食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06380501149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、食品及び飼料のリスク評価の文脈における新たなタンパク質の毒性予測に向けたin silico手法の開発に関する外部機関による科学的報告書を公表 (後半2/2)
資料日付 2024年10月16日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06380500149)

2. バイオインフォマティクス・ツールの有用性の検討
 直接的予測ではなく、配列類似性に基づく情報を提示するバイオインフォマティクス手法がタンパク質の毒性予測に適用できるか否かも調査された。具体的には、BLASTとInterPro Hidden Markov Model (HMM)プロファイル・アラインメントである。これらの方法論の出力を、機械学習モデルのトレーニングにて使用されている巧妙に考案された特性に合わせて体系的に編成し、毒素/非毒素の識別を目指した。本プロジェクトにおいて開発されたモデルはタンパク質毒性予測において驚異的な精度を発揮するが、モデルの過剰適合のリスクに関しては改善の余地がある。
3. 高精度コンセンサスモデルを開発
 ToxinPred2、Toxify、BLAST、InterProのデータを用いて構築した機械学習モデル等、選抜した予測ツールの出力を統合するAIベースのコンセンサスモデルを開発した。このコンセンサスモデルは、95%の予測精度にて毒素/非毒素の識別が可能であり、我々の知る限り、配列解析のみに基づくタンパク質毒性予測の最先端をとなる。予測結果を比較すると、BLAST MLP(Multi-Layer Perceptron)モデルは、このコンセンサスモデルと同程度の精度を示すが、両者には極めて重要な違いがある。BLAST MLPモデルの精度は、クエリー配列とデータベース内の既知タンパク質との系統学的関係の有無に大きく依存する。現在の毒性タンパク質データセットは、特定の生物(動物等)や毒素クラス(サソリ毒等)の毒素が過剰に代表されている等のサンプリング・バイアスを示す傾向があるため、信頼性には限界があると推測される。その結果として、BLASTベースの予測は、代表性の高い毒素ファミリーに偏ることが多く、新たな又は希少な毒素(近縁のホモログが存在しない、あるいは、十分に調査されていない発生源に由来する毒素)は、確実には検出されない。これとは対照的に、コンセンサスモデルは複数のツールの出力を組み合わせており、その中にはToxinPred2やToxifyのように系統学的関係に依存せず、配列ベースの特徴に焦点を当てるツールもある。これらのモデルでは、毒素の明確なホモログがUniProtKBのようなデータベースにおいて存在しないケースや、毒素が人為的変異や研究が進んでいない生物に由来するケースにおいて、より優れた性能を発揮することができる。InterProは又、機能ドメインの特定、及び、解析の補完に貢献する。
《推奨事項》
1. オープンソースであり、かつ、ユーザーフレンドリーなツールの開発
 ユーザー フレンドリーを念頭に設計し、バイオインフォマティクスの専門家ではないリスク評価者が、正確な予備的毒性評価を容易に実行できるようにする。このようなツールにより、規制プロセスのアクセシビリティ及び透明性が向上する。
2. データベース及びモデルの定期的な更新
 モデルを最新の状態に保つことにより、新たな、及び、新興の毒素を正確に識別する能力を向上させる。
3. 3次元構造情報との統合
 配列ベースモデルは極めて効果的であるが、今後の開発では3次元構造情報を予測モデルに統合する可能性を探るべきである。一次配列データと共に構造特性記述子を生成することにより、相同性が不明なタンパク質を中心として、毒性予測の精度及び感度のさらなる向上が期待される。
4. データベースのサンプリング・バイアスへの対処
 データベースに代表される生物及び毒素クラスの範囲を拡大すれば、さらに均衡の取れたデータセットが提供され、より一般化可能かつ正確な毒性予測が可能となる。
5. 規制機関との連携
 開発されたツールが規制の枠組みの要件に準拠することを担保するため、EFSA等の規制機関との継続的な連携が不可欠となる。この連携により、ツールを公式リスク評価のワークフローに統合して、実際の意思決定プロセスに適用できるようになる。
6. 規制用途に向けたAIと機械学習モデルの評価
 AIベースの手法には大きな可能性があるが、特に規制の文脈においては、これらのモデルの精度及び堅牢性を担保するために、追加のベンチマーク、ストレス・テスト、外部検証等、さらなる検証が必要となる。
《実施機関》
1. Dipartimento di Scienze Farmacologiche e Biomolecolari, Universita degli Studi di Milano, Via Balzaretti 9, Milano, Italia
2. INNOVATUNE, Via Giulio Zanon 130/D, Padova, Italia
(訳注) タンパク質配列及び注釈データに関する包括的リソース。詳細は以下のURLにて閲覧可能。
https://www.uniprot.org/help/about
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-9063

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