食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06380370294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/7/20~9/27)を公表(鳥インフルエンザA(H5)ウイルス) (前半1/2)
資料日付 2024年9月27日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は10月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/7/20~9/27)を公表した(12ページ)。鳥インフルエンザA(H5)ウイルスに関する概要は以下のとおり。
・感染状況
1. A(H5)、米国
 2024年7月19日の前回のリスク評価以降、米国で6人からインフルエンザA(H5)ウイルスが検出された。そのうちの5人のウイルスは、全ゲノム或いは部分的なゲノムシークエンス解析によりA(H5N1)ウイルスであることが確認されている。2024年7月19日、米国はWHOに対し、コロラド州の成人の鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染によるヒト症例2例を通知した。当該患者は発症前に、家きんにおいてクレード2.3.4.4bに属するA(H5N1)亜型(遺伝子型B3.13)ウイルスが検出された商用家きん施設で殺処分(disposal and culling)作業を行っていた。
 この2人の患者は、公衆衛生職員による農場での日常的な積極的監視活動中に、コロラド州公衆衛生環境局に症状を報告した。検体が採取され、コロラド州公衆衛生研究所で米国疾病管理予防センター(CDC)のインフルエンザA(H5)試験を用いて検査された後、さらなる検査のためCDCに送付された。当該検体は7月17日にCDCに到着し、18日に検査が行われた。この2人の検体は、診断用RT-PCR試験を用いてA型鳥インフルエンザ及びA(H5)ウイルス陽性と判定された。
 CDCでこれらの症例のうちの1例から得られたウイルスの塩基配列を決定したところ、ノイラミニダーゼ(NA)がN1であり、当該ウイルスがクレード2.3.4.4bのA(H5N1)ウイルスであることが確認された。配列決定された6つの遺伝子セグメントでは、その配列は過去のヒト症例由来のウイルス塩基配列、及び米国農務省(USDA)から公開された最近の家きん集団感染や感染した乳牛群から検出されたウイルスと近縁である。詳細はCDCのWebページ(※URL略)に記載されている。
 さらに2024年7月26日、米国はWHOに対し、コロラド州の18歳超の成人の鳥インフルエンザA(H5)感染による検査確定ヒト症例3例を通知した。3例とも発症前に、家きんでクレード2.3.4.4bに属する高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)A(H5N1)ウイルス(遺伝子型B3.13)が検出された商用家きん農場で殺処分業作業を行っていた。
 この3人は、当該農場での日常的な積極的監視活動中に、コロラド州公衆衛生局の公衆衛生職員に症状を報告した。検体が採取され、コロラド州公衆衛生研究所でCDCのインフルエンザA(H5)試験を用いて最初の検査が行われた後、確認検査のためCDCに送付された。検体は2024年7月23日にCDCに到着し、24日に検査が行われた。3人の検体は、CDCでの診断用RT-PCR試験を用いてA型インフルエンザ及びA(H5)ウイルス陽性と判定された。
 これら3例のヒト症例から得られたウイルスの全ゲノムシークエンス解析により、3人のウイルスのNAはそれぞれN1であり、クレード2.3.4.4bのA(H5N1)ウイルスであることが確認された。これら塩基配列は、最近発生した家きんの集団感染や感染した乳牛群から検出され、USDAから公開されたウイルスの塩基配列と近縁であった。上述に加えて、これら塩基配列は主に鳥類株の遺伝的特徴を維持しており、ヒト間での拡散により適合するような変異はない。また、疾病の重症化やヒトの感染・拡散への適応を示唆するどのような変異も含んでいない。さらに、インフルエンザの抗ウイルス薬抵抗性に関連することが知られているマーカーも存在しない。
 5人全員が軽症で、抗ウイルス薬の投与を受けた。この症例に関連するさらなる症例は検出されなかった。
 2024年9月6日、米国はWHOに対し、ミズーリ州で重度の基礎疾患の病歴を持つ18歳超の人物の鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染による追加の検査確定ヒト症例1例を通知した。当該患者は2024年8月20日に発症した。症状は急性で、胸痛、吐き気、嘔吐、下痢、衰弱がみられた。患者は入院し、オセルタミビルによる治療を受け、病状は回復した。患者は、発症前の10日間に動物との接触はなかったと報告したが、報告時点では、潜在的なばく露源の調査が進行中であった。
 鼻咽頭スワブ検体が採取され、病院の検査室でマルチプレックスPCR呼吸器パネル(multiplex PCR respiratory panel)を用いた検査が行われ、検体はA型インフルエンザウイルス陽性、並びにA(H1)及びA(H3)のマーカーは陰性と判定された。A型インフルエンザが亜型判定できない場合のサーベイランス提出ガイダンスに基づき、当該検体は保健シニアサービス局のミズーリ州公衆衛生研究所(MSPHL)に転送され、そこでさらなる検査が行われた。検体は9月4日にCDCに到着し、9月5日にインフルエンザA(H5)陽性が確認された。報告時点では、当該ウイルスのN型やその他の特徴に関する情報は得られていない。報告時点では、遺伝子配列解析とウイルス培養が進行中である。
 この患者の濃厚接触者の1人が、この患者と同じ日に咳と倦怠感の症状を発症したが、診断検査は行われておらず、この患者は医療ケアを受けることなく回復した。この患者は発症前の10日間に動物との接触はなかったと報告している。この症例の濃厚接触者からは、新たな発症者は報告されていない。報告時点では、公衆衛生当局による症例調査及びサーベイランス活動が実施中である。
 9月13日、米国CDCは、当該症例のウイルスがH5(クレード2.3.4.4b)に属し、ノイラミニダーゼがN1であることを示す部分ゲノム配列解析の結果を発表した。
 米国では低病原性及び高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルスが鳥類から検出されている。2022年以降、HPAI A(H5)ウイルスは48州の商用及び裏庭家きん群から検出され、1億羽以上に影響を及ぼしている。2022年以降、米国では現在までに15人がA(H5)ウイルス陽性と判定されている。最初の症例は2022年4月にコロラド州で家きんの殺処分作業を行った人物であり、次の4症例は2024年4月から6月にかけてテキサス州、ミシガン州(2例)、及びコロラド州で酪農に従事していた人物で発生し、続いてコロラド州の2つの農場で家きんの殺処分作業に関連した9症例、及び報告時点で動物へのばく露歴が報告されていないミズーリ州の人物の1症例が発生した。米国では、乳牛、野鳥及び飼育鳥類におけるA(H5N1)ウイルス感染が引き続き報告されている。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06380371294)
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment--27-september-2024
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