食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06370081535 |
| タイトル | 英国毒性委員会(COT)、缶詰食品の缶内部のコーティングに使用されるテトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル(TMBPF-DGE)の安全性評価書を公表 (2/3) |
| 資料日付 | 2024年9月20日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | (この記事は 2 / 3 ページ目です) (前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06370080535) 毒性データの評価 ・遺伝毒性 遺伝毒性試験は、TMBPF-DGE自体ではなく、TMBPF-DGEのエポキシ樹脂(ER)を用いて実施された。 TMBPF-DGE ERは、in vitroでは明らかに染色体異常誘発能と遺伝子突然変異に対して陽性であったが、in vivoでの染色体異常誘発能を確認するための骨髄小核(MN)試験は陰性であった。 (中略) in vivoでの精原細胞の染色体異常試験では染色体異常は陰性と判定されたが、データは倍数体の増加を示した。委員会は、これが生物学的に関連する影響とは考えにくいが、倍数体形成が高濃度(2 g/kg体重(bw))および48時間後でのみ発生したこと、骨髄アッセイで MNの増加が認められなかったことから、データおよび潜在的な倍数体形成の重要性に関する不確実性は残った。 (中略) 特に、潜在的な倍数性の重要性など、いくつかの不確実性が残るものの、データには大きな安全性マージンがあり、全体として、委員会は、TMBPF-DGEの変異原性作用によるヒトの健康リスクは考えにくいことに同意した。 ・一般的な毒性 遺伝毒性に関する上述の結論を踏まえ、FCMJEGとCOTは、リスク評価を一般的な毒性データに基づいて行うべきかどうかを検討した。 慢性毒性/発がん性および生殖/発生毒性試験は入手できなかった。しかし、短期の反復投与毒性試験と生殖/発生毒性スクリーニング試験の併合試験(※訳注1)が文書で提出された。 (中略) 100 mg/kg bw/日(d)および300 mg/kg bw/d投与群では、すべての動物が全試験期間にわたって生存したが、1,000 mg/kg bw/d投与群の動物は毒性/健康不良の徴候のため、交尾開始前に投与が中止された。300 mg/kg bw/d以上の用量で、肝臓と腎臓に親の影響が認められた。しかし、提出された文書の著者は、これらの影響が組織病理学的に有害な徴候を伴わず、臨床化学的な変化は、雌のみにおいて、300 mg/kg bw/d投与で血清酵素(アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST))の増加は2倍未満であったため、その毒性学的意義は不明確であると考えた。当該試験報告書では、報告された影響に基づき、親の無毒性量(NOAEL)は100 mg/kg bw/d、生殖および発生のNOAELは少なく見積もっても300 mg/kg bw/dであることが特定された。 FCMJEGとCOTの委員は、入手可能なデータから、300 mg/kg bw/dの用量で生殖または発生への影響は認められず、親のNOAELが100 mg/kg bw/dであれば懸念は生じないと結論した。 TMBPF-DGE ERについて入手可能な内分泌データは、評価の要件ではないが、質が高く、大部分が陰性であった。エストラジオール(estradiol)合成誘導のin vitroアッセイで弱い陽性結果が報告されたが、このアッセイは感度が高すぎる傾向があるため、生物学的に関連性のない陽性結果が出る可能性があると委員会は指摘した。これらの結果は、経済協力開発機構(OECD)の試験ガイドラインで1.5倍の変化を陽性とみなす「判定」(※訳注2)に必要な値をわずかに上回るものであった。適切な追加のin vivoアッセイでは、同等の活性は観察されなかった。 ばく露評価/リスクの判定 ヒトが、食品包装材料のコーティング以外からTMBPF-DGEおよびその関連誘導体にばく露する可能性は低いため、FSAに提供されたばく露評価は、食品包装材料に起因する経口ばく露に基づいていた。 TMBPF-DGEのワーストケースの食事性ばく露を推定する際には、軽金属食品包装材料のコーティング剤の製造工程および塗布中に形成する加水分解生成物および塩素化生成物を考慮する必要がある。したがって、最も保守的(conservative)な移行量の計算を確実にするため、評価では、TMBPF-DGE・2H2O(※訳注3)を含むすべてのTMBPF-DGEモノマーを移行量の合計に含め、92.8 μg/6 dm2 (飲食物1 kgあたり92.8 μgに相当)の食事を通して摂取する総モノマー濃度(total monomer dietary concentration (DC))が使用された。 一人一日あたり92.8 μgのTMBPF-DGEモノマーの推定一日摂取量(EDI)は、DCに個人が一日に消費する当該食品の総重量(既定値である、一人一日あたり1 kgの飲食物)を乗じて決定された。 哺乳類における遺伝毒性、発生毒性、生物蓄積性の懸念がないため、提供された文書では、28日間反復投与毒性試験から得られた経口NOAEL 100 mg/kg bw/dと、不確実係数1000(種間および種内差に対して100、亜慢性から慢性への外挿に対して10)を用いて、許容一日摂取量(ADI) 0.1 mg/kg bw/dが設定された。したがって、体重60 kgのヒトの場合、最も保守的な経口参照用量(oral reference dose)は1日あたり6 mgとなる。 哺乳類における発がん性の可能性が低い物質については、毒性学的リスクを定量化するためにハザード比(HQ)アプローチを用いることができる。HQは、推定ばく露量とADIの比である。HQが1以下であれば、発がん以外の有害な影響が生じる可能性は低いため、その物質の使用は許容されると考えられるが、HQが1以上であれば、有害な影響が生じる可能性が高くなる。TMBPF-DGEとそのモノマーのHQは0.016であった。 委員会は、28日間の試験からヒトの生涯ばく露量への外挿に不確実係数1,000を使用することに同意した。しかし、委員会は、長期/慢性毒性試験の欠如やその他のデータベースの不備により、HBGVを設定することは適切ではないと考えた。 推定ばく露量を28日間の試験から得られたNOAEL 100 mg/kg bw/dと比較した結果、ばく露マージン(MOE)は少なくとも67,000となった(※訳注4)。これは、この物質への慢性ばく露による懸念レベルを評価するために適切であるとされる1,000 (NOAELは亜慢性試験によるものであるため、既定値100と10の積)をはるかに超えている。 (次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06370082535) |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | 英国 |
| 情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
| 情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
| URL | https://cot.food.gov.uk/Summary%20and%20Introduction |
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