食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06400720149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、推定栄養摂取量に大きく影響する摂取頻度が低い食品をEFSAの包括的食品摂取データベースを使用して検討する課題:既成ビタミンAの事例に関する論説を公表 (1/3)
資料日付 2024年10月29日
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概要(記事) (この記事は 1 / 3 ページ目です)
 欧州食品安全機関(EFSA)は10月29日、推定栄養摂取量に大きく影響する摂取頻度が低い食品をEFSAの包括的食品摂取データベースを使用して検討する課題:既成ビタミンA(preformed vitamin A)の事例に関する論説(2024年10月8日承認、5ページ、DOI: 10.2903/j.efsa.2024.e221002)を公表した。
 現在行われているビタミン類及びミネラル類に関する耐容上限摂取量(UL)の改定の文脈において、欧州委員会はEFSAに対して、欧州集団におけるバックグラウンドの食事(すなわち、栄養強化食品及び食品サプリメントを除く)由来の微量栄養素の調和のとれた推定摂取量を提供するよう要請した。他の化学物質(食品添加物、汚染物質等)へのばく露評価に関しては、2日~9日間の食事記録、又は24時間思い出し法に基づくEFSAの包括的食品摂取データベース(以下、包括的データベース)が使用された。既成ビタミンAに関するULの評価期間中に、摂取頻度が低い食品中に高濃度で存在する栄養素の高摂取量(95パーセンタイル(以下、P95))を推定する際にこれらの食事評価法の限界が明らかになった。
 既成ビタミンAは次の2つの理由により特別な栄養素である。(a)(既成ビタミンAの)1日あたりの摂取量は、栄養素の中で、個人差が最も大きく、また、個人の摂取量も日によって最も大きく変動する。(b)高レベルに摂取された既成ビタミンAは、特に肝臓及び脂肪等の他の組織中に効率的に貯蔵され、蓄積する可能性がある。したがって、非常に不定期な摂取パターンで、レバー及びその製品等、既成ビタミンAの濃度が非常に高い供給源を摂取する場合は、食事記録又は数日間を対象にする24時間思い出し法を使用すると、見落とし、又は過大評価される可能性があり、既成ビタミンA摂取の過大評価及び過小評価の両方に繋がりかねない。これらの2つの特徴(摂取頻度が非常に低い又は不定期に摂取する食品中に高濃度で含まれること、及び生物蓄積)は、他の栄養素(ブラジルナッツ中のセレン(selenium)、魚類中の長鎖オメガ3脂肪酸(long-chain omega-3 fatty acids))や化学的ハザード(魚類中のメチル水銀、ダイオキシン類)にも共通している。
 本論説は、バックグラウンドの食事に由来する既成ビタミンAの摂取量評価の期間に直面した課題や、リスク評価に使用する栄養素(及びその他の化学物質)の信頼度が高い推定摂取量(及びばく露量)を取得するために将来実施可能な手段に対処することを目的としている。
1. バックグラウンドの食事由来の栄養素摂取量の推定に用いるEFSAの包括的データベースの使用
 EFSAの包括的データベースは、個人レベルにおける食品摂取に関する国レベルの既存の情報の集積である。
 欧州連合(EU)メニュープロジェクトの文脈においては、1つの調査の中で、平日と週末、及び季節のバランスをとり、最低2日間を対象とする24時間思い出し法又は食事記録法を使用して摂取量データは収集される。包括的データベースに収載されるほとんどの食事調査は、摂食した2~3日に基づいている。連続しない2日間にわたり収集された食品摂取データは、集団の習慣的な摂取分布を推定するために使用可能であるが、2日間のデータ収集において容易に見落とされ、又は過大評価される可能性がある摂取頻度が低い食品や、50 %以下の集団が摂取する栄養素を多く含有する食品(レバー及び魚類)に関してはあてはまらない可能性がある。これらの課題に対処するために、様々な評価法を組合せて実施し(複数の24時間思い出し法、及び食品傾向アンケートと呼ばれる非定量的食品頻度アンケート等)、その後に統計モデリングを行う方法が実施された(Engle-Stone ら、2014; Souverein ら、2011)。
 対象集団及び除外基準、考察する年齢集団、サンプル抽出(すなわち、調査対象の一般集団から個人の小集団を選択)、及び標本サイズに関するガイダンスも作成された(EFSA、2014)。全体として、EUメニュー調査に含まれる年齢グループ毎に、国内での摂取パターンに大きな相違(すなわち、地域差の大きい人口の多い国や、妊婦や菜食主義者のような特定の集団を含めるために調整する必要)がない場合、ほとんどの食品及び栄養素に関して、信頼性があり、代表的な平均及びP95における推定摂取量を取得するために、集団グループ及び調査ごとに最低260人の対象者(男女各130人)のデータを収集する必要がある。バックグラウンドの食事から摂取量を推定するために使用される調査内の集団グループのおよそ1/3に関して、連続しない最低2日間の摂取日の記録があるそのような人数の個人は得られず、特に若い集団グループは影響を受ける。以前議論されたように、高いパーセンタイルと低いパーセンタイル(平均値ではなく)が最も小さな標本サイズによる影響を受ける。
2. 特定の栄養素に関する摂取頻度が少ない食品の問題:既成ビタミンAの事例
 EFSAの評価においては、リスクの特性評価のために推定摂取量が要求され、高いパーセンタイル(通常P95)における集団の摂取量が、設定された健康影響に基づく指標値(HBGV)と比較される。既成ビタミンAを含む特定の微量栄養素に対するULを更新するよう求める欧州委員会からの直近の委任事項において、その関心は、集団における微量栄養素の高い摂取量とULとの差を算出できるように、バックグラウンドの食事由来の推定摂取量を取得することであった。この差は、消費者保護を確保しつつ、栄養強化食品及び食品サプリメント中のビタミン類及びミネラル類の最大量の設定する際に参考にすることができる。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06400721149)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e221002
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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