食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06400722149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、推定栄養摂取量に大きく影響する摂取頻度が低い食品をEFSAの包括的食品摂取データベースを使用して検討する課題:既成ビタミンAの事例に関する論説を公表 (3/3) |
資料日付 | 2024年10月29日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (この記事は 3 / 3 ページ目です) (前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06400721149) この変動は、摂取量の短期的な測定を通じて正確に捕捉できない。対象者ごとに、2回以上の24時間食事思い出し/食事記録から通常の摂取量を計算するために、統計的手続きが適用された(Dekkersら、2014; Nusserら., 1995; Slob、2006; Toozeら., 2006)。通常の摂取量は、2回以上の食事思い出し/食事記録、及び非定量的な食事頻度アンケート(FPQ等)の食事評価法を組合せて推定された。この食事評価法の組合わせを通じて収集されたデータの分析は、次の点を目的にしている。 (a) 特定の食品を摂取しない日を考慮する(摂食しない人、分布の左端) (b) 正の方向に偏った摂取量データを考慮する(分布の右端) (c) 個人における変動を、個人間の変動と識別する (d) 特定の食品を摂取する確率と、摂取量との間の相関関係を考慮する (e) 対象者の特性(性別、年齢、民族性、学歴等)と通常の摂取量との関連付け (Souvereinら、2011) 栄養素の通常摂取量を計算するための適切な手法の選択は、評価の目的の明確かつ簡潔な定義に基づく必要がある(van Klaverenら., 2012)。その関心が、分布の右端に相当する比較的摂取量が多い摂食者にあるならば、保守的な(conservative)なばく露評価が必要かもしれない。 4. リスク評価目的のために、摂取頻度を1人分の量に変換する 前記の、レバー、内臓及びそれらの製品の摂取が1回/月以下であれば、欧州集団において既成ビタミンAに対するULを超過することはないであろうとの結論は、(標準的な)1人分の量の定義に結び付いていなかった。むしろ、NDAパネルはリスク管理者に対して、摂食機会の数、及び食品ごと及び食品摂食調査ごと、年齢グループ及び国別の1人分の量(平均、最小及び最大の重量)をEFSAの包括データベースから提供した(EFSA NDA パネル、2024; 附属書C、表16)。 これには3つの理由がある。 (1) 食品に基づく食事ガイドラインの設定は、EU加盟国の権限である。 (2) 1回に摂取されるレバー製品の量は、摂食する人や調査を通して非常にバラツキがある。 (3) EFSAの推定摂取量は、食品成分における違いよりも、共通の食品市場を想定した食品摂取パターンにおける違いに関連した、EU加盟国を通じた変動を示すことを意図している。 ほとんどの食品及び栄養素には、このアプローチは許容可能かもしれないが、既成ビタミンAの摂取量を計算するために、レバー及びその製品に関する国レベルにおける正確な食品成分データを収集し使用することは、例外として実施する価値があるかもしれない。この理由は、レバー及びその製品中のレチノールの含有量は、他の食品に比較して著しく高く、摂取頻度は低くても、効率的に貯蔵される栄養素の高い摂取に大きく寄与する可能性があるからである。さらに、レバー及びその製品中の既成ビタミンAの含有量は、畜産動物の飼育方法に大きく左右され、国内でも、国と国との間でも高いバラツキがあることが知られている(Howells & Livesey、1998; Majchrzak ら、2006)。したがって、欧州レベルにおいて、既成ビタミンAの過剰な摂取のリスクを管理する目的で、摂取頻度と観察された1人分の量を食用レバー製品の実際の摂取レベルに変換するために、既成ビタミンA含有量に関する国別、又は地域別データが必要である。 5. 今後の取り組み 2023年、全てのEUメニュープロジェクトが終了したことを受けて、EFSAは、EUメニュープロジェクトガイダンス(EFSA、2014)を更新する目的で、これまでに受理した国別の食事調査及び食事摂取データに関して利用可能な手法とツールの状況をマップするために、ERA(Evaluation, Review and Advice on methods and tools)EUメニュープロジェクト(Ocke ら、2024)を開始した。次回の国別食事調査(EUメニューフェーズ2)の期間に、EFSAは、毎日摂取はしないが、2日間の食品摂取データを使用しても信頼できる摂取量の推定ができない食品サプリメントや食品の摂取量を正確に推定するために、国別に適用可能なセントラルFPQの開発を目指している。多くの国に関して、このことは魚類及びシーフード、レバー及び内臓、及び豆類に当てはまる(Carvalho ら、2023)。EUメニューフェーズ2はEUメニューガイダンスの改訂を受けて、2026年後半に開始される予定である。既存のFPQのデータはEFSAのデータ・ウェアハウス(data warehouse)に転送され、包括データベースに接続される予定である。 栄養素の正確な推定摂取量を取得するためには、完全かつ最新の食品成分データも同様に重要である。2015年以降のEFSAの食品分類体系(FoodEx2)の大きな改善、欧州における食品成分データベースの進化、及び欧州レベルにおける、高品質で、調和がとれた食品成分データの研究に関する関心の高まりを考慮し、EFSAは、オープンアクセスの欧州食品成分データベース(EU FCDB)の創設とメンテナンスの機会であると考えた。 この目的のために、EFSAは目下、次の2点を目的にしたプロジェクトに取り組み中である。 (a) 栄養強化食品及び食品サプリメントを含む、国別のFCDBの成分データの登録、及び評価に使用する手法、並びにデータ提出に用いるデータモデルの品質基準の定義 (b) EU、欧州自由貿易連合(European Free Trade Association: EFTA)及び加盟候補国への支援制度(Instrument for Pre-accession Assistance=IPA)の諸国のうち最低16か国から、収集され、FoodEx2にマップされた食品成分データを一般公開 EU FCDBプロジェクトは、2025年末までには完了する予定である。 最後に、EFSAは2023年、様々な統計上の課題に対処し、統計手法及び使用上の基準の限界の理解を深め、代替可能なアプローチを特定するために、プロジェクトを開始した。このプロジェクトでは、摂取量の中央値及び極端なパーセンタイル(2.5%、99%、99.9%等)の値を推定する手法を研究し、推定の信頼性(最小の標本サイズに基づく等)に関する基準を導出する。その研究には、EFSA向けに以前進められた研究に基づき、それを更新し、通常の摂取量推定の手法も含まれる。そのプロジェクトは、2025年に完了する予定である。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e221002 |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。