食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06350760149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのヒトと同一のミルクオリゴ糖の評価に関する科学的・技術的支援報告書をテクニカルレポートとして公表 (前半1/2)
資料日付 2024年9月2日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は9月2日、新食品としてのヒトと同一のミルクオリゴ糖の評価に関する科学的・技術的支援報告書をテクニカルレポートとして公表した(8月26日採択、PDF版33ページ、https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2024.EN-8994)。概要は以下のとおり。
「背景」
 近年、化学合成又は微生物派生株を用いた発酵により製造されるヒトと同一のミルクオリゴ糖(human-identical milk oligosaccharides(HiMOs))が増加し続けており、旧及び現新食品規則の下、新食品として認可されている。
 現在、7種のHiMOsが新食品として認可されており(ラクト-N-ネオテトラオース、ラクト-N-テトラオース、2’-フコシラクトース、3-フコシラクトース、3’-シアリルラクトース(ナトリウム塩として)、6’-シアリルラクトース(ナトリウム塩として)、2’-フコシラクトース/ジフコシラクトース混合物)、その内数種は複数の申請者によるものであり、各々データ保護が認められているため市場独占権を保有している。ラクト-N-フコペンタオースI/2’-フコシラクトース混合物はリスク評価が完了しており、L-フコースはリスク評価中である。上記の認可済HiMOsは、何れもEFSAの肯定的な科学的意見により確証されている。
 新食品として認可されているHiMOの用途は、主として、乳児用調製乳及びフォローオン調製乳である。その他の用途としては、乳製品を主原料とする食品、シリアル及びシリアルバー、パスタを主原料とする食品、特定医療用食品、牛乳を主原料とする飲料、乳製品、食品サプリメント等、多くの食品群がある。
 ヒトミルクオリゴ糖(HMOs)は、ヒト乳中において通常検出される難消化性炭水化物であり、乳児腸において、本物質を代謝できる正常な微生物叢のコロニー形成を促進すると考えられている。新食品であるHiMOsは、ヒト乳中に存在するHMOsと化学的に同一であり、同一機能を発揮すると考えられ、それゆえに食品事業者の間で人気が高まっており、HiMOの新食品申請が着実に増加している。
 EFSAによるHiMOsの評価は、ハザードの特性評価及び摂取量の推定という点において、リスク評価の標準的基準に従うが、大きな相違が一点ある。これらの物質の性質・特性のため(高粘度、及び、投与量が高い場合に栄養不均衡となるリスク)、亜慢性試験にて投与可能な最大用量からは、対象集団における最高推定1日摂取量と比較した場合、低い安全マージンしか設定されない。そのため代替法として、新食品であるHiMOの摂取量は、完全母乳哺育児における母乳由来の自然の対応物質の摂取量(「自然」HMO摂取量)と比較される。
 各HiMOを対象とした最近の評価では、EFSAが欧州委員会(EC)に注意を喚起した、留意すべき以下の進展が強調されている。
 1. EFSAの包括的欧州食品摂取データベース収載の個別データに基づき更新された、最新のEFSAの食事性ばく露ツール(Dietary Exposure(DietEx))を用いたHiMO摂取量評価の結果、旧ツール/旧摂取データを用いて算出された以前の推定値よりも高い摂取量推定値が導出された。新食品HiMOsの摂取量が、ヒト乳由来の対応するHMOsの摂取量を超過するケースもあった。
 2. HiMOの申請数及び認可数の増加により、1種の食品(乳児用調製乳に複数の新食品HiMOが使用される場合)あるいは多種の食品において、異なるHiMOが複数同時併用される状況が発生する可能性があり、その場合、各HiMO単独の摂取量はヒト乳汁中に自然に含有される対応するHMOの摂取量を超過する可能性も超過しない可能性もあるが、総HiMOs摂取量はヒト乳汁由来HMOsの総1日摂取量を超過する可能性がある。
 以上より、最適なツールを用いて各HiMOの摂取量評価を再考し、必要であれば当該評価を修正することにより、さらに、HiMOsが併用される/される可能性のあるシナリオにおいて総HiMOs摂取量を検討することにより、HiMOsに対して認可された使用条件及びその結果としての摂取量を総合的に調査する必要がある。
「委任事項」
 規則(EC) 178/2002第31条に基づき、ECはEFSAに対し、HiMOの評価に関して科学的・技術的支援を提供するよう要請した。
 EFSAは以下の点に重点を置くようを要請された。
 (a) EFSAが現在までに意見を表明しているHiMO・8種の摂取量評価を再検討し、必要に応じて改訂し、各集団及び各集団内の適切な亜集団に対し、最高摂取量をもたらす認可された用途を特定する。
 (b) (a)の摂取量評価の結果に基づき、各HiMOが他のHiMOと併用される/され得るシナリオを検討し、そのような併用に起因する総合的なHiMO摂取量を、最新の科学文献のデータに基づき、ヒト乳由来の総合的な自然HMO摂取量と比較する手法を明示する。
 c 可能であれば、同時使用・併用されるHiMOsを考慮した、HiMO評価に向けたアプローチを確立する。
 (d) 上記(a)、(b)、cの結果に依拠し、HiMOsの同時使用・併用を前提として、HiMOsの現用途に由来する摂取量がもたらす潜在的リスクの有無に関し意見を表明する。リスクの可能性がある場合、摂取に主として寄与する、製品カテゴリー及び使用のシナリオを特定する。
「議論」
 近年著しく増加している新食品HiMOsの認可を念頭に、一貫したアプローチを確保し、かつ、HMOsの自然摂取量を超過するHiMOsの摂取を回避するため、新食品としてのHiMOsの摂取量評価が改訂された。この改訂に向け、ヒト乳汁中の各HMO及び総HMOsの平均濃度及び最高平均濃度のデータベースが更新された。これらの更新データは、関連するEFSAの科学的意見書にて用いられている標準的なアプローチに従い、ヒト乳の平均及び最高1日摂取量(800 mL/日及び1,200 mL/日)、乳児体重6.7 kgを適用して、母乳哺育児における最新のHMOs自然摂取量推定値を算出するために使用された。ヒト乳由来の各HMOsの最高平均1日摂取量(HMOの最高平均濃度及びヒト乳の高1日摂取量に基づく)は、(i)提案された使用条件に由来するHiMOの最高95パーセンタイル(P95)1日摂取量、及び、(ii)乳児用調製乳において最大用量にて単独で使用されるHiMOの最高摂取量との比較の礎となる。総HMOsの最高平均1日摂取量が、総HiMOs摂取量との比較のために使用されている点に留意されたい。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06350761149)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8994
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