回の意見書を修正するよう要請されたことへの対応としてばく露評価を更新した結果、2023年12月、EFSAは、無作為化臨床試験(RCT)10件を対象とするシステマティック・レビューに基づき、カルシジオール摂取量からVDEへの変換係数2.5を提案した。 英国の新食品・新製造工程諮問委員会(Advisory Committee for Novel Foods and Processes (ACNFP))も、EFSA提案の変換係数2.5に同意している。カルシジオールの認可申請に対するACNFPのレビューに依拠し、英国食品基準庁(FSA)及びスコットランド食品基準局(FSS)は、カルシジオールを「提案された使用条件下において安全であり、ヒトの健康に対し安全性上のリスクを提起しない」と結論している。 (後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06410991535) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Calcidiol%20supplementation%20during%20pregnancy%20-%20Introduction%20and%20Background |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。